放医研論文和訳【福島原子力事故後の母乳のヨウ素131汚染を解釈するためのヨウ素の体内動態モデルの導入】Yurihiranumaさんのツイートまとめ(2015.7.26作成)

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Implementation of iodine biokinetic model for interpreting I-131 contamination in breast milk after the Fukushima nuclear disaster (cont.)

2015-07-26 13:55:27
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Scientific Reports 2015年7月22日掲載の放医研論文(英語、無料) 「福島原子力事故後の母乳のヨウ素131汚染を解釈するためのヨウ素の体内動態モデルの導入」 nature.com/srep/2015/1507…

2015-07-26 13:57:02
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

これの前の準備研究は、これだと思われる。(タイトルのみ) 「I‐131の母乳中濃度に基づく授乳婦及び乳児の内部被ばく線量評価に向けた授乳期間中の体内動態モデルの解析」 jglobal.jst.go.jp/public/2009042… 谷幸太郎、栗原治、KIM Eunjoo、酒井一夫、明石真言

2015-07-26 13:59:24
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

また、この論文の元となる母乳測定データは、平成26年5月20日に開催された「第6回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の明石真言氏の発表資料「被ばく線量に係る評価について」に出てくる。 env.go.jp/chemi/rhm/conf…

2015-07-26 14:02:26
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

毎度のことながら、専門用語が微妙かもしれず、ただ、英語論文のおおまかな内容を伝えることしかできませんが、以下、アブストラクトと他の重要ポイントの和訳を連投します。論文内容の分析は解釈は、もっと専門知識をお持ちの方にお任せします。

2015-07-26 14:04:09
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「福島原子力事故後の母乳のヨウ素131汚染を解釈するためのヨウ素の体内動態モデルの導入」 アブストラクト(全訳) 東京電力会社に経営される福島第一原子力発電所での2011年の事故後に、福島県と近隣県に居住する試料提供者から得られた母乳試料が分析され、

2015-07-26 14:05:19
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)少量のヨウ素131 (2.2〜36.3 Bq/kg)がいくつかの試料から検出された。

2015-07-26 14:05:57
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)本研究では、茨城県の授乳婦の母乳内のヨウ素131濃度を、授乳期間中のヨウ素の体内動態モデルと、大気の吸入と水道水の経口摂取により時間と共に変化する摂取シナリオに基づいて、著者らの独自の計算コードを用いて推計した。母乳中のヨウ素131推計値は、実測値と大まかに一致した。

2015-07-26 14:06:58
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)その結果に基づき、授乳児が1日に800mLの母乳を摂取したと仮定し、居住地ごとに甲状腺等価線量を推計したところ、水戸市と笠間市では10〜11 mSv、つくば市と守谷市では1.1〜1.8 mSvと推計された。

2015-07-26 14:07:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)軽度のヨウ素131に汚染された地域での母乳摂取は、授乳児の内部被ばく線量に大きく寄与する可能性があると示唆された。しかし、個人線量を推計するためには、個人の行動記録を考慮した追加調査が必要となるだろう。(アブストラクト、以上)

2015-07-26 14:07:43
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「はじめに」一部 チェルノブイリ事故に関しては、小児甲状腺がんの増加が、主にヨウ素131で汚染された食物を摂取したための甲状腺被ばくに関連していることが示されている。これを踏まえ、そして授乳児を持つ母親の間で懸念が広まったため、福島近辺の地域の授乳婦から母乳試料が採取された。

2015-07-26 14:08:56
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)Unnoらによると、福島県、千葉県と茨城県に居住する授乳婦から少量のヨウ素131が時々検出されており、これらの地域での軽度のヨウ素131汚染により授乳婦がヨウ素131を体内に取り込み、泌乳された母乳がヨウ素131で汚染される結果となったと示唆される。

2015-07-26 14:09:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)しかし、授乳婦による摂取経路はこれまでに説明されていない。したがって本研究では、環境データに基づいた、授乳婦における基本的な摂取経路が、母乳内ヨウ素濃度の実測値の妥当な説明となるかどうかに主な焦点を当てた。

2015-07-26 14:09:38
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「結果」部分訳 母乳内で測定されたヨウ素131汚染を解釈するために、授乳時期におけるヨウ素の体内動態モデルが、著者らが開発した計算コードを用いて導入された。急性摂取後の母乳内のヨウ素131濃度の予測モデルは図1に示されている。 pic.twitter.com/z0ttCknVWc

2015-07-26 14:10:50
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)この図で示されている結果は、母乳に分泌される比率という面では、ICRP 95のデータを正確に反映している。粒子状ヨウ素の吸入における母乳内濃度は、ガス状ヨウ素の吸入における母乳内濃度よりも低いが、

2015-07-26 14:11:24
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)これは、ガス状ヨウ素の吸入、あるいはヨウ素の経口摂取では、ほとんどが吸収される一方、粒子状ヨウ素の吸入では、摂取量の34%しか血液中に吸収されないからである。(ちなみに、ディスカッションでは、水戸市在住の試料提供者Aの摂取量は急性摂取で1.1 MBqと推計される、とある。)

2015-07-26 14:13:11
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)図2では、大気の吸入と水道水の経口摂取を合わせた摂取シナリオにより推計された母乳内ヨウ素131濃度が示されている。試料提供者A〜Fの測定データが、各々の居住地ごとに推計された図の中で、比較として示されている(訳注:四角の記号)。 pic.twitter.com/cdOk8Kl6TJ

2015-07-26 14:14:36
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)この図の中の、ヨウ素濃度の測定値と推計値は、表1にも示されている。(中略)全体的に、ヨウ素濃度の測定値と推計値は、母乳内の汚染の事実を説明するのに十分な程度に合致していた。 pic.twitter.com/yeQk6I6Dyf

2015-07-26 14:15:41
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「ディスカッション」部分訳 表2では、授乳婦と授乳児におけるヨウ素131摂取量(カッコ内、単位はkBq)と甲状腺等価線量(mSv)が示されている。(Gはガス状、Pは粒子状) nature.com/srep/2015/1507… pic.twitter.com/Lm0IYafPMW

2015-07-26 14:22:42
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)授乳婦での、ガス状と粒子状のヨウ素吸入経路による甲状腺等価線量は、特に水戸市と笠間市では、経口摂取による甲状腺等価線量よりも高かった。その反面、授乳児では、吸入による線量の方が母乳摂取による線量よりも低かった。

2015-07-26 14:23:42
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)母乳摂取による授乳児での甲状腺等価線量は、水戸市と笠間市では10〜11 mSv、つくば市と守谷市では1.1〜1.8 mSvで、授乳婦での吸入と経口摂取による線量の約3倍だった。 pic.twitter.com/MBUA79RbHJ

2015-07-26 14:24:57
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)なお、授乳婦の摂取量の方が多かったにもかかわらず授乳児での線量の方が高かったのは、授乳婦と授乳児における甲状腺線量係数がかなり違うためだった。

2015-07-26 14:25:24
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ディスカッションのパラグラフ3全訳 本研究では、軽度のヨウ素131で汚染されている地域に居住する授乳婦の母乳を摂取することは、授乳児にとって大きな摂取経路となり得ることが示唆された。

2015-07-26 14:26:48
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)我々の知る限り、本研究は、ヨウ素131で汚染された母乳を摂取した授乳児への甲状腺線量を初めて推計したものである。しかしながら、非常に高濃度のヨウ素131汚染が、茨城県、特に福島に近い茨城県北部で露地栽培された野菜(ほうれん草など)の一部で見つかったことに言及すべきである。

2015-07-26 14:28:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(続)インフラ構造がダメージを受け、事故後間もなくして食品の流通が制限されたために、そのような汚染食品を偶然摂取してしまう可能性は、ほんの一握りの人たちでしか予測されないが、それでも、個人の行動記録からその可能性を確認することが個人線量推計にはかなり重要となるだろう。

2015-07-26 14:28:30