よいこ大賞2015 作品のみ

よいこ大賞2015応募作品のみを楽しみたい人向けまとめ
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リュカ @ryuka511

幼い少年はスラム街の教会に佇む。店先から食べ物をくすねたり、紳士から財布をスる技術は無かった。そういう事が出来なければ生きていけない。神様はいないから。「人手がいる。私と来ないか。」差し出された手にすがる。神様を見つけた日だった。それが悪の道への一歩だとしても。 #twnovel

2015-10-28 23:51:26
ブラッディーずきん @bloody_hood

女は愛するものではなく愛されるもの。相手に近づくのではなく、相手に歩み寄らせるもの。相手を自分に合わせさせるのが女の武器。私は一切譲らない。#twnovel それでも愛には逆らえないもので、熱い恋は自分でも止められない。あなたのためなら受け入れよう。私の初めての甘い敗北。

2015-12-11 21:47:13
ブラッディーずきん @bloody_hood

一人には慣れている。ずっとこの森で一人で生きてきた。真っ暗な夜でも一人で寝れるし朝も一人で起きれる。パンも焼けるし、目玉焼きも上手に作れる。日頃の掃除から季節ごとの準備だって大丈夫。最近男の子が卵を届けに来るけど、その時は居留守を使う。やっと独りに慣れたのだから。#twnovel

2015-12-11 22:33:38
いぐあな・創作アカ @sou_igu

銀河系中に広がり衰退し消えた太陽系文明の調査を私はしている。開拓惑星を回り遺跡を発掘していた #twnovel 「ここにも、お城のような建物が」「神殿でしょうか?」「またありました」大きな丸に二つの丸のマーク「…ッキー?」神のシンボルだろうか?遺跡中に散らばったそれを私は見回した

2015-11-29 13:34:20
おぱんけーき瀬田 @tohmi_101s

わたしはあなたの虜。甘さに誘われて近寄って、煌びやかに巧妙に張り巡らされた糸に絡めとられた馬鹿な蝶。鱗粉散らした翅はあなたが食べてしまったの。もうどこにも行けないわ。それで、いい。蛾のわたしは変われた。あなたが愛でてくれたから。#twnovel わたしは幸せです。とても、とても。

2015-12-12 11:26:59
ろすえん @lost_nd_xxx

彼女はとても私に似ている。彼女はとても私とは似ていない。まばたきするたび、白昼夢が、皮膚の内を巡る。私が彼女だったころ、母はどんな風に、私に接した?正解など知れないけれど、私の欲しかったすべてをあげると誓ったのではなかったか?私はもう彼女ではなく、けれど妬ましい。#twnovel

2015-12-12 23:21:42
下書き保存5分放置 @5min_blank

何かの病にとり憑かれたらしい。思考がどんどんおかしくなって、身体も思うように動かない。そのうち人らしくなくなってきて、自分自身が病になっていく。嫌だ、まだ人間でいたい。叫びながら街をさ迷ってると、……ああ、ちょうどいい人間がいるじゃないか。 #twnovel

2015-12-12 11:30:10
下書き保存5分放置 @5min_blank

美味しいスコーンを焼きましょう。愛する貴方のために、甘い甘い #孤独の角砂糖 を混ぜて。スコーンを一口、貴方の回りに誰もいなくなる。 #狂気の魔法少女 人に餓えて孤独に苦しむ貴方の前に、私が立つ。孤独は最高の毒。蝕まれた貴方を救えるのは、私だけ。 #twnovel

2015-10-24 16:16:17
嘘つきプラム @ps_plum

僕ら星になる前に、並んで空を見つめてた。地球から引越しする時、何処に住みたいか相談して。「あそこは太陽が遠すぎる。」『そこは隣の衛星が煩いから嫌。』笑った君の頬は紅く、目も紅い。『きっとこの地球以上の星はないよ。』「そうだね。でも僕にとって君は、地球よりも大切。」#twnovel

2015-11-29 23:26:57
山田えみる @aimiele

リストラを言い渡されて頭を抱えるデュラハン「こんなにも頭を提げて頼んでいるんですよ。ああ、どうかクビだけはご勘弁を」」 #twnovel

2015-12-14 23:49:24
猫夜@なめこ汁 @heimao444

見えない赤い糸。私から出ているそれをあなたに巻き付けたい。ぐるぐるにがんじがらめに。簡単にはほどけないように。他の糸なんて巻き付かないように。そうやってあなたを手に入れたい。先ずはあなたの隣を私の場所にしよう。 #twnvday 「はじめまして」笑って私はあなたに糸を巻き付けた。

2015-12-15 00:05:14
猫夜@なめこ汁 @heimao444

雨が止まなくなりどれくらいの月日が経ったのだろう。誰かが言っていた、この雨は誰かの涙らしい。いったい誰がこんなにも泣いてるのかボクは気になった。空へ登るための橋を出現させるには7つの虹の欠片が必要らしい。そうして始まったボクの旅。まだ見ぬアナタに会いに行きます #twnvday

2015-12-15 00:02:26
ドーナツ @donut_no_ana

#twnvday 歓声が聞こえる。ぼくは、空砲の音とともにかけ出した。曇天なのか前方の視界は悪い。誰かの息遣いを聞きながら、トラックの白い線を追った。耳もとへ届いた声援は両親に思えたが、妻の声だとようやく気付く。ゴールは目の前だ。テープが千切れる。「ご臨終です」 #twnovel

2015-12-14 21:41:23
ドーナツ @donut_no_ana

#twnvday 父に手を引かれて家を出た。今までは四人家族だった。これからは父と祖母がぼくの面倒を見てくれる。姉は母の背中へ隠れてしまい、顔を見せなかった。掌だけで別れの挨拶をする。「今度、いつ会えるの?」「大人になったら」そのあかつきには、またカルテットを。 #twnovel

2015-12-14 21:34:21
萌葱[moegi] @hmoegi

#twnovel 今日もロックを聴いている。電車の音を掻き消すほどに、音を耳へと注ぎこむ。「音漏れしてますよ」叩かれた肩を見てみると、水晶の原石が散っていた。外したイヤホンからは叫びが漏れ、大きな粒がまたこぼれる。すみませんと謝って、名残惜しく音量を下げる。外の音が聞こえる。

2015-12-15 14:02:41
萌葱[moegi] @hmoegi

#twnovel 昨日はバラードを聴いていた。胸の奥を抉られるような、きりきりと締めつけられるような、深海に取り残されているような、穏やかで悲痛な歌だった。喉の奥が苦しくなって、吐き出してみるとサファイアだった。枯れ果ててしまったものの代わりに、今日もポケットに忍ばせている。

2015-12-15 14:08:35
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 次のニュースです。正月用のカニを積んだトラックが横転、積み荷のタラバガニやズワイガニ等が逃げ出して道路を埋め尽くし、一時通行止めになる事故がありました。現在、カニはすべて回収されて交通規制も解除されています。なお、この事故に毛ガニは居ませんでした。

2014-12-30 16:23:26
楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 雨の中、交差点の歩道でずぶ濡れになって泣いている女の子が居た。足下には花束が。女の子の方へ傘を差し出す。でも、雨は傘をすり抜けて女の子の頭上へと降り注ぐ。あぁ、やっぱりそうか……。「もう僕のために泣くのはやめて」でも、女の子には僕の声は届かない。#twnvday

2015-06-14 01:13:10
疲れ目の桂瀬(あじゃりん) @katsurase

「白雪姫や、りんごをお食べ」「まぁおばあさんありがとう」「……どうしたんだい?食べないのかい?」「どうやって?」「……ん?」「まさかこのわたくしにかじりつけと?」「……」「皮むいて一口大に切ってから勧めなさいよ」「あ、もう食べなくていいです」 #twnovel

2015-02-23 07:44:14
疲れ目の桂瀬(あじゃりん) @katsurase

好きな子を口説いた。仕事で成功したから何でも買ってあげる。けれど彼女はいらないと言う。宝石も毛皮も十分だと。貢ぐ奴がいるんだ。諦めきれない僕を、彼女は家に招いてくれた。玄関をくぐると同時、負けを悟る。彼女が抱く二つの宝石のついた毛皮が嬉しそうににゃあと鳴いた。 #twnovel

2014-10-14 18:12:16
いぐあな・創作アカ @sou_igu

「スプライトが見たい」宇宙エレベーターから見える落雷に伴う一瞬の発光現象。『妖精』と呼ばれる、それを見るのが彼女の夢だった #twnovel 雷が眼下の雲の中を走り『妖精』が浮かび上がる。僕はそこに君の姿を見た「そうか、今、旅立ったんだね」明日撒く彼女の遺骨を僕はそっと抱き締めた

2015-12-13 08:01:45
道中ヘルべチカ@官能小説家 @HelveticaMi

あの人はいつも私を洗濯バサミで攻める。きょうも、一番敏感なところを挟む。あぁっ…痛いけど、気持ちよくて。体が勝手に動いちゃう。もう、びしょびしょなのに…どうにかなってしまいそう…あぁっ…「一向に乾く気配ないな…妙に揺れやがって…風も無いのに。何だよあのシャツ…」 #twnovel

2015-07-24 21:25:08
道中ヘルべチカ@官能小説家 @HelveticaMi

玉ねぎとの結婚直後、夜の営みは刺激的すぎた。毎晩涙で目が開けられなくなるほど辛かった。最近は彼のテクも徐々に甘く、優しくなってきている。けれど気持ちは焦るばかり。なかなか子どもができないのもあるが、問題は、彼の皮をむくたび、彼が徐々に小さくなっていっていること。 #twnovel

2015-07-25 20:36:49
烏楽(うらく) @maizeword

一緒にお茶を飲んでいた彼がそわそわと落ち着かない。時計を見ればお昼前。ああ、いつものか。「遠慮しなくていいよ」そう告げれば頬を染めてうなずいた。 #twnovel 高らかに正午を知らせたあと「すいません」と恐縮する様子が微笑ましい。彼は怪人はと時計。軍団一、時間に律儀なイイ奴だ。

2015-03-13 23:51:13
烏楽(うらく) @maizeword

「もうし」雪下ろしの合間、屋根に座って一服してると雪女が声をかけてきた。「凍死」の文字が頭をよぎる中、なにかと問えば頬を染めてこちらの手元を指差した。 #twnovel 一度のんでみたかったのだと微笑んで彼女は山へ帰っていく。砂糖多めのカフェオレ。返された魔法瓶の蓋は凍っていた。

2014-12-26 23:04:01