su@uさんの未完TS小説

まとめることで続き期待していく。
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su@u @su_at_u

@su_at_u →「男であったときに乳首なぞまともに観察したことはないが(その周りに毛が生えていてみっともないと感じたのは覚えている)、さすがに一センチほどもなかったはずで、それを囲む乳暈も、こんなには大きくなかったと思うが、」→

2016-02-11 03:53:10
su@u @su_at_u

@su_at_u →「湯で上気はしても生白く不健康そうな肌に、そこだけが赤の強い突起の周囲、自身のとはいえ見慣れない女乳房の丸みをじつと眺めていると、下腹が変な具合になってきて、触れてみると湯とは違う質の液体で潤っていた。」→

2016-02-11 03:54:05
su@u @su_at_u

@su_at_u →「女体を眺めるだけでそうなってしまうのは、まだ頭の中までは女になっていないせいか、ともかく、自慰をしようというこの時にはありがたいことだ。なおも昂奮を煽ろうとしばし、乳暈をかりりと引き掻いたり、ぐにりと乳を強く歪めたり、乳首を弾じいてみたりする。」→

2016-02-11 03:55:00
su@u @su_at_u

@su_at_u →「息を詰めて腰に妙な力のかけ方をしている自分に気づいて、ふうふうと息を吸っては吐き、背を伸ばした。腰に当てた手に伝わる感触はやはり、女のもので、同じようにふよと柔らかい皮下脂であっても、男であった時分のそれとは違うように感ぜられる。」→

2016-02-11 03:55:34
su@u @su_at_u

@su_at_u →「さて、充分に股は濡れている、はずだ。いざや本丸。そろと指を這わせ、まずは外から撫ぜていく。するり、するり、痛くはしないように、少しずつ、内へ、うちへ。明確に『中』、と呼べる場所に触れてみると、存外あっけなく、また痛みもなくて、」→

2016-02-11 03:55:56
su@u @su_at_u

@su_at_u →「次第動きがぞんざいに、大胆になってくる。ぐぐ、ぐいりと、快感は確かに膨らんできたが、まあ、こんなものだろうという予測の範疇であった。と、そういえば陰核、クリトリスというのがあったと、思い出してそれらしいところにも触れてみる。ぐいと、ぞんざいな動きのまま。」→

2016-02-11 03:56:24
su@u @su_at_u

@su_at_u →「途端、曲げていた膝が反射的に伸びて、強かに浴槽を蹴りつけてしまった。瞬間的に速まった心拍が、激しい運動のあとのように胸郭の中で主張している。何が起きた。じわじわ、ひりりと、恐らくは快感だろうものの名残が、包皮の下から拡散していく。」→

2016-02-11 03:56:53
su@u @su_at_u

@su_at_u →「擦り傷から痛みが広がるのにも似た感覚。また息が詰まっている。腿も張りつめていて、うっかりすると攣ってしまいそうだ。意識して呼吸し、そろり、今度は慎重に、ごく軽く、ゆっくり撫でつけてみる。またもひくりと不随意に脚が動こうとしたが、これはどうにかこらえた。」→

2016-02-11 03:57:17
su@u @su_at_u

@su_at_u →「男性であったころにも、似たようなことは経験していた。射精の瞬間にもなお敏感な亀頭を刺激し続けると、びくびくりと腿が痙攣したように動くのだ。ただ、未だ絶頂に至らないのにこうして己の身体が勝手次第に動くとなると、『そのとき』にはどうなるものか。」→

2016-02-11 03:58:06
su@u @su_at_u

@su_at_u →「怖ろしいような、待ち遠しいような心持ちもしたが、ともかくも、この躯がどのようであるか、知っておかねばならないと、義務感のごときものが湧きあがってきて、指は止まらなくなる。股はいつの間にか大きく開かれ、肘で押さえて容易には閉じられぬようにしていた。」→

2016-02-11 03:58:44
su@u @su_at_u

@su_at_u →「流れ続ける湯の音に混じって、粘液の掻き混ぜられる音がわずかに耳に届く。力加減はいいかげんにこなれ、精妙になり、陰核を片手でいじりながら、陰唇の内側と、胸をもう片手でさんざになぶった。まだ、達してはいない。」→

2016-02-11 03:59:05
su@u @su_at_u

@su_at_u →「そうするのがもったいなく思えるほど、女性体での性感にハマってしまっていた。昂ぶれば昂ぶったぶんだけ、わずかの刺激で脳裏が白く灼けた。そのくせ、決定的な絶頂を迎えていないのだから、波は引いてもいかないのだ。」→

2016-02-11 03:59:28
su@u @su_at_u

@su_at_u →「そこへきてうっかりと(どこか期待していたとおりに)、高まりが閾値を超えてしまって、あ、これはもう達してしまうなという予感が生まれる。こうなっては放りだすほかに高まりを鎮めることもできないが、そんな気は今や彼ならぬ彼女には毛頭なかった。」→

2016-02-11 03:59:51
su@u @su_at_u

@su_at_u →「指の動きはますます遠慮をなくして快感をさらに高めいくことに余念がない。淫猥な音を立てる局部と裏腹に、自分の顔の強張りを感じ取る。目元に無闇な力が入り、背を曲げたくなるのをぐいと、無理にも反らすとそこでようやくに達した。」→

2016-02-11 04:00:30
su@u @su_at_u

@su_at_u →「己が呆けていた、と数秒の後に分かって、のろのろと動きだす。あれほど高まっていた性感は鳴りを潜め、一定の体勢であり続けたことによる筋肉の硬直が、意識を現実に引き戻していった。股間を中心にまだ、むら、としたものがないでもなかったが、」→

2016-02-11 04:00:58
su@u @su_at_u

@su_at_u →「頭を洗い身体を洗いしているうちに、それも何処かへと霧散していく。最後に股間も洗ったが、そのときには心にも身体にも、何らの反応はなかった。身体を拭い、適当に見繕った、女が着ても違和の少ない服に袖を通しする間に、『そのとき』を思い返してみる。」→

2016-02-11 04:01:16
su@u @su_at_u

@su_at_u →「が、正しく忘我の境地であったか、思い出せるのは断片的なことだけであった。背に当たる浴室の壁の冷たさ、食いしばった歯の軋み、上下する胸の動きに連動する乳房、胎の肉の断続的な収縮、陰唇の内側のぬらりとした動き、跳ねるくせに力は入らない内腿。」→

2016-02-11 04:02:02
su@u @su_at_u

@su_at_u →「そして治まってしばらく、視界が暗くなったようにすら思えた、快感による白光。現実、そんな光は存在せず、ただ頭の中だけにそれはあったが、ハッキリと光として見たように感ぜられた。理性などはその光ですっかり見えず、あの瞬間、ほかの何もかもがどうでもよかった。」→

2016-02-11 04:02:26
su@u @su_at_u

@su_at_u →「気がつくとまた胸を服の上から触り始めていて、いやすることがあるのだと一応は自制し、とりあえず贔屓の電網通販にて、下着を何点か注文した。大きさなど分からないから、ある程度より大きなものを片端から幾つも買う。」→

2016-02-11 04:02:44
su@u @su_at_u

@su_at_u →「今日のうちには届くようにして、これでまずは外に出られるようにもなるだろうと、人心地ついた。他に幾らでも問題はあったが、それは今、彼女にとって優先されていない。『本来の使い道』、そのうちの最も正統なものを、まだ試していないではないか。」 つづく

2016-02-11 04:03:21
su@u @su_at_u

空いてきた腹を適当に満たして数時間、落ち着くとまた、今の身体のことが気になって、気になってあちこち見たり触れたりしていると、また致したくなってくる。自分でも呆れるほどだが、このあとはどうにかして性交に及ぶ積もりであったから、」→

2016-02-13 04:09:05
su@u @su_at_u

@su_at_u →「この身体をどうすると気持ちよくなれるかをキチンと調べておかねばならなかった。このあとの生活や、行きずりの相手が危険な男であったらどうするのかなどを考えなかったのは、ある意味では彼女が、その前身である彼が、既に破綻してしまっているせいであろう。」→

2016-02-13 04:09:20
su@u @su_at_u

@su_at_u →「生来の性別がある日突然に転換する(少なくとも彼女自身には徴候など分からなかった)など、およそ現代の常識において在り得ぬ話で、そうなれば『今の』己というのは『今までの』己とはもはや別人である。幾ら自身の中の真実を訴えようが、社会的に認められようはずもない。」→

2016-02-13 04:09:33
su@u @su_at_u

@su_at_u →「あるいは長の時間をかければ、充分な準備があれば、この世に残る不可思議な事例の一ツとして生きていくことはできるかもしれないが、いずれにせよ、これまでと同じ生活でいることはできない。ならばいっそ享楽的に、破滅的に、刹那的になってみせようか――」→

2016-02-13 04:09:49
su@u @su_at_u

@su_at_u →「などというようなことを、彼ならぬ彼女はもっと曖昧にあやふやな形で考えていたし、平たく言って阿呆の類であったので、まあ、何とでもなろうと、随分な楽観をしてもいた。何より、己自身とはいえ初めて見る生の女体である。かつて彼女が彼であったころ、彼は童貞であった。」→

2016-02-13 04:10:02