親指シフトについての発言まとめ
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ここからややこしい話になっていくのですが(^ ^;)、JW-10より前のJISキーボードと、JW-10以降のJISキーボードでは、ある違いがあります。それは何でしょう?
2015-07-11 08:42:17答えは、キートップの刻印がカタカナかひらがなかです(^ ^;)。そうです、JW-10まではカタカナしか打てなかったので、当然、刻印もカタカナでした。ここから、現在に至るまで、基本的に(旧)JISキーボードの配列は変わっていません。
2015-07-11 09:11:43ここまで読んでこられた方の中には、なんとなく疑問が湧いてきているかとおもいますが(^ ^;)。「なんで、(旧)が付いたり付かなかったりするのか?」「(旧)というからには、新もあるのか?」と。 もちろん、事情をお知りの方も多いでしょうが、この説明はもう少しあとでします。
2015-07-11 09:25:12というわけで、今度はJISの説明です(^ ^;)。 JISとは、日本工業規格のことで、国家標準を定めているものと考えてください(^ ^;)。色んな分野があるので、一言で説明できないんです。ここではキーボードのみを考えます。
2015-07-11 11:42:34キーボードってこういうものだよね? ということを定めておけば、作る方も使う方も同じものを扱うから便利だし、最低限の機能は備えているだろうということです。とはいえ、これは強制ではないんです。JIS規格に合わないものは、売ってはいけません……という制限はありません。
2015-07-11 11:48:08だから、キーが一つしかなくて、1回押したら「あ」。2回押したら「い」。 3回押したら……(以下略)……なんてキーボードを作って売ってもいいんです(^ ^;)。もちろん、誰も買わないでしょうけど(^ ^;)。そんな無駄なことをしないように、JISは公開されています。
2015-07-11 12:33:27JIS規格は、一つ一つ番号がつけられ、分類されています。今現在もJISキーボードを規定している唯一のJISが、 『JIS X 6002-1980情報処理系けん盤配列』です。
2015-07-11 12:59:17「あれ? 1980って、JW-10が発売されたのは79年なのに、JISキーボードが付いてたって書いてたじゃないの?」と、疑問を持った方、惜しいです。JIS規格は、5年以内に見直して、確認、改正または廃止の判断をしなければならないことになっているんです。
2015-07-11 13:14:1080年には、OASYSを始め、他社からも様々な方式の(タブレット式とか、カナ2タッチ式とか……結局、淘汰されてしまうんですけどね)ワープロが出だしたので、見直したということでしょう。最初に制定されたのは、72年です。
2015-07-11 13:25:21去年の5月頃に書いた文章から、改めてツイッター用に短く書き直していますが、その中で私は、ワープロもなかった時代(72年)に作られた基準にいまだに縛られているのはおかしい……と考えていました。が、今回、IBMが64年にメインフレームでカナが使えるようにした事がわかりました。
2015-07-12 05:33:45つまり、64年にIBMが作ったキーボードが、72年にJIS認定されたという事になります。では、なぜ、IBMは、(旧)JISキーボードのような配列にしたのでしょう?
2015-07-12 05:38:29答えは、64年当時、カナのタイプライターがあって、それを流用したからです。と書くと簡単そうですが、断定する以上確認しなければ……と、調べてたらとんでもない事がわかりました(^ ^;)。
2015-07-13 09:22:27現在の視点から見ると、なんでカナしか打てないタイプライターが存在したのかわかりませんが、当時は結構存在していたらしいです。伊藤忠商事では、公式文書は全てカナタイプライターで打たれていたという資料もあります(当時ね(^ ^;))。
2015-07-13 09:26:33日本語カナタイプライターの話をするためには、カナモジカイの事を押さえておかなければなりません(^ ^;)。大まかに言えば、日本語は、漢字をやめて全てカナで書くべきだと主張する団体です。昔は結構影響力があって、横書きを左からにしたのも、この団体の運動のせい(?)なのか……
2015-07-13 11:13:19少なくとも、アメリカのメーカーまで行って、カナタイプライターを頼み込んで作ってもらったりしました。アルファベットの活字をカナに変えて、キートップの刻印を変えれば出来上がり(^ ^;)。だから、横書きで左から、でないと困るわけなんだろうと思います。
2015-07-13 11:17:32なんせ、その作ってもらった時期というのが、大正時代ですから(^ ^;)。これを知って、大正時代にできた配列が、JISキーボードに……という展開を考えたけど、実際は違ってました(^ ^;)。最初は、50音に近い感じだったのが、いろいろあって、細かく変化したらしいです。
2015-07-13 11:26:34詳しくはこちらを homepage1.nifty.com/tadahiko/GIMON… kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/%7Eyasuoka/pub…
2015-07-13 11:51:5150年代になると、キヤノンや東芝の前身(?)から、カナとローマ字(という事はアルファベット)両方打てるものが出ています。64年にカナタイプライターのキー配列をJIS化しようとしたけれどまとまらず、2方式が併記になっています。
2015-07-13 11:54:10そして、64年には、IBMからも電動カナタイプライターが出ていて、そのキー配列が、ほぼ現在と同じです。それがメインフレームの方にもつながったのだと思います。もしこの時、もう一方の配列が選ばれていたら、数字が2列目に入り、Aの列が3列目、Qの列が一番上という風だったかもしれません。
2015-07-13 12:06:02実は、64年当時、メインフレームの入力装置はキーボードではなく、パンチカードだったので、穿孔機のキー配列だったりします(^ ^;)。まあ、これでほぼ決まった感じですね。
2015-07-13 15:48:5169年からコンピューター用のキーボードのJIS化の検討が始まっていますが、国際規格のISOの方でアルファベットのキー配列を検討していたので、そちらが決まってから、72年に最初のJISキーボード配列が決まりました。当時はカタカナです。
2015-07-13 15:52:45だから、JW-10にも、JISキーボードが付いたいたわけです。この当時のJISキーボードというのは、これだけですから。東芝が作って売っていた方のカナタイプの配列とは違う方の配列が選ばれてしまいましたが、決まった以上は合わせるしかなかったのでしょう。
2015-07-13 16:18:03しかし、開発陣がJISキーボードに満足していなかったことは、なんとなく伺えます。なぜなら、JW-10には、当初からローマ字入力が用意されていましたから(^ ^;)。
2015-07-13 16:33:34考えてみてください、JW-10は630万円もするんですよ、カナタイプならキーを押せば印字されてしまいますが、複数キーを押して一文字確定という方式が使えるわけです。カナ入力だけしかなかったら、使い物にならないから、返品したいという人が出てきてもおかしくないと思います(^ ^;)。
2015-07-13 16:42:28もっとも、開発者はかな漢字変換の専門家なので、あまりキーボードの出来に問題意識を持っていなかったみたいです(^ ^;)。それに対して、もっと、日本語入力に適したキーボードを付けなければいけないと考えたのが、神田さんでした。いよいよ、親指シフトの話になっていきます(^ ^;)。
2015-07-13 17:20:30