【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第67話「苦い勝利」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。
0
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」01】 偽帝・袁術を討たんと出陣した曹操軍ですが、淮南を襲った水害により、現地での食糧調達はおろか、後方や援軍(孫策)からの食糧輸送も滞ってまして、兵糧不足に陥っていました。天候のせいとはいえ、曹操らしくない失敗ですね。

2015-09-09 12:32:32
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」02】 曹操軍の兵士達は、戦意を喪失し、不平不満が高まっています。戦国の世で弱みを見せればたちまちつけ込まれる時代。張繍の策略で負け戦となった後だけに、ここで連敗してしまうと世間的にも聞こえが悪い。ここはどうしても勝利したいところです。

2015-09-09 12:37:08
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」03】 しかし、兵士の戦意があがらない以上戦になりません。そこで曹操は非常の手段をとることにしました。 食糧長官の王垢の首をはね、悪人に仕立て上げるというのです。王垢が食糧を盗んで私腹を肥やしたと濡れ衣を着せ、兵士たちの不平不満をそらすと。

2015-09-09 12:39:42
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」04】 その上で、配給量を減らしていたのを元に戻すと言います。それでは食糧は数日しか持ちませんが、その数日で勝負を決めるというわけです。 一方、そんなこととは知らない王垢は真面目に食糧の在庫をチェック中。節約しても残りの食糧は10日分です。

2015-09-09 12:42:46
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」05】 曹操に呼び出される王垢。そして、いきなりお前の首が欲しいと言われ、驚く王垢。自分の首で30万の兵士の不平を鎮めるかわりに、妻子の面倒を一生見る、といわれても、にわかには承服しかねますな。必死に断り、王垢は逃げ出そうとします。

2015-09-09 12:45:46
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」06】 自分でも無茶なことを言ってる、と思っている表情の曹操ですが、非情に徹し、斬れと命令します。かわいそうに、王垢はドカッと首をはねられてしまいました。首をさらすことを命じる曹操。結果、狙い通り、王垢は悪者扱いされ、首に石を投げられます。

2015-09-09 12:48:30
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」07】 まあ、非道い話ですが、この王垢の名前、「垢」という字に悪意があると考えられ、相手を辱めるためにわざと悪い意味の名前で残された、という推測もあります。王垢の遺族がその後、きちんと手厚く扱われたかどうかは、不明です。

2015-09-09 12:51:35
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」08】 さて、兵士たちの不満をそらすことに成功した曹操ですが、3日以内に城を落とさないと、本当に食糧が無くなってしまいます。翌朝、曹操は兵たちに向かって激を飛ばします。3日のうちに城を攻め落とす、怯む者、おこたる者はその場で打首だと宣言。

2015-09-09 12:53:36
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」09】 全軍総突撃を開始する曹操軍。迎え撃つ淮南城側も大量の矢を放ちます。遮蔽物がないので的になるようなものですが、曹操はそれでも突っ込むことを命じます。反論しようとした部下を卑怯者と言って首を飛ばす始末。

2015-09-09 12:55:55
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」10】 どんなに損害が出ても引き下がらない曹操軍の様子に、いつもと違うと感じている淮南城の将達ですが、ともかく必死の防戦をするしかありません。よじ登る曹操軍に対し石を落として防ぎます。サッカーのスローイングみたいに投げてますが、力持ちだな。

2015-09-09 12:58:21
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」11】 曹操はそれでもひるむな、死体を踏み越えて城壁にしがみつけと叫び、自ら馬を降りて見本を見せます。曹操自ら城壁に向かうのを見て慌てる幹部たち。曹操を殺してはならんと、決死の表情でついていきます。曹操は縄を登り、ついに登り切ります。

2015-09-09 13:00:31
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」12】 曹操一番乗り!と叫んだわけではありませんが、すぐさま幹部たちも続き、城兵を倒していきます。味方が城門を開けるのに成功。曹操軍は大挙して城内に入ります。ほどなく火に包まれる淮南城。曹操軍はついに城を落とすことに成功しました。

2015-09-09 13:02:37
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」13】 からくも勝利を治めた曹操。翌日、劉備玄徳が曹操に勝利のお祝いの言葉を述べると、曹操は、貴公もよくがんばってくれた、と労いの言葉をかけます。玄徳がどこで何をやっていたのかは描写はありませんが、多分側面から支援していたのでしょう。

2015-09-09 13:05:17
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」14】 袁術は逃げましたが、偽帝・袁術の威光も地に落ちたので、曹操の目的は果たしました。そして、曹操は玄徳に対し、豫州から小沛に戻ってほしいと頼みます。呂布ともよく話し合った上とのことで、呂布も了解しているようです。ここでは出てきませんが。

2015-09-09 13:07:22
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」15】 ここで、曹操は玄徳に真意を打ち明けます。徐州の陳親子が、呂布を貶めるための罠を仕掛けている。陳親子と協力して準備を進めてもらいたいと。こう言い残して、曹操は許昌に引き揚げます。

2015-09-09 13:09:22
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座67「苦い勝利」16】 こうして、曹操は勝利はしたものの、犠牲の大きい苦い勝利となりました。時に非情に徹し、時には自ら先頭に立って戦う。曹操の振る舞いは、リーダー論を語る時に大いに学ぶ点があります。 その後も曹操の苦闘は続きますが、今回はここまで。

2015-09-09 13:16:45