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hana343664
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花*
@hana343664
通勤電車で会う彼は、毎朝スマホも見ず文庫本を読んでいる。今読んでいるのをさり気にチェック。うん、昼休みに本屋さんへ行ってこよう。 そうして私は買ったそれにブックカバーをつけてこっそり一緒に読む。我ながら気持ち悪い。でも恋する乙女なんか、みんな気持ち悪いものなのだ。#twnovel
2016-03-06 23:54:43
花*
@hana343664
月曜日。天気は雨。 …万歳！#twnovel また一週間が始まる憂鬱な月曜日も、彼に恋してからは土日はとばしたいほど。 そして雨だと彼が同じバスを利用する。誰より早く「おはよう」と言葉を交わせる。 髪がどうにもまとまらないけど、気にしない！ お気に入りの傘をさして、いざバス停へ。
2016-03-07 10:07:36
花*
@hana343664
約束の時間まであと1時間。待ちきれず来てしまった。待ち合わせの場所から少しだけ離れた場所でメッセージを送る。 『寝坊したw』『ヲイw』『2時間遅れるw』『ざけんなw』 なんてやってたら最後に 『前見てみ？』 「え？」 道路挟んだ向かい側に、彼。約束まであと45分。#twnovel
2016-03-09 23:41:33
花*
@hana343664
「小さい頃に人工知能のチップ入れられたんだ」 額の小さな傷のことを訊かれそう答えた。 我ながらつまんないこと言ったな、と思ってたら彼女は興奮気味に 「だから頭よくって運動できて顔もいいんだ！」 「…顔？」人工知能で？#twnvday ──うん、彼女のこういう所が好きだったりする。
2016-03-14 21:07:11
花*
@hana343664
「ミー？」鈴の音がして振り返る。学童で一緒の女の子。考えてみたらうちの猫がここにいるわけがない。 あの子が動く度にちりんと鳴る。首に下げてる鍵に小さな鈴がついてるのだ。鳴る度にミーを思い出す。ちりん。#twnovel ちりん。いつからかミーの鈴であの子を思い出すようになっていた。
2016-03-16 08:58:31
花*
@hana343664
@hana343664 男子の一人称のつもりだったけど一人称が出てきてなかったなあと。 私のツイノベ読みなれてる人ならきっと男の子目線だろうなと思ってくれるだろうけど、大人の女性視点とかも有り得なくない。 私だけがわかってるんじゃだめだな。肝に銘じようっと
2016-03-16 21:36:37
花*
@hana343664
「ミー？」鈴の音がして僕は振り返った。そこには学童で一緒の女の子。うちの猫がここにいるわけない。 あの子が動く度にちりんと鳴る。首に下げてる鍵に小さな鈴がついてるのだ。鳴る度にミーを思い出す。ちりん。#twnovel ちりん。いつからかミーの鈴であの子を思い出すようになっていた。
2016-03-16 21:40:37
花*
@hana343664
「パパのお小遣い減額します」 「えっ」 「あーちゃんが習い事したいって」 「えいごとピアノとスイミングとバレエとたいそう！」 「何その数」 「えいごはコウくんといってピアノはゆめちゃんとであとは」 「二つとかじゃダメなの…」 「やだ！ぜんぶ！ぜんぶやるの！うわあん！」#あーちゃん
2016-03-18 20:57:39
花*
@hana343664
卒業式。彼にネクタイをくれとお願いした。 「おおお弟が。使うから」 架空の弟を思い浮かべる。何つー言い訳だ。 「いいよ。じゃ俺にもリボンくれ。妹が使うから」 「えっそうなんだ。いいよいいよ、はい」 そうしてにこやかに交換した。#twnovel のちに、彼にも妹はいないことを知る。
2016-03-19 22:39:31
花*
@hana343664
息子が卒業式で好きな女の子にネクタイをあげてしまったらしい。3つ下の弟に使うとあれほど言っておいたのに。 しかし女子のリボンを手にニヤついてるのを見ると、まいっか、とも思う。 そして弟に言った。 「あんたあのリボンして中学通いなさい」 「ヤダよ！」「ダメだ！」 兄弟の声が響いた。
2016-03-19 23:02:15
花*
@hana343664
「悲しいお知らせです。あーちゃんお熱出ました」 「ええっまさか先週の俺のインフルA感染った！？」 「氏ね」 「うわあああーちゃんごめん！俺が看病する！」 #あーちゃん 「検査の結果あーちゃんインフルBでした」 「えっ」 「どこからもらってきたのかなー」 「あれ？俺なんか悪寒が…」
2016-03-24 16:43:03
花*
@hana343664
告白もできないまま先輩は卒業した。 後ろ姿を見送りながら泣く私に彼が「ほれ」とハンカチを差し出す。有難く拝借したけど、でもこれ全然涙吸わないんだけど。やけに綺麗だし。 #twnovel どうやら絶対泣くであろう私のために、昨日新品3枚も買ったらしい。 悲しい可笑しい温かい。春だ。
2016-03-27 08:34:30
花*
@hana343664
送別会はお開き。春の夜を酔っ払いたちは賑やかに歩き、元気でなーと各々の帰路へ一人二人別れていく。 そうして残った彼と私。暫しの沈黙後、近づく顔に。#twnovel 「あの私、キスとかしたら好きになっちゃうと思うんだけど？」 「別にいいと思うけど？」 いいのか。と私はそれを受けた。
2016-03-28 22:17:10
花*
@hana343664
別れよう> <わかった え、嘘だよ今日4/1じゃん> <4/1は昨日。今日2日 何言ってんの1日だよ俺のスマホも時計も1日だよ> <私のスマホも時計も2日ですけど。とにかく了承しました #twnovel 何かわからんがヤバい！超焦って彼女の元へ走る。 「ハイ4月ばか～」やられた。
2016-04-01 11:46:56
花*
@hana343664
最初は中1のときだ。「すき」と言われ、困ってたら「うそだよ」と笑われた。マジ頭にきた。その次の年もやられた。次の次の年はもうひっかからなかった。そして。#twnovel 「留学先からまで電話してくんなよ！」 すっかり恒例である。 でも時差でこっちは2日なんだけど。わかってんのかな
2016-04-01 11:55:00
花*
@hana343664
春休みが誕生日なんて大抵みんなに忘れられてる。学年の変わり目だから何かリセットされちゃうし、夏休みや冬休みが誕生日の子より絶対損してる！ って思ってたんだけど。#twnovel 「お前いい時期に生まれたよなあ」 彼と桜を見上げながらビールを煽る。 うん、いい季節に生まれたよ、私。
2016-04-04 18:10:36
花*
@hana343664
前髪を切りすぎた。学校でみんなに大笑いされた。 「見慣れてないからだよ！ずーっと見てれば見慣れる！」 と一番笑った奴の顔をぐいっと捉え視線をばっちり合わせる。 じーっと見つめ合ううちに彼が段々顔を赤くした。 「げ、ゲシュタルト崩壊…」 違う！そこは可愛いって言え！#twnovel
2016-04-07 01:09:38
花*
@hana343664
4月。始業式。緊張のクラス替え。 彼の名前を必死に探す。 ──1組かあ。 そうして自分の教室へ入ろうとして。 「あっ自分のクラス見るの忘れた！」 友達に爆笑されて慌てて掲示板に戻ろうとしたら当の彼が 「お前も1組だったよ」 「あ、ありがと…」 ん？何で知ってるの？#twnovel
2016-04-07 01:10:57
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@hana343664
一回り大きい制服の新入生たちが校門をくぐる。 その中で一際ぶっかぶかの制服を着た男の子。私は笑って「入学おめでとう」とその胸にリボンを付けた。 #twnovel 「こんな巨大化するとはね…」 「俺あのとき足だけは26cmだったから」 桜散る中、真新しい制服の子を二人で懐かしく見る
2016-04-07 21:26:19
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@hana343664
新入社員の歓迎会。実はザルなんだが無理矢理飲まされるのが嫌で下戸を装った。隣では1期上の彼女がどんどん酒を注がれている。でもこの人顔真っ赤なんだけど。#twnovel そっとコップを入れ替え、代わりに飲み干す。彼女が目を瞠った。「この件は内密で」それから彼女とは秘密の関係である。
2016-04-08 21:47:19
花*
@hana343664
中学に入学して2日め。朝読書用の本を持ってくるよう担任に言われ、気に入りの冒険ものを持っていった。そしたら周りはみんな文庫本。B6サイズのそれがすごく恥ずかしく感じた。 そんな気持ちを吹き飛ばしたのは。 「私もそれ読んでる！面白いよね！」 弾ける彼女の笑顔だった。#twnovel
2016-04-09 21:02:08