ニヴフ伝統のゼリー菓子「mosモス」の作り方

樺太中部以北及び対岸のアムール川下流域に住む少数民族ニヴフ(古くはギリヤークと呼ばれた)の作る伝統のゼリー菓子は、主に魚のゼラチンを使っている。その作り方のいろいろ。
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丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。樺太のウイルタ民族もmusiという同じような菓子を作っていたらしい。池上二良『ウイルタ語辞典』によればサケ・マスのほかにアメマス、カワカマス、イトウを使ったとも。

2015-11-25 18:08:04
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。魚の浮き袋などを混ぜると若干魚の臭いが出る。だから混ぜない地域が大半だが、最近は手抜き法としてしばしばおこなわれているらしい。また、入手難等の理由でアザラシ油を入れないこともあるはず。

2015-11-25 16:27:08
丹菊逸治 @itangiku

鮭鱒のゼラチンで作る「mosモス」というニヴフ民族の伝統料理(というか菓子)にはいくつか作り方がある。もともといくつかの地域差と「手抜き」の方法があるようだが、近代化によってさらにバリエーションが増えた。

2015-11-25 16:19:56
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。牛乳を入れる地域もある。おそらく本来はトナカイ乳だろうと思われる。乳を入れると白くなる。味もまろやかになる。

2015-11-25 16:30:31
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。伝統的には過熱した魚皮を長時間かけてこね潰し、夜の冷気で自然に固めて作る。だが、現在では電動ミキサーや冷蔵庫が使われることも多い。ただ、ミキサーを使うと若干仕上がりが変わるように思われる。

2015-11-25 16:33:12
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。容器はorngオルング(オルン)と呼ばれる細長い木製容器。この容器でこね潰し、固める。最近では深皿やタッパーなどに流し込んで固めることが多い。容器によって味は変わらないと思う。

2015-11-25 16:36:00
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。作るとなると半日がかりなので、日常的に食べるものではない。基本的に大きなお祭り(儀礼)のときの食べ物。神への供物としても重要。かつて行なわれていた冬のクマ送り儀礼時には参加客たちが犬橇に満載してきたという。

2015-11-25 16:38:50
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。樺太のアイヌ民族はまた、その派生形とでもいうのだろうか、海藻ゼラチン菓子も作っていた。やはりコケモモを入れていたらしい。

2015-11-25 16:48:40
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。樺太のアイヌ民族も似たものを作っていた。『聞き書き アイヌの食事』(農文協)には「モシ」としてレシピが掲載されている。その例ではコケモモを潰して入れている。ニヴフと異なり栗またはクロユリ、ユリ根を入れるらしい。

2015-11-25 16:47:28
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。入れるベリーはガンコウランが多いが、コケモモなど他のものでも作る。ガンコウランがあまり入手できない地域もある。砂糖を混ぜたベリー汁やコンポート、ジャムなどを混ぜることもあるらしい。もちろん甘くなる。

2015-11-25 16:29:01
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku ニヴフ伝統料理(菓子)「mosモス」。基本的に材料は「魚皮のゼラチン+ベリー+アザラシ油」だけ、というのが最もシンプル。ベリーは一部を潰し果汁として利用し、一部は最後に混ぜ込んで潰さずにおく。

2015-11-25 16:24:23
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku この手の料理(菓子)はかなり広く分布している。どこが起源かというのは難しいし、野暮だろう。

2015-11-25 18:09:45