HIGHLAND VIEW さんのシャアの考察

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そういえば昨日はシャアの誕生日だったの？　Wikipedia見ると、9/27説もあって、要は誰の誕生日やねん、という話みたいですね。でも11/17生まれだと、蠍座スコーピオンのミロという事になるのでそれで良い気がする。

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80年代に放送されたアメリカのシットコム『キャスバル坊やは人気者』では、幼い兄妹がマス家の養子となり、さまざまな騒動を巻き起こしながらも明るく楽しく生きる様をコメディー形式で描いている。決め台詞は、兄に対する妹セイラの「冗談は仮面だけにしろよ！」……うわ。これ見たい。

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シャア生誕日の確認で、相当久しぶりにシャアのWikiperdiaページ見たけど、当然ながらORIGINの記述が多く加わってますね。ORIGIN読んでないに等しいので、ORIGIN版シャアは薄幸の母への思いから、ザビ家への憎悪を強めた、と解釈されていると知った。安彦さんっぽいなあ。

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シャアはコンプレックスの総合商社なので、解釈する人によってそのバランスが変化するわけですが、母への思慕を強めるのが安彦さんぽいという感じがする。個人的には、ママかわいそうで復讐するのはキャラが分かりやすすぎる気がします。個人的にはセイラの言うとおり「鬼子」だからという印象です。

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私はシャアのコンプレックスとしては、エディプスコンプレックスがいちばん強いと思っていて。その意味では母も大事なんですが、それ以上に父がすごく意識されてると思うんですよね。父と言うのは父ジオンでもあるし、父ジオンが代表するスペースノイドでもあるし、その生活の場、宇宙でもあるし。

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要するに、母なる地球に対する、生きていくことさえ厳しい宇宙は父なんだろうと思うんですよね。シャアは子供の頃、妹と共に地球で平穏に暮らすわけですが、父ジオンは、人類は過酷な宇宙環境に進出・適応することでニュータイプになれる、と言っている。

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シャアが父ジオンの意志を継ぐなら、地球や妹と離れて、過酷な宇宙へ出なければならない。そこで生き残ってザビ家も排除して、宇宙で生きる人のリーダーにならないといけない。これ私だったらやりたくない。ダイクンの名も捨てて、一生地球でマス家で暮らしたい。でも若いシャアは一応やろうとします。

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でもシャアは名前をコロコロ変えるのと、肩書きや役割を負うのを極端なまでに嫌ってたように、もう本音では絶対やりたくないんですよね。偉大な父の後継者をやりたくない。何の責任も背負いたくない。だからハマーンとペアでアクシズの指導者にも、反地球連邦としてエゥーゴの指導者にもなりたくない。

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ハマーンやクェスやナナイがダメで、なぜララァがいいのかといえば、ララァだけがシャアに役割を求めなかったから、というのが決定的なんじゃないかと思います。そこに息子に対して甘く優しい母を見ることも出来るかも知れないけど、ある意味、母以上かな、とも思いますね。

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ここから、@ni_fukoさんの「シャアによるララァへの貧しい愛」の話に移行できます。「貧しい愛」というのは、ハリーとキエルの関係との対比です。今回はちょっと本筋を進めさせてもらいますが、すばらしい話なので、いつかちゃんと紹介したい。

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@leonis_nckn ありとあらゆる役割から逃れる人生なんですよ。ジオンの息子も、ハマーンの夫も、クェスの父も、シンタとクムも拾ってくるけど何もしない。パイロットでしかご飯を食べる方法を知らないと言い訳して、指導者になろうとはしない。

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いわゆる父的なもの（過酷な宇宙、責任ある役割）から逃れることを唯一許してくれるのが母だとすれば、母的なものを求めるのは当然です。それをマザコンと呼ぶならそうでしょう。だからハマーンもナナイもクェスも、シャアにとっては、自分にある役割を突き付けてくる存在でしかない。

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だから『逆襲のシャア』でのネオジオン総帥なんて、シャアにとってもこれだけは絶対に避けたかった役割ですよね。最悪ですよ。こんなはずじゃなかった。ジオンの息子だからってこれをやるのは完全に道化だよ。アムロとかがやればいいんだよ、あいつニュータイプなんだからさ。という気分がよく出てた。

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もちろん、アムロがニュータイプや宇宙に近づかない原因を作ったのは、シャア本人なんですけどね。だから、シャアは自分の人生を自分で壊したんですよ。自分のつまらない嫉妬が、自分自身をネオジオン総帥に追い込んだ。アムロに八つ当たりしてますが、本人も多分それはよく分かってるはず。

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シャアは、父ジオンの名のもとに地球に小惑星を落とし大量虐殺を始めて、結局アムロに止められ、そのまま脱出カプセルの中で光の中に消えていく。 話始めのエディプスコンプレックスで言えば、父ジオン（宇宙）を殺し、アクシズというペニスで母なる地球を犯すというのが『逆襲のシャア』と思います。

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父親に対する対抗心という意味では、父ジオンはもういないので、ニュータイプ・アムロにビンタされたいんですよね。5thルナ落としで、やろうと思えば母が犯せることが分かってしまったので、自らビンタマシーン（νガンダム）の技術提供をするという。で、見事ビンタされるわけです。望みどおりに。

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アムロにビンタされて、ダイクンの鎧を全部はがされて、小さな丸い脱出カプセルになる。これでネオジオン総帥から、卵の状態まで戻ってしまいます。アクシズがペニスだと言いましたが、そのペニスの先端にある卵です。このまま地球へ落下できればアレですが、そこに届く前に消え去ります。不発ですね。

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しかも卵状態のシャアは外で何が行われているかを見ることができません。モニターが全て死んで盲目状態です。卵の中にいる限り、外が見えないのは当然ですが、その時外で行われているのは、多分シャアがララァが生きてる頃にはまだ信じていた、奇跡のような光景です。でも彼は見ることを許されません。

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シャアが光になって地球に届かずに消えていき、地上では新たな命がオギャーオギャー、で、流れてくるユービローンビローン……。最高。因果の歯車が少しだけ違っていたら、こうはなってない。結局、セイラの「兄は鬼子です」「殺す」はすごく正しかったし、血縁女性としての防衛本能を感じる。

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アムロは色々な因果があって、ニュータイプとしてスペースノイドを導くもの、みたいにはならなかったけれど、その代わり、父としてきっちりビンタして母を守ったとはいえる。だからアムロに子供が出来てた方が、構造がはっきり見えていいと思うんですけどね。

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シャアはコンプレックスの総合商社なので、マザコン、シスコン、ロリコンとか色々言われますが、私は父の影が最も色濃い様に思いますね。それは父ジオンを掘り下げるとかではなく、普通にシャアの人生を見てそう思います。大人として社会的な役割を引き受けずにどう生きるか、どう逃げるかの人生。

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シャアは複雑な生い立ちなので、父的なものに抗う気持ちにも同情はします。きっとザビ家への復讐というミッションは、すごい気持ちが楽だったと思います。アヴェンジャーである限りは何も考えなくていい。でもザビ家に復讐が終わったあと、シャアはすぐに困る。

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幼いミネバを殺して、ザビ家の血を根絶やしにするほどの復讐者でもない。ザビ家がいなくなった以上、ジオンの残党をまとめる指導者が必要になる。話の流れからいけば、自分がやらないといけない。妹とララァの代用だった少女が頭角を現して、一緒にジオンを治めようという。…よし、逃げるしかない。

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やっぱりシャアを考えるなら、父的なものからなぜここまで全力で逃げなければならないのか、という事に尽きると思うんですよね。マザコンだのロリコンだのは、彼のそういう人生に付随する一要素に過ぎないと思うので。そしてその課題は、現実の男性たちにも降りかかってくる気がします。

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最初に書いたように、シャアは解釈する人によってコンプレックスのバランスが変化するので、あくまで私がそう思うという話です。もはやシャアの人格はひとつとは思えないので、色々と解釈できる人気キャラクターということでしょう。安彦さんが母への思慕を強調したみたいにアレンジが色々できます。