平川秀幸さんの遺伝子組み換え生物に関するtweetまとめ
とりあえずマレーシアのGM蚊放出実験の関連重要リンクは以上。あとは、これらをざっと見ての感想というか愚痴w。
2011-01-29 02:48:51一昨日くらいにつぶやいた農水省によるGM大豆パブコメに対するNGOのアクションの話。(ウェブマガジン『オルタナ』の記事「遺伝子組換大豆、新たな承認に不安」を参照: http://bit.ly/dQqEWg )
2011-01-29 02:56:59このパブコメアクションにはいろいろ問題点を指摘できるんだけど、最大の問題点は「エビデンスベースの勝負」を避けてしまっている(蔑ろにしている)こと。そもそもGM大豆の承認が今回初のことであるかのように装い、それによって危機感を煽るかのようなやり方はまずい。
2011-01-29 03:00:11このパブコメアクションにはいろいろ問題点を指摘できるんだけど、最大の問題点は「エビデンスベースの勝負」を避けてしまっている(蔑ろにしている)こと。そもそもGM大豆の承認が今回初のことであるかのように装い、それによって危機感を煽るかのようなやり方はまずい。
2011-01-29 03:00:11「これはユダヤの陰謀」なんていうトンデモ・ツイートまで見かけたが、そこまで行かなくても、オルタナの記事でさえ、「TPP参加と軌を一にするかのようなタイミングでの今回の承認の動きに対して」なんてことを書く始末。
2011-01-29 03:02:23ちなみに「大豆の承認なんてずっと前からしてる」という幾つかのツイート(おいらのも含む)により、オルタナの記者さんも気づいたようで、その件、ツイートしたうえで記事タイトルを修正したようです。でも「TPP云々」の文言残ったままなのは不味くね? http://bit.ly/f8EwoM
2011-01-29 03:04:29これに対しペナン消費者連合やGeneWatch UKはどうか。特に前者がベースにしている後者は、エビデンスベースでの勝負、つまりGMAC/NBBのリスク評価の科学的妥当性を検討するという正攻法をしっかりとっている(リンク先PDF)。http://bit.ly/g71yEE
2011-01-29 03:12:18社会運動の方法として、センセーショナルなキャンペーンを仕掛けるというのは勿論ありだ。しかしリスク評価に基づいて行われる承認に関するパブコメのように、第一義的にはエビデンスベースで論じるべきものに対し、感情ベースだけでやるのは徒労感しかない。
2011-01-29 03:15:50役所の担当者からすれば、何百通、何千通コメントが集まろうと、「ご指摘の点は評価の審査の中で十分に議論されたと考えます」とか「今回はリスク評価に対するパブコメですので、ご指摘の点は対象外と考えます」と書いて終わり。なーんの効果ない。書いてくれた市民の行為は無駄になってしまう。
2011-01-29 03:19:09個人と国家の間の中間団体としてのNGOが本来やるべきことは、人々の不安など「情念ベース」の思いを、政策立案者や科学者に通じるエビデンスベースの戦術で武装し、言葉を翻訳することではないか。たとえばGeneWatchがやってるのはそういうことである。
2011-01-29 03:22:00ちなみにペナン消費者連合のサイトを見て、なるほどなーと感心したのは、ちゃんと英語でも発信してること。そうすることで、ぼくのような他国の人間も読めるし、さらにはGeneWatchのような先進国のNGOの連携だけでなく、その支持者へのアピールにもつながり情報や支援も集まる。
2011-01-29 03:25:20ところが日本のNGOの場合、GM問題関係に限らず、エビデンスベースの勝負に必要な科学的な専門性と、英語による情報発信など国際的発信力の両面で、かなり弱い。ただし、この点も含めて、ここまでつぶやいた問題点は、NGO単体に帰着できるものばかりではない。
2011-01-29 03:28:48ちなみに今回のパブコメ・アクションを率いたPARCは、本来のフィールドである南北問題や自由貿易問題での分野では、日本を代表する専門性と実績をもつNGOです。英語での発信もしてますし、ぼく自身もPARCの出版物には色々お世話になってます。だからこそ今回の件は非常に残念に思うのです。
2011-01-29 03:35:07そしてその「残念さ」は、さっきも書いたように「日本」のNGO一般に共通する問題で、その原因はNGOの側だけに帰着できるものではありません。
2011-01-29 03:37:11たとえば、多かれ少なかれ誰でも知ってる通り、要するに日本のNGOはお金がありません。だから専門性のある人材を専任で雇用したり、自ら調査・研究をするような余裕が無い。そのため実績がなかなか積めず、ゆえに支持者も増えない。日本社会の寄付の制度・文化の弱さも相俟って、この悪循環が続く。
2011-01-29 03:40:02それと「エビデンスが必要な勝負に情念ベースで望む」ことの問題については、そもそも情念ベース、あるいはもっと総合的な観点からテクノロジーの社会的是非を検討し、普通の人が政府や科学者に意見を言えるテクノロジーアセスメントの回路が、この社会にないという問題が指摘できます。
2011-01-29 03:44:13いいかえると、現行のパブコメの制度は余りに狭いということです。そこには、カルタヘナ法では生態系的安全性、食品衛生法では食品安全性という、GM作物の妥当性を評価する枠組みとしては、非常に狭い窓しか開いていません。倫理的問題や経済的問題なども含めて多角的に検討する回路はありません。
2011-01-29 03:48:10たとえばPARCのアクションに寄せられた740の声。そこに込められた問題意識や思いを互いにぶつけ合い、考えあい、それを社会の意思決定に結びつけていく回路がない。それらの声はエビデンスベースの土俵には乗りにくくても、無意味だというわけではなく、それ相応の土俵を用意すべきなのです。
2011-01-29 03:55:27あともう一点。NGOの専門性の不足(PARCさんの場合、GMの審査に関してはそれが足りなかった)に関しては、自分自身も含めて、大学人の関与不足も大きな問題点。フルタイムでなくても、パートタイムでプロボノ的にコミットできれば、かなり助かるはず。
2011-01-29 03:59:03ただ大学人もかなり忙しいし、ますます忙しくなってきている。とくに一番「エビデンス勝負」に必要な理系は大変。怠け者の自分の場合ですら、30代の頃は、たとえば9.11直後はイラク反戦キャンペーン関連のウェブベースの活動に加わり、サイト運営や翻訳仕事を分担したりする余裕があったのだが。
2011-01-29 04:02:32最後にこれを紹介してお仕舞。RT @i2ta: I2TA第3回公開シンポジウムのご案内: 公開シンポジウム「テクノロジーアセスメント(先進技術の社会影響評価、TA)はどのように政策や社会に貢献できるか?」... http://bit.ly/dJtGP9
2011-01-29 04:06:20