Weapon/#1 「イクシヴ」

アンドロイドな女の子達 @android_girls

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Type:Weapon Sex:Female Name:IXIV/A2 Era:C/Early

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Weapon/#1 「イクシヴ」

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私は銃を持っていた。弾はもうない。マガジンならたくさんある、変える気はないけど。もう疲れちゃった。その頃、彼女は剣を持っていた。剣を振っていた。剣を振って、女の子を切っていた。

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女の子のお腹に彼女の剣が触れるとロールケーキが切れるみたいにして柔らかく千切れて、中から星がたくさん出てきた。それから、クランベリーのジュース。それから、金属でできたアクセサリー。やっぱり女の子は可愛いものでできてるんだな。

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……私のお腹も、ロールケーキみたいに千切れるのかな。おへその周りをなぞりながら私はこの下にあるひだひだのついた穴とその奥にあるぷくっとした空洞について考えていた。ロールケーキにこんなの入ってないもんなあ。もっとクリームとかイチゴとか、そういうのがたくさん……

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……ロールケーキ食べたいな。クリームたっぷりで、甘くて、甘くて、甘いケーキ。フルーツは別でいいかな、酸っぱいのとかあるし……そっか。いっしょに食べちゃうから甘いのと酸っぱいのが混ざっちゃうんだし、別々に食べればいいんだね。

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フルーツは何食べよっか。みかんと、りんごと、桃と、さくらんぼも食べたいな。あとイチゴ。イチゴ。イチゴ。そう考えた瞬間に私の胸の奥の方がきゅんとして、お腹の奥が熱くなって、急にあったかい気持ちになった。唇をそっとなぞる。笑い出しそうだった。嬉しくて。

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……今日のエクシヴのちゅー、イチゴの味がしたんだっけ。

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うふ。うふふ。うふふふ。そうそう、イチゴの味。イチゴ。イチゴ！ はあ、幸せ。幸せだなあ。またちゅーしたい。終わったら絶対しよ。ちゅーして、ちゅーして、ちゅーする。するもん。絶対するもん。あー、大好き。エクシヴ、大好き。

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IXIV:ねえねえ

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無線通信でエクシヴ、つまり今剣を振って女の子をロールケーキみたいにしてる女の子に話しかけた。すぐに返事が返ってくる。そう、忘れちゃいけない。私の名前はイクシヴ。イクシヴと、エクシヴ。

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EXIV:どしたの？ IXIV:えっとね 大好き それだけ EXIV:？ IXIV:大好き EXIV:きこえないよー IXIV:だ！ い！ す！ き！

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EXIV:私も好きだよ IXIV:すき？ だいすき？ EXIV:決まってる IXIV:どっちなの EXIV:だいすき IXIV:あとでちゅーしよ EXIV:うん IXIV:ぜったいね

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EXIV:怪我とかしてない？ IXIV:ぜんぜん みんなやっつけてやったぜ！ EXIV:こっちもそろそろ終わるから終わったらそっち行くね IXIV:はやくはy[CONTACT][COMBAT MODE][AVOID][AIMMING]

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何かが走る音がした。そこから0.13秒。銃弾が私の腕を掠める。下手だなあ。もっとちゃんと狙わなきゃ。メインアームに弾は入っていない。装填するよりサイドアームで撃つ方が早いし楽。腰のホルスターから大型のリボルバーカノンを引き抜く。手頃な遮蔽物へ飛び込む。

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結構数が多い。面倒だな。リボルバーカノンの残弾は6。敵は……前衛2機、後衛3機。メインアームに弾を込めるのもアリか。こうしている内にも私めがけて銃弾が暴風雨のように飛んでくる。判断は素早く、冷静に。対装甲アサルトライフルを投げ捨てる。背部スラスターに点火。跳躍。加速。

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まず先行している機体を狙う。装甲は厚くない。十分打ち抜ける。スラスターを移動方向と逆方向に噴射。急停止。敵を見る。ついて来れてない。銃を構える。頭を狙う。トリガーを3回引く。

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バン。ズダン。ブラム。そういうふうな音とともに、アンドロイドを効率的に破壊するための弾丸が銃身から飛び出た。音速を超えるスピードで射出されたそれは、敵の女性型アンドロイドの顔へとまっすぐに飛び、殺意をむき出しにしたまま着弾した。

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敵の顔がゆっくりと歪む。着弾点を中心に顔がへこみ、弾ける。トマトを踏みつぶした時のように赤い液体と人工皮膚とその他金属パーツがぐじゃりと飛び散り地面を汚した。この間1.24秒。ああ、うまくいかない。エクシヴならもっと可愛く弾けさせられるのに。

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再度スラスターに点火を行う。もう一機の先行機へと接近。敵は剣を抜こうとしていた。遅い。勢いを乗せたまま蹴りを打ち込む。敵の右腕が捥げる。銃口を眉間へ接触させ一撃。無力化を確認。死んだ敵のボディを盾代わりにし、突撃。

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後衛の機体は自分の味方であったアンドロイドへの銃撃を躊躇っているようだった。バカだなあ、もう死んでるのに。死体と一緒に手近な機体へタックル。アンドロイド二機分の質量が驚異的なスピードで衝突することによるエネルギーは膨大だ。フレームの砕ける音。生きてる敵か死んだ敵のかはわからない。

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死んだ敵の胸越しに生きている敵の頭を撃つ。バキューン。間違いなく死んだだろう。残弾1。手に持った死体を近い方の敵に投げつける。避けない。ノロマめ。急接近。鼻と鼻が触れそうな距離まで接近。敵は怯えた顔をしていた。そんなに怖いことしたっけ。

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「大丈夫」

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ひとこと言って、銃撃。楽に死ねたと思う。残りの1機に身体を向ける。怯えていた。震えていた。銃の照準は定まっていなかった。なんだったっけ、人間の映画でこういう時に言うセリフがあったはず……そうだ。