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『ウェン・ワン・ドアー・シャッツ・アナザー・オープンス』#2

しかな=サンのテキストカラテ『ギター・サウンズ・ライク・サンダーボルト』(http://togetter.com/li/839235)とリンクしています。
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ジュセー @shiroboshi2

『ウェン・ワン・ドアー・シャッツ・アナザー・オープンス』#2 #S57Ninja

2015-07-18 22:13:03
ジュセー @shiroboshi2

「イヤーッ!」「グワーッ!」ミグチの右ストレートがキルパンサーの顔面を打つ。「イヤーッ!」「グワーッ!」キルパンサーの反撃!恐るべき牙がミグチの肩へ喰らいついた!「死ね!ブラックチューター=サン!死ね!」「生憎……」ミグチはキルパンサーの顔を引き剥がす。 1 #S57Ninja

2015-07-18 22:18:55
ジュセー @shiroboshi2

「なにっ!」キルパンサーが目を見開く。「生憎、俺のニンジャ耐久力は非凡だって……セクトのデータベースに載ってなかったか!」ミグチは引き剥がしたキルパンサーの顔へ強かな左ストレートを打ち込んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」キルパンサーは後ずさる。 2 #S57Ninj

2015-07-18 22:23:11
ジュセー @shiroboshi2

「イヤーッ!」ミグチはキルパンサーの腹部へ鋭いケリ・キックを放つ!「グワーッ!」キルパンサーはふらつきながら後ずさる!「おのれ、ブラックチューター=サン!俺は実際ここまでであろうが、ポイズナー=サンも貴様を追っているのだ!」ミグチは片眉を吊り上げた。 3 #S57Ninja

2015-07-18 22:26:49
ジュセー @shiroboshi2

「ジゴクで待っているぞ、ブラックチューター=サン……!」キルパンサーは両手を広げ、憎悪の目をミグチへ向けた。「ああ、先に行って待ってろ。大分長いぞ。イヤーッ!」ミグチは懐から取り出したスリケンをキルパンサーの額へ投擲!「グワーッ!サヨナラ!」爆発四散! 4 #S57Ninja

2015-07-18 22:31:22
ジュセー @shiroboshi2

ミグチはキルパンサーの爆発四散を、難しい顔で見ていた。彼は歩き出し、キルパンサーによって弾き飛ばされた己のカタナへと近づき、拾い上げた。鞘に入れながら、彼は思考する。ポイズナー。(ポイズナーが出るか。それは面倒なインシデント……ブッダ殿はいつ起きるのやら) 5 #S57Ninja

2015-07-18 22:39:11
ジュセー @shiroboshi2

ポイズナーはアマクダリ・セクトのアクシスであり、ミグチも何度か手合わせはしている。ただし、ポイズナーのジツは手合わせであっても死亡の危険があり、彼はジツを使用しなかった。(今度は手合わせってわけにはいかんだろうから、ジツを全力で使ってくるだろうな……) 6 #S57Ninja

2015-07-18 22:43:43
ジュセー @shiroboshi2

彼は陰鬱な気持ちを振り払い、アヤミの隠れ場所に向かった。アヤミは自分から出てきて、ミグチの方へと向かった。盲目とは思えぬ決断的なムーヴは、ミグチに幾分かの安らぎを与えたのだった。彼らは逃避行へと戻る。 7 #S57Ninja

2015-07-18 22:46:21
ジュセー @shiroboshi2

具体的な目的地は無い。ぼんやりとした目的地……ひとまずはロブストボアの管轄を逃れる。今までは、寧ろロブストボアの管轄内の方が安全であった。何故か?……ロブストボアはゲームを楽しむかのように物事を進める。それも、ハンデを持ったような状態で、だ。 8 #S57Ninja

2015-07-18 22:54:45
ジュセー @shiroboshi2

ロブストボアの、カラテ強者であるが為の余裕からくる支配、追跡、捜索。故に、目立つ行動をしなければ、ミグチは安寧な人生を送ることは容易であったはずなのだ。だがミグチは、目立つ行動をしてしまった。ヘルハウンドの殺害。見ず知らずの少女を助ける為に……。 9 #S57Ninja

2015-07-18 23:04:31
ジュセー @shiroboshi2

今まではロブストボアの目は余裕のものであったが、ニンジャを殺ったとあればそうはいかない。ハードモードだ。(一歩。一歩でいい。一歩でもロブストボアの管轄外に出れば、後はベイビー・サブミッションってとこ……その後どうすっかな。中国地方にでもいくか?) 10 #S57Ninja

2015-07-18 23:07:22
ジュセー @shiroboshi2

「おい」「え?」アヤミにミグチは話しかけた。「何処か行きたいところはあるか?……アー、ネオサイタマ以外で」「……わかんない。ネオサイタマ以外の場所、知らないし。それに……住んでた地域以外、知らないし」アヤミは答える。 11 #S57Ninja

2015-07-18 23:10:42
ジュセー @shiroboshi2

「だから、ミグチ=サンが行きたいところが、今の私の行きたいところだよ」アヤミは明るい色の言葉を紡いだ。ミグチは、短く「そうか」とだけ返すと、アヤミを背負い、駆け出した。ヘルハウンド、ブロンズゴーレム、キルパンサー。三人ものニンジャを殺害した事実は、重い。 12 #S57Ninja

2015-07-18 23:15:27
ジュセー @shiroboshi2

キルパンサーの最期の言葉が真実であるならば、ポイズナーが向かってきている。追いつかれれば……ミグチ一人であれば、勝機はあるかもしれないが、今は、アヤミというか弱き非ニンジャの少女が共にいる。庇いながらのイクサは避けなければならない。追いつかれてはならぬ。 13 #S57Ninja

2015-07-18 23:20:12
ジュセー @shiroboshi2

《ポイズナー=サン。件の野良ニンジャだが、何かわかったことはあるか》ロブストボアからの音声通信にポイズナーは答える。「足跡が検出された。小さい足跡だ。子供の物だろう。小学生程、といったところだ」《ほう、子供。子供のニンジャが三人のニンジャを葬ったと?》 15 #S57Ninja

2015-07-18 23:28:11
ジュセー @shiroboshi2

「そう思うか?俺は思わんな。足跡はな、移動の痕跡しかない。イクサの場に、子供の足跡は残っていない。件の野良ニンジャの同行者と見ていい」ポイズナーは鑑識クローンヤクザが渡した書類を見ながら言う。《同行者。子供を伴って逃走劇か。フーム、何者であろうな?》 16 #S57Ninja

2015-07-18 23:33:25
ジュセー @shiroboshi2

「気になるのなら空撮でもすればどうだ」《断る。私のやり方でやらせてもらう。ここは私の管轄下だからな》「ロブストボア=サン。効率を求めるべきではないのか。アンタはゲームでもしているつもりなのか」ポイズナーはやや苛立ちながらロブストボアへ言葉を放った。 17 #S57Ninja

2015-07-18 23:37:58
ジュセー @shiroboshi2

《ゲーム。いい例えだ、ポイズナー=サン。そういうことだ。私はゲームを楽しむ……時にポイズナー=サン、君はショーギを打ったことはあるかね》「……数回は」《ポイズナー=サン、ショーギは相手が何処に何を打つかを予測するのが楽しいんだ。個人的な考えだがね》 18 #S57Ninja

2015-07-18 23:45:21
ジュセー @shiroboshi2

ロブストボアはスイッチが入ったかのように語り出した。《予測するのは楽しい。が、最初から答えがわかっていてはつまらないと、そう私は思うのだ。勝ちを楽しみたいのではない、読みあう事を楽しみたいのだよポイズナー=サン。完全に答えを把握するのは、つまらない》 19 #S57Ninja

2015-07-18 23:47:55
ジュセー @shiroboshi2

「……わかった」ポイズナーはウンザリとした様子で返す。《わかってくれたか。では引き続き追跡を続けてくれたまえ》「アンタはいつ前線に出るんだ?」《ム?いや、出る気は無いよ。頑張るのは現場の君達だ。励んでくれたまえ。では、オタッシャデー》通信が切断された。 20 #S57Ninja

2015-07-18 23:56:28
ジュセー @shiroboshi2

ポイズナーは軽く顔をしかめると、鑑識クローンヤクザを伴って追跡を再開した。その瞬間、キラーパンサーのバイタル反応が消失した。そう離れてはいない。ポイズナーは反応消失場へと急行する。 21 #S57Ninja

2015-07-19 00:00:23
ジュセー @shiroboshi2

鑑識クローンヤクザは追いつけず、どんどん離れていくが、最早ポイズナーは気にせずにニンジャ脚力を活かし移動する。ある程度野良ニンジャの情報は掴んでおり、鑑識クローンヤクザは荷物になるだけだからだ。「イヤーッ!」「アイエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」 22 #S57Ninja

2015-07-19 00:06:22
ジュセー @shiroboshi2

アワレ、無力なモータルがポイズナーの進路に存在してしまっていた。「イヤーッ!」「アイエエ!?」逃げようとする無力者の逃走方向にポイズナーは着地し、「イヤーッ!」「グワーッ!」その手首を右手で掴んだ。「ドーモ、ポイズナーです」「アイエエ!アイエエ!」 23 #S57Ninja

2015-07-19 00:09:07