アンエクスペクテッド・ゲスト #5

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【アンエクスペクテッド・ゲスト】#5

2016-01-08 15:23:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(あらすじ:タマ・リバーに浮かぶ監獄島「スガモ重犯罪刑務所」に、ヨロシ・バイオサイバネティカ社の輸送機が突如墜落。鉄橋が爆発炎上し、スガモ重犯罪刑務所は完全孤立状態となった。不運はそれだけではない。輸送機コンテナの中には恐るべき生体兵器ニンジャ「カンゼンタイ」が積まれていたのだ)

2016-01-08 15:24:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(冷凍睡眠から覚めたカンゼンタイは未だ不完全な状態にあり、囚人の捕食と急激な成長を開始。犠牲者はモージョーめいて溶かされ、このバイオニンジャの肉体を構築する材料にされてしまうのだ。事態を把握せんとする3人のニンジャデッカーは、囚人棟の風呂場でカンゼンタイと遭遇。戦闘を開始した!)

2016-01-08 15:32:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スポイラーの散弾銃射撃!「イヤーッ!」BLAMN!「YyyRRySH!」バイオニンジャの体から緑色の体液が飛び散り、浴場壁のフジサンの絵を染め上げた!他の二人も反撃に転じる!「死ね!XXXX野郎!」デッドエンドが銃弾を連射!「イヤーッ!」顔面にカラテパンチを叩き込むタフガイ! 1

2016-01-08 15:39:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「YyyyyRRRysh!」怪物は苦しげに大きく仰け反った。「効いてるぞ!」「待て…妙だ!」カンゼンタイが瞬時に変形してゆく。二本の腕がしぼみ、上半身が肥大化した。胸部を中心に、骨の隙間にエラめいた小さなスリットが無数に開いてゆく。流体金属めいて素早い組織分解、再構築、適応。 2

2016-01-08 15:44:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

全ては一瞬だった。次の瞬間、炸裂するフラググレネード弾めいた勢いで、カンゼンタイの体内から全方位へと骨質の小型スリケンが射出されたのだ!「YYYYR!」「「「グワーッ!」」」バイオテックの悪夢だ!咄嗟にカラテ防御姿勢をとった3人の体正面に、おびただしいスリケンが突き刺さった! 3

2016-01-08 15:52:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「YYYYR!」立ちすくんだ相手に対しカンゼンタイは猛然と挑みかかる。スポイラーが鈎爪で切りつけられ壁に叩きつけられた。「アバーッ!」「ファック!」BLAMN!デッドエンドが激昂し、マグナム銃でヘッドショット!タフガイも挑みかかった!だが、敵は再び骨スリケンの射出姿勢を取る。 4

2016-01-08 15:58:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二人は咄嗟に四連続側転を打ち、物陰に隠れた。直後、骨スリケンの散弾!「グワーッ!」スポイラーの悲鳴。「ガッツ見せろ!まだエサを吸い上げてるぞ!」デッドエンドが物陰から叫ぶ。カンゼンタイは触手を浴槽に浸し、有機物プールを吸い上げ続けている。いわば予備電源を背負った殺戮マシンだ! 5

2016-01-08 16:07:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「クソッタレがァ!化け物のくせに頭使いやがって!キリがねえ!」タフガイは柱に背を預けスリケンをやりすごし、浴場の床を苛立たしげに殴りつけた。ナックルダスターに覆われたニンジャの拳はタイルを砕き、老朽化コンクリに大きなヒビを入れた。タフガイはそれを見て、息を吸った。「待てよ……」6

2016-01-08 16:12:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スリケンが途切れたのを見計らい、デッドエンドが再び飛び出してマグナム弾を連射した。スポイラーをカバーするためだ。「イヤーッ!」BLAMBLAMBLAM!「yyrrrrrrSH!」だが、タフガイが連携に参加しない。畳み掛けるチャンスが!「どうしたタフガイ!タマ落としたか!」 7

2016-01-08 16:16:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「YYYYR!」敵はデッドエンドにカラテを挑みかかる。鋭い鈎爪が右へ、左へ!強靭なサイバネプロテクターを装備しているスポイラーならばまだしも、軽装の彼女が食らえば一撃で致命傷となろう。「イヤーッ!」デッドエンドはこれを紙一重の連続側転回避。だが徐々に追い詰められる。アブナイ! 8

2016-01-08 16:21:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

SMASH!その時、後方で破砕音が響いた。タフガイのカラテパンチが、浴槽と床を砕いてゆく!「yyYYRYSH!」事態を察したカンゼンタイが手をかざし、骨スリケンが手首の穴から連射される!「ウオオーーッ!人間の知性をナメるな!」SMASH!タフガイは背に被弾しつつ破砕を続ける! 9

2016-01-08 16:28:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

SMAAAASH!浴槽から液体が流れ出す。だがペースが遅い。触手が伸びタフガイを捉えた!「グワーッ!」「うう…」スポイラーはヨロヨロと体を起こし、サイバネ腕を伸ばす。小型爆弾が射出され、浴槽へ。KABOOM!浴槽の底が抜け、一気に流出!「やったな秀才!」デッドエンドが叫ぶ。 10

2016-01-08 16:37:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼女の放った弾は唸りをあげて敵の背に命中し、タフガイを拘束する触手を切断した。49課の見事な連携であった。「よし、後はこのクソを……!」「RRRRRSH!」苛立たしげな叫び声をあげた直後。怪物は出口へ駆け、立ちはだかる彼女を薙ぎ払った。そして餌場を放棄し、逃げだしたのだ。 11

2016-01-08 16:48:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

CRAAAAASH!ガラスの破砕音。カンゼンタイは中庭に着地した。「「アイエエエエエエ!ニンジャ!ニンジャナンデ!?」」不運な囚人の悲鳴が聞こえた。「「「イヤーッ!」」」数秒遅れて、手負いの3人も窓から飛び出した。緑色の血を追い、カンゼンタイを狩り殺すために。 12

2016-01-08 16:58:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヨロシサン製薬め、とんでもねえクソを落としやがってよォ!」タフガイが唸る。「爺さん、火炎放射器の使用許可をくれ!あのXXXX野郎を焼き払って、イカジャーキーにして食うぞ!」デッドエンドは折れた歯を吐き捨てながら、通信機にがなり立てる。「囚人が全部モージョーにされる前にな!」13

2016-01-08 17:05:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「先輩、でも囚人が死んだら空きができていいって、言ってたじゃないですか」スポイラーは着地の苦痛に顔をしかめながら、デッドエンドに追いつき、並走した。「おい、勘違いするなよルーキー!」彼女は吐き捨てるように言った。「我々はデッカーだ」「そりゃそうですよね!」スポイラーは笑った。14

2016-01-08 17:14:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「1億円を、山分けだと……!?」カブセ医師は己の耳を疑った。気絶から復帰し、ストレッチャーの上でZBR煙草を吸う胡乱なガイジンが、彼に取引を持ちかけたのだ。その囚人、ラッキー・ジェイクは、煙を吹いてひとごこちつきながら言った。「俺をこのドサクサに紛れて逃がしてくれるなら、だ」16

2016-01-08 17:21:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「私は医者だぞ……!ここにいる皆が、私を必要としているんだ!ちょっと待ってくれ!」カブセはカーテンを開け、眉をひそめて辺りを見わたした。幸い、狭い医務室の中には他に誰もいない。「乗らないって事かい?」「ちょっと待ってくれ!本当に1億円があるのか?没収されたという話を聞いたぞ」17

2016-01-08 17:28:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「確かに2億は事件現場でゴミになった。オキナワ空港でジャンボジェットから降り、マッポに拘束された時、俺は3億全部失われたと主張した。だから没収されてない」「では、どこに?」「うまく逃げきった俺のブッダが、1億を抱えてオキナワで待ってるのさ。会いに行かなくちゃいけないんだよ」 18

2016-01-08 17:34:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◇ごはん食べましたか?まもなく再開です◇

2016-01-08 21:58:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カブセは自分の状況を再認識した。少しおかしくなっていた。自分を高潔な名医だと思いこみ始めていたのだ。1億。本当は、ケツに火がついたケチな違法物品の運び屋だ。1億。この事態が収束したらどうなる。この程度の証拠隠滅で本当に難を逃れられるか?仮に現状維持でも、結局マケグミだ。1億。19

2016-01-08 22:08:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「実際いくらくれる?」「俺と、ブッダと、あんたで3人。必要経費を抜いても3000万はカタいね」「3000万か……」カブセの瞳に失望の色が浮かんだ。だがすぐに持ち直した。3000万だ。「……よし、わかった」カブセは頷いた。「そのZBR煙草は、1本10万円だぞ、いいな」「ワオ」 20

2016-01-08 22:16:43