バス製造メーカーの話から始まった業界再編の考察

拙作としてまとめたバスの車体専門のメーカーの話を茶番形式まとめたところ、反応を頂いた2人の方々を交え、業界再編の流れで起こったことの背景を考察したリプの応酬に。 そのあたりをまとめてみました。
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スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

60年代以降、日本で売られているリアエンジンバスは基本的に殆どがフレームレス車である。これは即ち、車としての強度保持をフレームだけでなく、上に載せているボデーまで含めて「箱」として保っている、という事を意味する。つまり、同じ型式でも上のボデーが変わると実質別のモデルという訳ね。

2016-04-22 22:12:44
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

そうなると、例えば同じ三菱のシャシを使っていてもあそこは軽いが強度がいまいち、あそこは頑丈だが重い、とかまぁそういう事になる。そこは各事業者の好みが反映される部分でもあったわけだが、でもよくよく考えてみれば、「軽くて頑丈で安い」選択肢があればそれに越したことはないわけで。

2016-04-22 22:14:16
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

シャシの構造は各メーカで当然結構違うわけだが、そこを同じボデーでなんとかしようとすると、やはりどうしても無理が出る。ボデーが単に「乗せてあるだけ」なら問題はそこまで大きくないわけだが、車の強度部材として機能させなきゃならん以上、どうしても無駄な部分が発生してしまう。

2016-04-22 22:16:19
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

シャシメーカとしては自分のとこの車を更に売り込みたい、そうするには性能向上が必須である。で、強度であったり軽量さであったり、シャシを含めた一体開発すればいいんじゃない?となったのが、77年の日野スケルトンであり、82年のエアロバス、と。

2016-04-22 22:18:11
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

実際にはスケルトンやエアロバスは従来の構造をかなり踏襲していたから結局は「ボデー屋」に投げる部分も結構出てしまったわけだが、ボデーまで一括して作る純正とボデー屋が架装する車の実力差、この辺りからジワジワとついていくわけだ。

2016-04-22 22:20:10
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

ここでボデー純正化の波に辛うじて乗れたのが、川重から身売りしたIKコーチ。川重の場合は70年代から既に採算が危うく、80年代には危険水位に達していたことでいすゞへの身売り&直系化に抵抗がなかったのね。まぁモデルとしては10年ほど爆死を続けるが、90年代末期に漸く立ち直る。

2016-04-22 22:23:32
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

川重は川重のままで居たら恐らく90年代の需要減退期にそのままフェードアウトしただろうし、元々「富士重だから」で勝負出来ていた富士重はこの段階だとシャシメーカ直系になる意味も無かったわけね。西工は……正直、そういった業界再編の枠組みに入ってすらいない。

2016-04-22 22:26:46
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

西工へのシャシ供給は90年代に入った辺りでじわじわと進みつつあり(日野がフルデッカの供給しなかったりとか)、この段階で既にメーカとしては縮退期に入っている。この段階でシャシメーカの傘下に入るか、開き直って自分で「自動車」を作れるようになるかしか生き残る道は無かった。

2016-04-22 22:32:57
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

でも、90年代にどこがあるんだろう。日野…はそもそも既に帝国-金沢系の日野車体が居る、三菱も言うまでもない、いすゞは旧川重が形になった。日デ、「超老舗」の富士重を押しのけられるとでも?ということで、西工「下請けボデーメーカ」の枠から出る事は、この時点で不可能に近かった。

2016-04-22 22:34:55
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

あるとすれば、景気の良かった80年代の時点で自前で「自動車を作れる」ようになっておく、エンジンやアクスルは買ってくるにしても、ちゃんと自前でシャシと一体開発したボデーを作れる体制を作れていれば。無論、「作れば売れる」だった当時にそんな発想が出てくる訳もなく。

2016-04-22 22:37:10
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

80年代までは確かに純正ボデーの性能も大したこと無く、実際使い勝手面で考えぬかれた構造の西工が存在する余地は沢山あった。しかし、その点で純正が追随、どころか追い越す部分も出て来ると、シャシに最適化された構造ではない西工の弱みが一気に吹き出てくると。

2016-04-22 22:43:18
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

「あったらいいねこんな機能」も「安く上がるなら別にこれでいいじゃん」と仕様標準化が進み(寧ろ遅すぎた)、車としても明らかに差がつく。90年代に入ってからは明確にこの流れだった訳だけども、ここから20年西工が持ちこたえた方が、正直不思議だったりする。

2016-04-22 22:46:12
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

まぁそんなこんなで、西工が消えたのは陰謀とか策略とかそういうくだらない話じゃなく、単に「役割をとうに終えていた」だけなんじゃよ、と。ボデーという「部品単位」で明確に勝負出来る時代は、とうの昔に過ぎ去っていたのだ。

2016-04-22 22:59:34
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

大型車ゆえの「多少の出来の差なら今までと似たようなのを」と慣例を大切にする法人ユーザ故の特性でもある訳だけど、明確なメリットが無い以上は事業としては先細るしか無い。良くも悪くも「超固定ユーザ」西鉄が居たからこその延命であり、その西鉄も「西工の存在」には大して拘っていない。

2016-04-22 22:50:03

■少数の熱心なユーザーが生きながらえさせたというご意見

北天 幻龍 @hokuten5

@kado_busdev 3大西工信者(西鉄バス・阪急バス・京都市交通局)が、適度に飼い慣らすことで長らえさせたという説。

2016-04-22 22:48:25
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

@hokuten5 それでなんとかなる商売という時点でどこまで商い小さいんだという感じですが、ほんとその通りなんですよね。で、それでは先など有り得ないわけで。。

2016-04-22 23:08:24
北天 幻龍 @hokuten5

@kado_busdev 設備投資も三大信者+α分を作れば事足りる程度でしたからね。富士重工撤退による西工への統合と聞いたとき、東日本エリアでも西工が見られると思った反面、製造ラインが追いつくのかという予感がしてました。(見事的中したわけで)

2016-04-22 23:18:35
スズカさん脈のボリューム気をつけてください(B70) @kado_busdev

@hokuten5 日デ分だけならなんとかなるレベルではあった筈なんですよね。ただ、三菱と組むとは日デ自身が想定していないことでもあり…

2016-04-22 23:22:13
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