よいこ大賞2015結果発表

このツイノベに関して私に言えることは正直なんにもないのです。ツイノベとして完璧。あくまでも私にとってはですが。実に穏やかな物語だというのに最後の一行でがらっと雰囲気を変えてしまう。言葉なんてそれくらい不確定な意味しか持たないのかもしれません。過不足ない、美しいツイノベ。

読者大賞

推薦文は状況やタイミングでずいぶん数が変わります。
ですが、｢この作品について一言申したい！！｣そう思わせた結果です。成果です。誰かを動かすというのはとても大変なこと。そんな大変なことを何度も成し遂げた話題の作品。

一番の人気作はリケジョのお話。ええ、そうなの？　と思わず気軽に突っ込みたくなってしまうツイノベ。読み手が親しみを持てるというのは物語において、大切な要素のひとつだと思います。
リケジョ、幸せになってね。

バカノベ大賞

ばかのべのばかはただのバカとは違います。まるで違います。
きっぱりと面白さだけを求めた物語バカのばかなのです。
愚かという意味ではありませんのでそこのところよろしくお願いいたします。

突然はじまる蟹のニュース。何のことだと思いながら読んでいると、毛ガニで押し切られる形に。めちゃ強引です。強引に笑わせにきます。だって毛ガニですよ？
最後のその一言のためだけにそれまでの全てがあるのです。
まさにこの賞にふさわしい物語。

よいおち賞

オチってとっても大切です。
オチが決まると物語はすっきり。特にこういう短い物語は。そういう風に考えています。
この賞は、最後の一行にとりわけ魂が込められた物語に贈られます。

警部が幽霊のところまでは想定できると思うんですが、後輩刑事までとは。後輩君のなんとものほほんとした性格付けがとても素敵です。繰り返される緊張と緩和。その果てにストンとすっきりおちていく。読んでいてとても気持ちのいいツイノベ。

よいこころ賞

静かな物語は好きだと思うことすら忘れさせ、じわりと入り込んでくるのです。大切なものをしまう引き出しの奥の方にそっとしまって密やかに大切にしたい。そんな心をぎゅっとわしづかみにする、好きだけじゃ言い表せないそんなツイノベに贈られる賞です。

｢私｣は悪い人だと思う。生きていくための糧に金魚少女のときめきを利用するとても悪い人だと思います。けれど人ってそういうところ、少なからずあると思うのです。実に多くのことを贄として生きている。それをそうとは感じさせず美しくまとめあげてある作品。