映画版『ちはやふる <上の句>』レビュー(cdbさん)

cdbさんによる、映画『ちはやふる<上の句>』(小泉徳宏監督・脚本)のレビューです
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リンク chihayafuru-movie.com 映画『ちはやふる』公式サイト “競技かるた”に懸ける少女の≪情熱・夢・恋≫を感動の二部作で描く、青春超大作!映画『ちはやふる』<上の句>3.19<下の句>4.29 二部作連続公開!

プロローグ

CDB@初書籍発売中! @C4Dbeginner

大評判映画『ちはやふる』をやっと見てきました。坂田三吉を描いた1948年の映画『王将』は「将棋など映画になるものか」と疑う映画会社の反対を押し切って敗戦後の日本を勇気づけた日本映画の名作だけど、『ちはやふる』は百人一首を青春映画に高めた21世紀女子高生版『王将』のような映画でした

2016-03-25 16:55:58
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王将と言えば「吹けば飛ぶよな将棋の駒に~」で始まる村田英雄の主題歌が有名だけど、Perfumeが主題歌「FLASH」を歌う「ちはやふる」の主人公、綾瀬千早は文字通りかるたの札を壁まで吹き飛ばす。この百人一首バトルを演じる広瀬すずの電光石火のアクションが前評判を遥かに超えて凄かった

2016-03-25 16:56:28
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広瀬すずと言えば「ポカリスエットが似合う涼やか美少女」というイメージでしたが、「ちはやふる」の広瀬すずは熱い!どちらかと言うと粉ポカリを袋食いした後に水道水をガブガブ飲んで胃袋で帳尻を合わせるタイプです。広瀬すずどころか広瀬ホットであり、広瀬ジェットな演技を見せてくれています。

2016-03-25 16:56:58
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漫画原作では映画「るろうに剣心」の斬新な殺陣が記憶に新しいけど、「ちはやふる」が描く競技百人一首の試合、「静から動へ」の一瞬の動きはまるで居合剣士のような緊迫感で、もはや「殺陣」と呼びたいレベル。そして閃く手刀が畳を叩き払うズドン!という音響はまるで西部劇の決闘に轟く銃声のよう。

2016-03-25 16:57:31
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そして女房子供を泣かせて将棋に没頭した坂田三吉と対照的に、「ちはやふる」の天才百人一首選手・綾瀬千早の周りでは、ある男子は勝負に敗れ、ある男子は恋に破れて泣くことになる。「ちはやふる」は実は、一人の天才少女をめぐる多くの男の子たちのハートブレイク男子青春失恋群像ムービーでもある。

2016-03-25 16:58:12
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そんなわけで「映画ちはやふる、ここが素晴らしい」を連続ツイートしていきます。言っておきますが全部で40ツイートを超えます!

2016-03-25 16:58:40

『ちはやふる<上の句>』レビュー

①広瀬すずの「全力」

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『ちはやふる』ここが素晴らしい①「広瀬すずが完全に振り切れている」 まず何よりこれ。 かるたアクションの切れは言うまでもなく、天才少女ちはやの才能を「天才に何ができるか」だけでなく「天才には何ができないのか」で表現している。端的に言うとかるたフォレストガンプ。百人一首レインマン。

2016-03-25 16:59:35
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かるたバトルでは身体が半回転するほどのフルスイングで文字通り振り切れた演技を見せ、試合が終わる瞬間に低血糖で白目を剥いてぶっ倒れる広瀬すず。新入部員獲得の全力疾走シーンでは、半泣きで逃げる奏役の上白石萌音を狂った笑顔で追いかける広瀬すずの肉食ダッシュが見られます。トラウマ映像。

2016-03-25 17:00:08
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「女の子らしく走るってことは、できるだけ速く走ること」 というCMがありましたけど、『ちはやふる』の広瀬すずはマッハで走ります。陸上走法とも『内股走り』とも違う脳汁全開走法。あえて言うなら「決闘高田馬場」の阪妻走りの如き疾走感。 spotlight-media.jp/article/366231…

2016-03-25 17:00:39
リンク Spotlight 「女の子らしくしてみて」の問いに小学生の女の子が見せた意外な行動とは? アメリカの一般消費材メーカーP&Gは、生理用品ブランド「Always」で行なっているキャンペーンの一環としてある実験を行ないました。
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「モデルの姉を持つ、可愛いのにモテない妹」という設定も、広瀬すずのレッドゾーンまで振り切れた演技によって「はい私はこう見えて結構な百人一首アルジャーノンですよ。恋愛感情を抱くのはパチンコ台と間違えて郵便ポストに万札を突っ込むレベルの暴挙ですよ」という危険な説得力が漂っています。

2016-03-25 17:01:05
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でもトム・ハンクスやダスティン・ホフマンの演技がそうであるように、主人公・千早の行動は、実はすべて『魂の理由』に裏打ちされている。それは広瀬すずの演技に少しでも緩みが出たら一瞬で嘘に見えてしまうことで、「普通ではない子のリアリティ」は広瀬すずの演技の熱とエネルギーが支えたと思う。

2016-03-25 17:02:03
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漫画原作映画の成否はリアリティの構築が生命線なんだけど、広瀬すずのバットを振り抜いた演技は「こういう普通じゃない子は確かにいる。それはとても変だけど、嘘ではない」ということを観客に信じさせる力を持っている。たぶんそれは広瀬すずが実はとても「熱い」女優であることの証明だと思う。

2016-03-25 17:02:30
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正直映画を見るまで僕の中に「千早=広瀬すずはちょっとイメージ違わない?広瀬すず可愛いけど、何かクールな現代っ子って感じしない?」という先入観は あったんだけど、完全にそれは外れで、映画の中の広瀬すずはものすごく熱く激しい演技で千早を見事に演じていた。みなさんにも是非驚いてほしい。

2016-03-25 17:03:50
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映画の宣伝とかにバラエティ番組を回る広瀬すずって必ずしもハイテンションではないけど、スクリーンの広瀬すずはテレビとは全然違う。「本当のことは歌の中にある」というのは斉藤和義の『歌うたいのバラッド』の歌詞だけど、たぶん広瀬すずは本当のことは映画の中にあると思っている人なんだと思う。

2016-03-25 17:04:19

②野村周平の「神様に見放された自分」

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そして『ちはやふる』ここが素晴らしい② 「普通ではない女の子」ちはやに恋する真島太一を演じる野村周平の演技が素晴らしい。競技百人一首というのは男女差があまりない男女混合競技なんだけど、綾瀬千早は明らかに真島太一にない天性の才能を持っている。その才能の輝きに立ちすくむ少年を好演。

2016-03-25 17:04:46
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勉強もスポーツもできるイケメンだけど、千早や新のような才能を持たない普通の高校生である真島太一の「自分がいつ神様に見放されたのか分かっている」 「俺は卑怯なやつだ」という言葉は、思春期の少年が才能あるガールフレンドに対して感じる引け目やコンプレックス、劣等感を良く表現している。

2016-03-25 17:06:10
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『ちはやふる』の観客は何よりも広瀬すず演じる千早にKOされてしまうのだけど、実はこの映画の影のテーマはその千早の才能と輝きの前に心を折られる男子たちの傷心群像劇でもある。実際男子高校生のハートを傷つける事に関して、広瀬すずよりも残酷で効果的な大量破壊兵器がこの世にあるだろうか?

2016-03-25 17:06:45
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野村周平のヒューマンな演技は、イケメンな男の子の中にあるどうしようもないかっこ悪さをとても良く表現しているし、だからこそクライマックスの試合中に真島太一が千早にかける言葉、千早の才能を解放する魔法の言葉はどこまでもかっこいい。「上の句」はある意味では真島太一の物語になっている。

2016-03-25 17:07:12

③真剣佑の「オーラ」と④小泉徳宏監督の「演出」

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『ちはやふる』ここが素晴らしい③ 綿谷新を演じる真剣佑が素晴らしい っていうかただ者じゃないオーラ出まくってると思って鑑賞後に調べて見たら千葉真一が父親なのかよ!びっくりだよ!空手バカ一代主演男優の息子がかるたバカ一代の助演男優かよ!だじゃれです。でも本当にオーラが出ています。

2016-03-25 17:08:01