野口建彦『K・ポラニー 市場自由主義の根源的批判者』2011 の読書メモ

栗本disも多いけど、新訳『大転換』を世に送り出した野口の地道な研究者人生がよくわかる一冊。2014.2に亡くなっている。合掌。
1
たく @polanyaan

p.83 "市場経済が自己充足的なイギリス農村社会に浸透し、そこに従来見られなかった失業貧民を生み出し、その数が増すにつれて、彼らの救済の是非を巡る問題が放置しえなくなり、人間労働を商品として扱うことを正当化する自己調整的市場の理念を掲げた古典派経済学が出現する一大社会転換"

2015-09-07 22:05:30
たく @polanyaan

p.86 バランス・オブ・パワー・システム=国際政治の協調的システム=国際自由貿易と海外投資を保障=「神聖同盟」や「ヨーロッパ協調」。おかげで1815-1914の「平和の百年」は前代未聞の事態だった。

2015-09-07 22:10:46
たく @polanyaan

p.88 "ポラニーは「赤いウィーン」を熱烈に支持していた。"

2015-09-07 22:14:57
たく @polanyaan

若森本にも出てきたな、赤いウィーン。

2015-09-07 22:15:16
たく @polanyaan

p.89 ポラニーが言うところの「経済的自由主義者」とは、ミーゼス率いるオーストリア経済学派の人々。

2015-09-07 22:17:38
たく @polanyaan

p.102 "イギリスでは、労働に先んじて土地と貨幣が商品化された。"

2015-09-07 22:53:55
たく @polanyaan

p.104 "政治経済学(political economy)は、大学における深遠な学問として誕生したのではなく、イギリス社会が新しい市場社会への転換を実現するのに伴う未知で困難な問題に遭遇した責任ある人々が、その問題の由来と解決策を模索する中で・・・出現した。"

2015-09-07 22:59:01
たく @polanyaan

p.105 "1975年に定住法の一部が撤廃される一方で、同じ1795年に、スピーナムランド法が制定された。要するに、労働市場の確立を促す措置とそれを押しとどめようとする措置が、同時にとられたのである。"

2015-09-07 23:03:21
たく @polanyaan

難民という貧民はどのように救済されるべきか。あるいは、どのように(ドイツの)労働市場に組み込まれるのか。

2015-09-07 23:06:41
たく @polanyaan

とか、考えちゃうね。カール、偉い。

2015-09-07 23:07:28
たく @polanyaan

p.108 "ポラニーのスピーナムランド法に対する位置づけについては、一部の歴史研究者から細部の事実認識に関する批判があるが、救貧法史の手堅い研究者M.E.ローズの著作『イギリス救貧法 1780-1930』を見る限り、大筋においてポラニーの議論は史実に裏付けられている。"

2015-09-07 23:16:17
たく @polanyaan

p.111 "経済的自由主義は、自己調整的市場システムを創出しようとする社会の組織原理であった。"

2015-09-07 23:25:54
たく @polanyaan

p.119 "企業という生産組織を、商品貨幣の使用によってもたらされる企業の危機(=貨幣の払底に遭遇する可能性)から防衛するために、中央銀行制度が生み出された。"

2015-09-07 23:45:52
たく @polanyaan

"・・・中央銀行制度とは、集権的な通貨管理によって、市場の自己調整的メカニズムの機械的作用がもたらす障害を緩和・除去する仕組みであると言えよう。"

2015-09-07 23:46:32
たく @polanyaan

うーむ。。。FRBもそうなの?

2015-09-07 23:47:54
たく @polanyaan

民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇 ユースタス マリンズ amazon.co.jp/dp/4880660051/…

2015-09-07 23:49:08
たく @polanyaan

「平和の百年」における国際金融・国際貿易においてユダヤ人が果たした役割。

2015-09-07 23:51:42
たく @polanyaan

p.125 "自己調整的市場原理に支配された社会の崩壊を示す現象がファシズムの出現であること、それゆえファシズムはそうした社会に普遍的に見られる現象であること"

2015-09-08 00:04:35
たく @polanyaan

はい、第2部読了也。

2015-09-08 00:11:00
たく @polanyaan

第3部 『大転換の評価』 第5章 功績

2015-09-09 21:48:26
たく @polanyaan

(1)社会における経済の位置と広義の経済学の確立 (2)自己調整的市場原理のユートピア性の指摘 (3)社会の自己防衛(二重の運動) (4)国家と貨幣の関係に対する考察 (5)来たるべき社会への展望

2015-09-09 22:44:00
たく @polanyaan

まぁ、知ってる人は大体イメージがつかめると思うけど、まず(2)の「ユートピア性」ってのが、「ん?」となる。社会主義経済計算論争でミーゼスに(も、弟のマイケルにも)負けて、悔しかったんだろうな、きっと。おまいらが崇め奉ってるのは幻想なんだよと言いたいんだろう、これ。

2015-09-09 22:51:21
たく @polanyaan

(1)については、認識論としても理解が難しいところだ。親族関係や宗教、贈与儀礼などの社会関係・習慣・習俗によって規定される行為そのものの中に、「結果として」財の生産や配分などの経済的機能が現出してくる、ということになる。

2015-09-10 22:17:29
たく @polanyaan

ガリレオ・サークル時代に、マッハの「感覚の分析」をドイツ語からハンガリー語に翻訳されたときに、その序文を寄せているのがカールなのだった。その序文の日本語訳は、ありがたいことに三苫先生のHPで読める。 homepage3.nifty.com/thinkers/pkmch…

2015-09-10 22:21:25