温室本丸つぶやきまとめ:3
審神者は胸のうちで鼓動が静かに打ち続ける音を聴く。霊力を通されて定型の活動を開始した式神達は、それとは少しずれた拍で炉を動かす。霊力の回復と消費、意識を鋭くして二者を比べる。「…大丈夫と、思うけど。備えたいかな」審神者は最も古い付き合いである少年の姿の付喪神に伝え、彼は首肯した。
2015-11-13 21:12:45かつて矮小な魂を吸い尽くしかけた刀剣男士の助言に依れば、失われつつある霊力、他者にあまりに染まりやすいそれを、変調をきたす前なら補給が叶う。「あんたがそう言うならな。幸いにもまだ秋だ」「冬じゃなくて良かったなあ、ね、切国くん」誰かいまいか、そう鍛刀部屋の外へ声。直ぐ返事は返った。
2015-11-13 21:19:19ふわりと桜の誉が鍛刀部屋に舞い散り、花弁は炎の明るさを見せたのちに灰もなく消えた。「…僕は燭台切光忠」例に漏れずうつくしい青年は、灯火の色の単眼を開き、名乗り上げる。審神者もいつも通りに顕現に見とれ、お陰で反応が遅れた。「しゃにわへふ」数瞬。その後、燭台切光忠は山姥切国広を見た。
2015-11-13 21:26:56「…えーと。山姥切の?」「山姥切国広、だ。ちょっと待ってやってくれ」ああ、と燭台切光忠は頷く。頷いただけであり、質問を重ねる。「…えーと。そこの、…鼠の戯画みたいに、頬のものに一生懸命なのが、僕らの主でいいんだよね」「この格好悪いのが主だ」「ひほいな、むぐ、君ら!霊力補給なの!」
2015-11-13 21:33:06「貞ちゃんはこっちに来てる?」「ふぁい?」黄昏時の本丸を案内しながら、まだ蜜柑を口の中にもごもごと入れていた審神者は、呼ばれた気がして振り返る。顔を上げれば背の高い男が、「太鼓鐘貞宗。通称貞ちゃんだよ」と説明を重ねた。山姥切国広が「まだだ」と短く、急くように伝える。「切国くん?」
2015-11-13 22:00:38山姥切国広の初めての食事は初鍛刀の愛染と一緒で、そういったはじめての体験は大抵審神者以外にも誰かと一緒なのだけども、最初の(チュートリアルの)血まみれの体を混乱しきった審神者に担がれていった記憶だけは、彼だけのものなのだ。
2015-11-14 01:46:00「げ、肉ないんだ」加州清光は大きな金属鍋を開けてショックを受けた。詰まっているのは調味料でか橙に染まった大量のキャベツ、もやし。良い匂いがしたのに。「在庫切れだよ。買い出しの申請は明日だしね」「げー。…あ、旨い。あったまる」「こら」 pic.twitter.com/8DwmIiz8HH
2015-11-15 19:29:36