竹熊健太郎氏VS佐々木俊尚氏の「反権力」論争をまとめてみました
「北朝鮮のロケット打上げは、大陸間弾道ミサイル技術に直結するものなので、安保理決議違反」だと正確に報道するなら、分かる。北朝鮮は核さえ持てばこっちのもの、安保理なんてクソ食らえと思っているのだろう。
2016-02-10 17:31:35竹熊健太郎さんがこうおっしゃっているので、以下連投して説明します。 twitter.com/kentaro666/sta…
2016-02-11 14:12:42@lkj777 @urazumi 私は現政権に反対するという意味では「反権力」です。私はジャーナリズムの基本は反権力であるべしという考えですが、なのに「反権力」を冷笑するかのような佐々木俊尚さんの姿勢には疑問があります。ご自分の立場はどうなのか、はっきり書かないのは変ですね。
2016-02-10 10:03:271)まず前提の認識を2点。まず第1に、竹熊健太郎さんは「自分の立場はどうなのかはっきり書かないのは変」と私を批判されていますが、私の政治的意見は昨年の本「21世紀の自由論 優しいリアリズムの時代へ」ですべて書いています。まあ読まれていないのだと思いますが。
2016-02-11 14:13:172)基本的には私は本来的なリベラル(多様な価値観を許容し、普遍的な自由と平等の理念が世界じゅうに広がることを願う)ですが、その限界も感じており、新たな共同体主義の構築がいま必要だという思想です。
2016-02-11 14:13:353)前提の認識第2点、私は権力監視は必要だと考えますが、それは反権力とイコールではありません。「権力は全て悪という前提で接するべき」と仰いますが、では竹熊健太郎さんが支持される政党が政権を取った場合、それも悪になるのでしょうか? twitter.com/kentaro666/sta…
2016-02-11 14:14:09@PGERA_RX 「日本政府は全て悪であるべき」なのではなく、米国だろうが北朝鮮だろうが「権力は全て悪という前提で接するべき」なのです。
2016-02-08 17:01:154)本来、民主主義政体における権力=システムとはつねに相互作用の賜物です。為政者の独善だけでなく、それを支え時には反対し、時には介入する国民との相互作用によってシステムは成立している。つまり私たちもシステムの一部である。
2016-02-11 14:14:355)ヒトラーのナチスドイツがワイマールという民主主義体制下から生まれてきたことや、日本で多くの国民の賛同によって太平洋戦争の戦端がひらかれたことは、為政者と国民の相互作用によってシステムが運用されていることのひとつの表れです。
2016-02-11 14:15:136)しかし戦後、なぜか民主主義の中で権力=システムを「自分たちではない異質なもの」と捉える見方が登場した。これは特に日本に顕著ですが、これについては2012年の拙著「『当事者』の時代」で詳細に論じました。
2016-02-11 14:15:337)簡単に説明するのであれば、戦後の工業化と高度経済成長の時代状況では、政治が相対的に軽くなったことがあります。当時「経済一流、政治二流」という言葉があり、経済成長が元気よく駆動し、米国の安全保障の傘下に保護されていた間は、政治は政局報道を中心とした単なるエンタメでも充分だった。
2016-02-11 14:16:128)エンタメであった戦後政治に対しては、反権力というポーズを取っていることがカッコ良かったということもあるでしょう。実際、戦後左派の勢力のひとつであった社会党は国対政治で自民党と手を握っていたことはその後明らかにされています。それはマスコミ業界でも周知の事実だったわけで。
2016-02-11 14:16:569)昭和の時代は「反権力を訴えていたから社会がうまくいっていた」のではなく、「社会がうまくいっていたから、反権力を訴えているだけでも特に困らなかった」ということですね。権力と反権力の戯れのようなものです。
2016-02-11 14:17:1010)しかしそうした牧歌的な時代は終わり、グローバリゼーションと近代の終焉によって経済成長がきわめて難しくなってきている。米国の世界警察からの撤退の動きにより、国際秩序も揺らいできています。
2016-02-11 14:18:2711)この時代状況で、私たちは権力=システムとどう向き合うのかという認識のありようをもう一度再構成しなければならない。反権力を声高に言っているだけでは、何も進みません。反権力を言うだけの人に対し「代案を示せ」という批判が増えてくるのは当然のことです。
2016-02-11 14:18:3912)もう一度再定義すべきことは、民主主義政体においては、われわれも権力=システムの一部である。それは選挙だけでなく、われわれの日常のさまざまな活動や言論にも拠るのです。公権力に対しては賛同する時は賛同して支え、異論があれば反論し、自分たちが社会を担うのだという意識を持つこと。
2016-02-11 14:20:1713)もちろん、時には反権力も必要です。権力監視という意味ではね。しかし反権力・反安倍政権を訴えているだけでは、それは何も生み出しません。
2016-02-11 14:20:4514)ついでに付け加えると、ひたすら安倍首相をヒトラーになぞえたがる人たちは、ヒトラーが存在しなければナチスドイツの第三帝国も生まれなかったと思っているのでしょうか。安倍さんさえいなくなれば世の中がよくなると?
2016-02-11 14:21:0315)歴史はただひとりの個人によって生まれるのではありません。歴史はその時代の状況・背景、さまざまなパワーバランスにおける相互作用によってダイナミズムを生み出してくるのです。個人は小さな役割を果たすにすぎない。
2016-02-11 14:21:4616)歴史にイフを言っても意味ありませんが、かりにヒトラーがいなかったとしても、WW1後のドイツの悲惨な状況では同じような政権が生まれてきた可能性は充分にあるでしょう。
2016-02-11 14:22:0917)ヒトラーがいなければ、安倍首相がいなければ……と捉えている人は、ひとりの悪者が社会を悪くしているという認識なのだと思いますが、権力=システムを形成するのはひとりの個人ではありません。社会の状況と国民の行動や言論、政治家のリーダーシップが重なるところにシステムは生まれる。
2016-02-11 14:22:5518)以上です。まあ「アベ政治を云々」と言ってる人たちには届かないかもしれませんが……。良識的な思考を持つ人たちに届けたいわたしからのメッセージでした。
2016-02-11 14:24:05佐々木俊尚さま。ご回答、ありがとうございました。恥ずかしながら私は佐々木さんのIT関連の本を読んでいただけで、近著を読んでいませんでした。「当事者の時代」「21世紀の自由論 優しいリアリズムの時代へ」、ともにアマゾンで注文しました。 twitter.com/sasakitoshinao…
2016-02-11 14:31:45少し誤解があるようなので、私の政治的立場を表明しておきますと、私は、これまで政権与党に投票したことが一度もありません。必ず野党に投票します。与野党伯仲の状態が政治として一番「まし」と考えるからです。与党に歯止めがかけられるからです。 twitter.com/sasakitoshinao…
2016-02-11 14:34:56それから、私は安倍晋三首相が大嫌いですが、ご指摘の通り、別に安倍が首相にならなくとも、「代わりのにたような誰か」が首相の座についている可能性もあると考えます。だからこそ「権力監視装置」としてのマスコミの役割は重大ですが、 twitter.com/sasakitoshinao…
2016-02-11 14:37:20今は、マスコミの社長や会長が安倍首相と個人的に会って銀座や赤坂で飲食するような時代です。これは、私はマスコミ・ジャーナリズムの堕落だと考えます。それはともかく、私が佐々木さんにお聞きしたいのは、安倍政権になってから起きた特定機密保護法、解釈改憲とそれに基づく安保法制、盗聴法改正、
2016-02-11 14:42:47これら一連の動きは、私はファシズムの始まりではないかと警戒しているのですが、これら安倍政権の政治的動きについてのご見解をお伺いしたいと思います。特定機密保護法、解釈改憲、安保法制、盗聴法の改正に、佐々木俊尚さんは賛成しますか、それとも反対ですか?@sasakitoshinao
2016-02-11 14:49:01