「知覧の水からくり」調査レポート

2015年7月9日・10日の両日にわたって、南九州市豊玉姫神社で祭礼「六月灯」が行われましたが、これに合わせて奉納された「水からくり」について、簡単な報告としてまとめました。
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佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

元館長さんが在職時代は、何でも自分で作ってしまっていたので、博物館出入りの業者さんが冗談交じりで不満を漏らしていたと。何せ、博物館用の棚からケースまで自分で作ってしまっていたので。今もミュージアム知覧に展示されている水からくりのミニチュアは、元館長お手製とのこと。

2015-07-17 01:41:00
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

色々と水からくりのことを紹介してきたが、歴史的な背景について最後に。 この薩摩地域は、江戸時代から水車を大々的に利用していたことが知られている。農業利用はもちろんのこと、製糖、製鉄にも動力として用いられた。その技術は中国との交流から入りやすかったのではないかと予想されている。

2015-07-17 01:49:00
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

つまり、水車に関しては利用の蓄積があった。また、近年に至るまでこの知覧周辺には「知覧大工」と呼ばれる大工業が集中していたこともあり、木造建築・木工品の制作には人材が豊富にいたことも見逃せない。さらに、薩摩藩ではからくり人形で遊ぶ武士層がいたことも記録に残っている。

2015-07-17 01:51:44
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

残念ながら、水からくりの年代的な明確な起源は辿れないようであるが、江戸時代後半にはこのような背景が有ったことは指摘できそうである。 参考文献は、知覧町教育委員会による文化財調査報告書「薩摩の水からくり」(1997)と、知覧水車からくり保存会「薩摩の水からくり記録集Ⅱ」(H17)

2015-07-17 01:56:32

この知覧の水からくりについては、以前から何度もネット上に動画などで紹介されている。過去の演目についても参照可能であるので、興味関心のある方はそちらも探してご覧いただきたい。