丹生谷貴志ツイートまとめ(2015年7月)

丹生谷貴志さんの2015年7月のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

歴史研究の知人たちの会話を聞いていると時折ジオラママニアの集まりに紛れ込んでしまったかのような気分になる。細かく細部が再現されている様が談笑されその是非が議論され・・みんな片手に拡大鏡やジオラマ用の一種のオペラグラスを手にしてその出来を嘆賞しあったり失敗を探したり・・神々の集会。

2015-07-14 12:15:43
nibuya @cbfn

誤解なきよう、ジオラマは結構好きなので、「ジオラママニア」というのはそれ自体なんら皮肉の意味じゃありません。もっとも、「まるでジオラマを競っているみたいだね」と僕が心から褒めているつもりで言うと、相手は皮肉られていると感じるらしく、いっそこっちは戸惑ってしまいます。

2015-07-14 13:32:38
nibuya @cbfn

今鳴っているシューリヒト指揮のモーツアルトは1943年ドレスデン「衛生博物館」内スタジオのものらしい。解説の詳細のないCDなので他は分からないが、ナチの優生学理論に基づいた展示などもなされた場所だったと思う。ヴォネガットのトラウマである45年のドレスデン爆撃でほぼ破壊された。

2015-07-14 20:45:24
nibuya @cbfn

ウィキで調べるとシューリヒトは1880年生だから今言った演奏時63歳、翌年アンセルメに請われスイスロマンドの演奏に行きそのまま亡命、戦後は70歳を過ぎてウィーンフィルを率いて欧米各地を演奏旅行、戦後だらけたウィーンフィルをブルックナー第九の演奏で復活させたという話は僕も知っている

2015-07-14 21:03:09
nibuya @cbfn

トインビーやらルローやら、「人類と世界」の「壮大な緊迫」というフィクティヴなドラマの図式化としては有効だが「ヒトと世界」の「たかのしれた緊迫」の状態-常態という問題?を相手にすると機能不全になる。ウォーホルでさえなお「壮大過ぎる」そんな常態に緊迫として機能し得る視点を探すこと?

2015-07-15 12:48:24
nibuya @cbfn

「アニメは日本の文化だ」という言葉に別に異存はないけれど、前世紀後半、日本にしか現れず「世界に衝撃を与えた」例えば土方巽さん傘下の「舞踏」について、その持続はともかく、それが驚異的に稀有のものであったことについて、日本のどれほどの人が記憶しているかと思うと少し暗然としもする・・・

2015-07-15 22:05:39
nibuya @cbfn

「モツレク」がモーツアルトのレクイエムのことだと気づくのにしばし呆れる。それはそれとして、クルト・ワイルは近代音楽の最後の徒花と感じないでもないが、彼に『ベルリン・レクイエム』という曲があって、ローザ・ルクセンブルクへの追悼と聞いて・・・聴きたくなるのは、まあ世代なんでしょう・・

2015-07-16 00:51:06
nibuya @cbfn

Evil Within、White-nightという二つのゲームにドビュッシー『月の光』が使われ、グールドは何か弾けというカメラマンの注文に猛烈な速度で皮肉混じりにこの曲を弾いて見せる。アメリカ人やらにはこの曲に何か文化主義的トラウマがあるんだろうか。まさか「ユダの横顔」とか?

2015-07-16 01:01:29
nibuya @cbfn

余談。樋口さんの爆音映画会は惹かれるが子供時代のジェット機爆音の後遺症で残響の強い爆音だと音が溶けて聴き分けが全くつかなくなるので敬遠。残響のきついピアノやオルガン演奏もそのせいでダメ。オルガンはヴァルヒャという人のモノ録音、ピアノも古いモノラルかグールドが限界なのもそのせい。

2015-07-17 12:13:51
nibuya @cbfn

19世紀作曲家たちは半音やら7度飛びを多用し始めるというのは初歩知識ですが、このことは例えばブルックナー取り巻きとブラームス取り巻きの音楽論的議論などより遥かに重要で、彼らの空疎な議論に興味があるとすればその内容ではなく彼らの思考や声音も半音や7度飛びの性格を帯びていたかどうかで

2015-07-17 19:55:23
nibuya @cbfn

フォーレならレクイエムと、あまりに定形になりますがそれが一番この人を「我慢する」自然な身振りであるとも言えて、ペレアスやらペネロペやらパヴァーヌやら、この人の「余りにも美しい」音楽は自分を最後にして全ての人間が消え去って行った世界への執拗な夢想で紡がれている様な不吉さあって・・・

2015-07-18 10:55:57
nibuya @cbfn

8秒前 「窓ガラスに歪みがあって、視線を動かすだけで私はその歪みの中に街路の人間を一人また一人と消し去ることが出来る」というヴァレリーのアフォリズムをサルトルはプチ・ブルジョワのおぞましさとしてあげています。もっとも、ヴァレリーは意図してそのおぞましさを開いて見せているはずで・・

2015-07-18 11:09:53
nibuya @cbfn

余談。因みに僕がなんかぼーっとバッハやらなんやらを耳を澄まして聴いているなんて言ったら大嘘で、それを流しながらずっと『Evil Within』やら『バットマン、アーカムナイト』なんてゲームの実況プレイを見ていたりするわけです。

2015-07-18 11:30:39
nibuya @cbfn

モーツアルト交響曲一番は1764年頃、八歳の時のもの、その天才ぶりに驚くなんてことではなくて古典和声学という機械が何かをインプットされれば動き出す精巧極まりない機械としてそこにあったということに軽い驚異を感じ、フーコーの所謂古典主義時代的タクシノミアの作動ぶりをそこに並行させる。

2015-07-18 12:03:00
nibuya @cbfn

モーツアルト初期の交響曲が1番から27番まで入ったCDを持っていて、つまりは8歳から17歳までのものですが、これを切れ目なしに立て続けに聴いていると、まさに古典主義時代の、時計仕掛けよりさらに遥かに精巧な或る機械が動き出ししなやかさを装って反復を繰り延べてゆく様に苦笑も浮かばない

2015-07-18 12:16:09
nibuya @cbfn

現時点で日本の現代作曲家というのを調べると結構いる。その大部分はCD化等はされていないようで、おそらくCD化すること自体不可能であったり無意味であるものが多いと想像される。「作風」を調べてみると敢えて言えば全て予想の範囲内。これは批判でも皮肉でもなく、当然のことと了解しているのだ

2015-07-21 12:32:41
nibuya @cbfn

・・・今「予想の範囲内」と書いたのは誤解されるだろうか? 例えば僕は宇宙物理学の理論などさっぱり無知ですが、それを説明されても、それがどれほど「異様」であっても要するに「想像の範囲内」なので全く驚かない。それと似ている・・・これも誤解されるか?

2015-07-21 12:54:25
nibuya @cbfn

余談。子供の頃クラシックの指揮というとカラヤンが好きか嫌いかを迫られるという妙な事態で、因みに僕はカラヤンはダメでしたがそれはリズム感のないことに苛々するからですが、無論リズム感の良い指揮者の指揮が「名演」の条件だったのではなく単にリズム感のない指揮に苛々するというだけのこと。

2015-07-21 20:22:54
nibuya @cbfn

余談。ともかく僕は偽の音楽集中ですので、余程のことがなけりゃどんな演奏でも聴きますが敢えて言えば、感傷はむろん精神性やら熱気やら崇高さやら叙情を目指すかのようなものだけはダメで(まあその判定の塩梅は説明が難しいのですが)、それなら無味乾燥で間延びして聴こえる演奏の方を選びます。

2015-07-21 20:46:39
nibuya @cbfn

無知の上塗り補填。先日ブルックナー第九の未完の第四楽章を解説したCDについて偉そうに書きましたが、その後それを「完成版」とした演奏がラトル卿の指揮で出ていたのを今頃知り入手。まあマーラー第十と違って最終校正を考えなければ9割近い総譜が残存するそうですから当然ですね。

2015-07-21 22:02:36
nibuya @cbfn

もうだいぶ前からアニメやアニメ作家などを巡る言説を見ますが、それはともかくそれを「サブカル系」という括りで提起されるのは曖昧な言葉も緩く許容してしまう現代日本語の慣用でしょうが、まあアニメやらはもはやたぶん現代日本のメインカルチャーなのだから「サブカル」は単語として不要でしょう

2015-07-22 09:48:03
nibuya @cbfn

バスルームに渡邊一民『フランスの誘惑飛ばし読み、著作の価値ではなく書かれていることの言いようない惨めさったらしにとても通読の気力がない。少なくとも僕にとって「フランス文化」は人間が取る或る思考の型以上でも以下でもなくて、相応の尊敬は常にあってもそれ以上の憧れなど感じたことがない。

2015-07-22 10:35:07
nibuya @cbfn

・・さっきまでバッハの管弦楽などを聴いて、用事で銀行に行くとロビーで同じ曲がBGMで流れていて・・・この馬鹿げた事態を僕は「サブカル」状態と理解しているので、大人子供タックを組んで事実上「思想と資本」の大規模な割合を公然と占めているアニメやら「ラノベ」やらの呼称じゃない

2015-07-22 11:32:00
nibuya @cbfn

メシアンの『キリストの変容』にはちょっと思い入れがあって、探してドラティ指揮・・・今はメシアンが晩年信頼を寄せた若いチョン・ミョンフンさんのものが全集にも入っているようで、すごくクリアで鋭利な演奏ですが僕には綺麗過ぎて、シュタルケルを使ったドラティさんの少し重い感じがしっくりする

2015-07-22 13:54:28
nibuya @cbfn

「思い入れ」といったって単に壮大好きという軽薄さと60年代末に発表された映画とかPOPとかジャズとか小説とか哲学書とかが大体気になる習わしだというだけのことで、メシアンの『キリストの変容』も69年に完成・初演の大曲で、ドラティさんの録音は73年で・・・

2015-07-22 14:02:20