愛着理論その後……。

◆関連 アタッチメント地獄変~super mario alive in love http://togetter.com/li/870647
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白象 @elephantcalli

愛着の観点というのは、関係性が安全なものになることが精神的な健康のある種の基盤だということを示唆するわけだけど、じゃあ、例えばうつと関係の不安定さinsecurityはどう関連していて、それが安定secureするとなぜうつは軽くなるのか、という定式化がされていない。

2015-10-09 02:24:48
白象 @elephantcalli

だからsecurityが高いとか低いとか言ったところで、そこから治療への示唆が得られない。それに対して愛着スタイルはスタイルによる介入の効果の違い、という話につながるので、そちらに研究は流れていきそうだけど、それはそれで、どんな介入をするのかという技法論になる。

2015-10-09 02:26:12
白象 @elephantcalli

で、それを語るには、具体的な心理療法の進め方を知っている必要がある。それを知っている人は愛着についてそれほど知らないし、愛着について知っている人は個々の心理療法の具体的なところまでは知らない。それで一般論としてスタイル差までは言えても、そこから先に進まなくなったのではないかな。

2015-10-09 02:27:40
白象 @elephantcalli

それが当時一番行なわれていたのが実は精神分析あたりではあったのだけど、自分もそうだけど、愛着スタイルは結局転移関係の大ざっぱなひな形、ということになるので、それはあってもなくても対して変わらない、ということで、愛着理論を組み込む必然性に欠けている。

2015-10-09 02:29:56
白象 @elephantcalli

そこにフォナギーがMBTを提出してきたので、全体に、メンタライゼーションという概念で語る方が優勢になって、精神分析的な心理療法の中に愛着理論の観点を組み込むことも途絶えてしまった感じではないかな。家族療法の方は続いているんだろうか。

2015-10-09 02:31:24
白象 @elephantcalli

で、今改めて愛着理論の観点を心理療法の中でどう使うか、ということについては、自分なりの理解も持つようになったのだけど、それよりも施設や個人療法の外の、どちらかというと日常的な関わりの中での方が使い勝手が良いのではないかなという風に考えているし、そんな流れができつつないかなと思う。

2015-10-09 02:34:22
白象 @elephantcalli

それが例えば、この辺とか onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pa… この辺とか apt.rcpsych.org/content/16/4/3… の論文たち。ほんとに最近の動きだと思うけど。

2015-10-09 02:39:21
白象 @elephantcalli

ただ、この辺もシステマティック・レビューの段階で、この方法って文献からある程度の方向性を導き出すことはできるにしても、それは質的研究と似て、その後の検証を必要とする。そうすると再び測定法の問題に突き当たるし、多分もっと本質的に関係性の効果をどう捉えるかという壁があるのだろう。

2015-10-09 02:42:56
白象 @elephantcalli

secureな関係が重要であるとして、それをどうやって捉えるのか、しかも静的なものではなく動的な性質のものを研究に乗せられるのか、そもそも関係というものは操作的に取り扱えるのか、といったあたりが研究上の困難として立ちはだかり、そうすると心理療法の二の舞いになりうるのだよな。

2015-10-09 02:45:47
白象 @elephantcalli

関係は薬を入れる器ではなく薬そのものだ、という論があるけど、未だに関係と精神病理、心理的問題との関連を定式化できていないために、薬としての関係論は、そうなんじゃないかなという予感を漂わせるものの、行き詰まっている感じもある。ここが超えなきゃいけないところなんじゃないかな。

2015-10-09 02:49:14

**それぞれの雑感

decostatw @decostatw

「薬としての関係」……!!

2015-10-09 10:08:55
decostatw @decostatw

アタッチメントと心理療法方面の話題といえば三上謙一さん researchmap.jp/read0143121/

2015-10-09 10:15:06
decostatw @decostatw

2005年の論文ではワクテルにも言及してあった

2015-10-09 10:16:45
köttur-lover22🐱㌠ @kottur_lover22

愛着理論を基礎とした精神療法は収束したわけではなく、精神分析やDSMの従来診断とは全く別の視点で発展していると思いますよー。先日来日したCrittendenの提唱しているDMMがそれにあたります。psycho-bio-socialな統合的治療法でかなり期待できると思います。

2015-10-09 10:16:47
köttur-lover22🐱㌠ @kottur_lover22

ただしAAIを知っているだけでなく使いこなせるセラピストが増えないと、妥当性を云々するのは難しいでしょうね。AAI診断は本当に難しくて、相当時間をかけた訓練が必要なので、それができないまま愛着理論を精神療法に活かすとしたら、MBT、IPT及び間主観的精神療法の枠内に留まるかと。

2015-10-09 10:21:50
köttur-lover22🐱㌠ @kottur_lover22

実際、愛着理論は全ての心理臨床理論に橋をかけることのできる理論だと思うけれど、愛着志向精神療法は精神分析とは離れたところで発展してほしいと個人的には思う。精神分析理論を志向する人は随時更新することに抵抗の強い人が多い印象があるので。愛着志向精神療法は常に更新を重ねてるからね。

2015-10-09 11:44:47
köttur-lover22🐱㌠ @kottur_lover22

@kottur_lover22 どちらがいいとか悪いとかではなく、それぞれが健康な発展を遂げるために、無駄に絡まって疲弊することのない適切な距離が必要という意味です。念のため。

2015-10-09 11:53:45
白象 @elephantcalli

愛着と心理療法で忘れていたけど、外傷治療にはむしろしっかり組み込まれているのだった。けど、どんな組み込まれ方をしているのかちゃんと追いかけたことがないので課題。DMMは…心理療法なのかな。統合的治療法と言われるとなるほどなと思うけど、心理療法としてのDMMはちょっと課題。

2015-10-09 12:07:34
白象 @elephantcalli

それで言うと、DBTもIPTも愛着の要素をその構成要素として持っているし、一時期愛着研究の文脈にも登場してきていたのだけど、あんまり両者の交流があるようには思えないんだよな。その辺どうなってるんだろうか。というか、むしろ分析的な人たちが何で一緒に仕事をしてたんだろうか。

2015-10-09 12:12:53