ちくわぶ『いま一度「リスクコントロール戦略」の話をしよう』

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リスクコントロール戦略について、今一度考えてみたい。リーマンショックを超えて丸裸で3σのβを抱える恐ろしさを味わった投資家は、「大きな下落リスクへの責任も運用者に押し付けたい」と考え始めた。これにより、金融危機後様々なタイプのリスコントロール戦略が花開いた。

2015-08-26 23:15:28
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従来下落時のリスクコントロールは、スターマネージャー裁量型のダイナミックアロケーション戦略が主であった。広義の意味ではひふみ投信もこれに入ると考えていいかもしれない。

2015-08-26 23:18:28
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しかし、まるで天災かのように突如襲ってくる金融危機により、多くの裁量型マネージャーの戦略が淘汰された。加えてマンやウィントンといったクオンツ戦略が目立って安定的な成果で金融危機を乗り切った。これにより、人間の経験と知恵から、精密なモデルによるリスク管理に注目が集まった。

2015-08-26 23:21:30
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リスコントロール戦略には様々あるが、日本でも見かけられるのは、ポートフォリオのリスクを一定または一定以下に抑えるもの、相関の低い資産をリスク寄与度で分散するもの、資産価値の下落を一定までに抑えるというフロアコントロール型などが代表的だと思う。

2015-08-26 23:24:05
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こういったモデル主導型のリスクコントロール戦略の良いところは、再現性にある。要するにマネージャー裁量型のリスクコントロールは詰まる所「俺がヤバいと思った」というしかなく、「次も大丈夫?」という問いに「頑張るから大丈夫」としか言えないので、それよりはマシだろと投資家達は考えた訳だ。

2015-08-26 23:31:42
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それに比べて、モデルベースのリスコントロールであれば、「このフラグに当たったから資産保全を行った。そしてうまくいった。同じ危機なら次も全く問題ない」と売り手も買い手も自分や上司を納得させやすい。そして広まったわけである。

2015-08-26 23:34:02
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逆に弱みはというと、これもモデルベースであることに依存する。結局はモデルなので、想定していない危機には対応できない。また多くが金融危機後に生み出されたモデルなので、本当に金融危機を乗り越えられるのかは実証しようがないモデルも多いという事も指摘できる。

2015-08-26 23:36:46
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結局のところモデルベースのリスコントロールと言えど、未来の事はわからないわけで、最善を尽くすなら日々モデルを検証し、改善し、実際のパフォーマンスで測定し、永遠に繰り返していかなければならない。こうなると究極的には裁量型のマネージャーの「俺がヤバいと思った」と根っこは等しくなる。

2015-08-26 23:39:00
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そうは言っても投資家のニーズは正義であり、それゆえに運用者たちは全力を尽くすわけだ。たとえば日興UBS日本株式リスクコントロールファンドなどは、リスクに応じてβを落とすタイプの代表格と言えよう。一時は1000億集め、今は四分の一程度になった。

2015-08-26 23:57:21
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前評判通りに、下げで抑えて、上げは付いていくパフォーマンスが出なかったとかなんとか(うろ覚え)。いずれにせよここではその功罪ではなく1000億集めた投資家のニーズは凄いということに着目したい。

2015-08-26 23:57:22
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次はリスクパリティの事例。旧国際投信のリスクパリティαオープン。これはリスクパリティ戦略に加えて、ガチンコでレバレッジをかけて、ついでに月中の下落抑制目標も持つという至れり尽くせりファンド。加えて凄いことにリーマンを乗り越えたクオンツモデルを輸入したファンド。

2015-08-26 23:59:00
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結果はどうであったか。バーナンキショックで月中の下落抑制目標を超えて下落した。その後、インフローはピタリととまり、かなり小さくなってしまった。この運用はアキラキャピタルが行っているがルクス籍のファンドもかなり萎んだところを見ると、この成績に怒ったのは日本人だけではないらしい。

2015-08-26 23:59:20
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最後にDIAMのクルーズコントロール。これはシンプルな分散ポートフォリオに対して四半期ごとの基準日の基準価額から2パーセント以上さがらんように頑張るという、フロアコントロール型と言える。結論から言えば今現在この下落抑制目標を超えた水準まで基準価額はおちこんでいる。

2015-08-26 23:59:44
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クルーズコントロールが下落抑制目標を割ったのはここ数日の事なので、この後資金流入がどうなるのか注目したい。広島銀行という大手地銀が数日前に販売を開始したばかりということもあり、業界でも注目度は低くないだろう。

2015-08-27 00:02:47
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いずれの事例にしても個人的には、モデルベースのリスクコントロールの限界を示しているように思う。結局のところ人の手で作られたものは人以上のものにはならない。未来の下落から身を守ろうとするなら、モデル自身が常に現実に追いつかねばならない。詰まる所人が努力し続けるしかないと思う。

2015-08-27 00:06:49
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事例として上げた3本が、モデルや判断基準の改善を放ったらかしていたというつもりは毛頭ないし、わかることでもない。しかし、ここ数年で数多くのリスクコントロール型投信が増えた。そろそろ淘汰されはじめる時期なのかもしれないとは思う。

2015-08-27 00:08:56
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さらに細かい事を言えば、先物やオプションなどを使ってヘッジする際にもマーケットにインパクトをもたらす。どれだけのインパクトをもたらすかは実際に体験するしか実証方法はない。いくらモデルでトレードコストを含めても追いつけない。そして現実でも常にトレードコスト低減に努力せねばならない。

2015-08-27 00:13:05
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リスクコントロール型は勿論のこと、アロケーション型やラップ型なども「守りながら増やします」といった提案が増えてきた。でも当然ながら未来はわからない。利益を保証することも、損失を保証することも出来ない。運用者は頑張ると言っているにすぎないことは投資家も心に留め置いた方がいいと思う。

2015-08-27 00:18:42
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最後に、私自身はこうしたリスクコントロール型の運用の意義も重要性も理解しているし、実際に運用資産の殆どをあるリスクコントロール型ファンドに託しています。なのでこういったファンドが嫌いとかいう訳ではないのであしからず。

2015-08-27 00:20:59
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まあここまで言っといてなんだけど大抵のリスクコントロール型とかやっつけの場合もあるから下げる時に後追いで現金ふやして、上げは疑心暗鬼で全然ついていかなくて往復ビンタとかよくあるよね。かつてダイナミックヘッジという手法が廃れたのも同じ理由だってばっちゃが言ってた。

2015-08-27 00:24:44
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僕が尊敬するマルチアセット運用者に、その手の運用で成功する秘訣は?って聞いたら「どれだけブレーキ踏まないで運用出来るか」って答えが返ってきたことがある。

2015-08-27 00:28:16
さわでぃさん🍅🦒🗼🐴💻⚓ @sawadyrr5

リスクコントロール型といいつつブレーキ踏まないのがコツ #とは twitter.com/ActiveIndex/st…

2015-08-27 00:31:20
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@sawadybomb 結局不必要にヘッジするとコストかかるわ置いてかれるわになるので、いかにしてノイズを減らし、必要ヘッジに留め、誰よりも早く市場に再参入できるかが大事だけどそこはもう究極運用者のアートってました。まる。

2015-08-27 00:33:43