塩谷賢 #哲学表現基礎論 第9回「対象と鑑賞者のあいだに介入するのが、伝達者=制作者である。…それでは介入とは何か?」

塩谷賢 #哲学表現基礎論 第9回「対象と鑑賞者のあいだに介入するのが、伝達者=制作者である。…それでは介入とは何か?」の簡単なまとめです。
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塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

【時間割】#哲学表現基礎論 第7回 動態性と表現 第8回 感情・心理と表現 第9回 表現とコミュニケーション←今回 第10回 形式的表現 第11回 表現とシステム 第12回 言語表現と解釈 第13回 批評・法・経済 第14回 意味と概念 第15回 学習した内容の点検と確認

2015-06-11 13:03:16
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

表現について、「見るとは何か」から始めたが、「見る」という話を、造形の作成者と鑑賞者についてそれぞれ考えた。鑑賞者の「見る」は、フッサールの現象学的美学(後に離れる)、受容美学などいろいろあるが、今回この講義で依拠しているのはメルロ・ポンティ。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 13:13:00
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

画面における画像の不定性(量化: ただしdomeinははっきりと規定しない)。 物理的支持体である画面 ― 画像 ― 対象 という3つで考えると、言語でも 物理的支持体である紙など ― 文字 ― 意味(指示されたもの) と考えられる。 しかし、意味とは? #哲学表現基礎論

2015-06-11 13:20:07
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

また、物理的支持体とは何か。J.A.オースティンは語用論で、locationary act, illocationary act, perlocutionary actに分けるが、そのとき、支持体は声なのか空気なのか。画面=物理的支持体とは、簡単に書けない。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 13:25:42
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

この講義では、画面と画像が作られていく関係を考えたいのだが、その関係そのものは、画面にはのらない。どうしよう。今回はあえて〈描き手〉と〈対象〉のあいだの能動/受動の関係として、考えてみる。例えば、対象から霊感を受け取る制作者や、制作者に創造される対象といった具合。#哲学表現基礎論

2015-06-11 13:34:50
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

コミュニケーションとして考えると、物理的支持体が、画面とどのように異なるかがわかる。物理的支持体は、一つの共通の場所(topos)を作るための条件。画面は、やりとりをして修正する(feed buckする)もの。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 13:54:55
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

送り手と受け手のあいだに介入するのが伝達者である。…と書くと、あたかも「正しいメッセージ」なるものがあり、それが送り手から受け手にコンテナに詰められたものが移動するように伝わるようなイメージを抱いてしまいがちだが、それは外から見たときだけ。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:00:02
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

では、介入とは何なのか。ここで、「画面における画像の不安定さ」に戻らなければならない。伝達者は、二つの画面を出入り口として持つ。送り手からの入り口としての画面、受け手への出口としての画面。中はわからないが、2つの出入り口があるという外枠の形式はわかる。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:07:29
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

2つの出入り口という外枠の形成、それを定める安定的なもの。その安定的なものを、明示的なものとして取り出すこと。そこで明示的に取りだされたものがメッセージである。外枠そのものは通信チャンネルとなる。メッセージと通信チャンネルは、どちらも制約である。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:12:55
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

たとえば、ある独裁者が国民を思うがままにあやつりたいと考えたとする。 そのとき独裁者は「○○しろ」という命令や法律の発布などをするわけであるが、そのとき命令や法制度という制約のもとでしか独裁者はメッセージを伝えることができない。以心伝心ができない限り。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:16:45
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

それでは、「感情や思いが伝わる」ということはどういうコミュニケーションだと考えられるか。AさんとBさん2人のコミュニケーションは、A→B→A→B→…とターンがくっきり分かれてなされるものではなく、→はABがオーバーラップしている。このオーバーラップが[…] #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:25:18
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

特定の形、様態(mode)を持つことによって取りだされ、「思いが伝わる」。形式と呼ばれるものは、私たちが気がつかないところで、感情そして伝達そのものに非常に効いている。思いは制約を受けるものであり、どのような制約を受けているかという外枠の形式がまさに思いを伝える。#哲学表現基礎論

2015-06-11 14:32:38
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

思いを伝えるときに、思いの制約はどのようなものか、思いの外枠をどのように作るか、それが作品制作の鍵になる。 #哲学表現基礎論

2015-06-11 14:33:54