中島智先生による御柱祭フィナーレフィールドワーク

神道的(農耕民族的)思考がいかに狩猟儀礼的(非農耕民的)思考を恐れ、どのようにしてそれを無力化し、調伏し、抑え込むか、あるいはどのように変形させることで同化・馴致するか、といった拮抗がまざまざと見えてくる。
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中島 智 @nakashima001

御柱祭フィナーレ、建御柱祭事の視察のため諏訪に向かっている。早稲田の中谷礼仁さんや茅野在住の超民俗学者、田中基さんと遭遇するかもしれない。ともあれ怪我人がでませんように。 pic.twitter.com/V6bwUJtspn

2016-05-03 10:10:23
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中島 智 @nakashima001

諏訪大社古絵図:下社および上社 そして上社の神体山:守屋山 yatsu-genjin.jp/suwataisya/zat… 「大工牛山因幡守長家、宮山の洞の中で潔斎禁足を百ヶ日、すでに御輿造終わり」 pic.twitter.com/45HfaKjzWX

2016-05-03 10:52:59
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中島 智 @nakashima001

御柱を先導する田辺長持保存会によるオカメ神輿。扇とオカメは女陰の象徴である。また彼女を揺らすのは炭焼衆である。まさに火処(ホト)てある。 pic.twitter.com/dtiCiIIltn

2016-05-03 14:53:14
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中島 智 @nakashima001

諏訪上社本宮から御柱を迎えに行き、再び社殿に寄港した舟神輿。かつて諏訪四社が諏訪湖畔だった頃、御柱を神舟で曳航した記憶がここに垣間見える。 pic.twitter.com/D1B5uTnhrU

2016-05-03 17:43:36
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中島 智 @nakashima001

諏訪の御幣はイナウの如く梶の木を削ったものである。そして上社神紋「諏訪梶の葉」。ちなみに狩猟文化の残る椎葉村でも御幣は梶の木から作られる。 geocities.jp/ookawauchi_iya… これは和紙による御幣の原型であろう。 pic.twitter.com/KfmHHF2BXm

2016-05-03 20:11:59
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中島 智 @nakashima001

諏訪では供物に梶の葉を敷き、または梶の木を供える。かつてカジノキの葉は、七夕の祭りに、歌などをこの葉七枚に書いて手向ける風習があった。梶の木星とは織女星の異名であった。s.ameblo.jp/wingofkimera/e… pic.twitter.com/xs3RV6Iprw

2016-05-03 21:54:53
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中島 智 @nakashima001

諏訪大社上社前宮、建御柱。諏訪人たちの誇らしい雄姿である。 pic.twitter.com/sv5f70om0S

2016-05-04 14:39:01
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中島 智 @nakashima001

御柱の新旧交代。六年間屹立した老体は製材所で静かに眠っていた。新たに屹立した御柱は傷まみれのまま少し浮ついた顔をしていた。 pic.twitter.com/NiBlhzI0x1

2016-05-04 19:18:21
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中島 智 @nakashima001

今日もオカメ扇長持に出逢った。昨夜、諏訪研究者に「オカメ以前に何があったと思う?それは曳行ルートを見れば解る。オカメ扇(ホト)以前に御柱が出会わなければならなかったのは諏訪湖だ。おそらく諏訪湖が縮小して彼女が化生したんだ」と話した。 pic.twitter.com/vV8loaiWMj

2016-05-04 19:29:07
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中島 智 @nakashima001

すると研究者は言った。「ショックだ。僕はホームズだと思っていたのに、ワトソンだったとは!」と。そこで返した。「君もホームズだと思うよ、見ているものが違うだけ。違うおかげで二倍もの見聞が得られるわけだよ」 pic.twitter.com/mQw0iYSrhL

2016-05-04 19:37:25
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中島 智 @nakashima001

諏訪御柱祭を見ていると、神道的(農耕民族的)思考がいかに狩猟儀礼的(非農耕民的)思考を恐れ、どのようにしてそれを無力化し、調伏し、抑え込むか、あるいはどのように変形させることで同化・馴致するか、といった拮抗がまざまざと見えてくる。

2016-05-04 21:36:38
中島 智 @nakashima001

ただし、その神道以前/以外の思考と神道的思考との拮抗が生みだす緊張感は、諏訪大社関係者以外の「諏訪人」たちからは感じない。当事者である彼らにとって、それは無意識化され、忘却の彼方へ昇華され、意識されるのは専らイベントとしての演出ばかりである。

2016-05-04 21:47:22
中島 智 @nakashima001

例えば、薙鎌は諏訪大社側にとっては魔除けである。これは往古は蛇の形象であったが鳥の形象に変わったと言われる。諏訪信仰の基層にある蛇信仰を、蛇の天敵である鳥で調伏したわけだ。かようにして土俗の神々は神道的思考によって去勢を試みられる。 pic.twitter.com/8KN8xWK0xu

2016-05-04 22:31:52
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中島 智 @nakashima001

というわけで、今日の諏訪探訪ではムロ、竪穴、洞窟を、ヤマト民族的な宗教施設(社殿など)によって、いかに覆い被しているか、あるいは社殿などによって覆い隠しながらも「解釈改憲」ならぬ「解釈改宗」によって引き継いでいるのかを、フィールドワークした。

2016-05-04 22:42:03
中島 智 @nakashima001

諏訪研究者から「貴殿は例えば美術作品その他においても同様に、表現されているものから潜在化されたものを視るのですか?」と訊かれた。そこで答えた。「勿論です。美術もそれらの拮抗で成立しているのですから。イメージの二次過程である『表象』を捉えただけでは、観たことにはならないのですよ」

2016-05-04 22:55:31
中島 智 @nakashima001

そして「私の民俗研究、文化研究の方法は、おしなべて美術から学び、美術によって身につけたものなのです」と。

2016-05-04 22:58:48
中島 智 @nakashima001

諏訪御柱曳行についての仮説として、もし見立ての一つに男茎があり、それが諏訪湖(ホト)と交わらなければならないとされていたのだとすれば、上社・下社ともに木落とし場の標高は800m近くであるはずである。古代諏訪湖面は800m弱であった。 pic.twitter.com/BYIOEYKJof

2016-05-05 01:32:05
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中島 智 @nakashima001

もう一つの見立てとして、曳行される御柱が大蛇でもあるとすれば、その曳綱はその眷属神もしくは御柱の本質をあらわす可能性がある。例えば下伊那郡松川町の御射山神社では蛇に見立てた4本の曳綱で御柱曳行が行われる。ゆえに薙鎌(鳥)に調伏させる pic.twitter.com/nvwCkiwHni

2016-05-05 01:44:44
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中島 智 @nakashima001

ミシャグジ dic.pixiv.net/a/%E3%83%9F%E3… 「菅江真澄が1784年に諏訪を訪れ御頭祭などを見て書き残した『すわのうみ』の中に、『御贄柱』と縛り付けられる大祝の少年のことが書かれている。」 pic.twitter.com/PDETOnjZti

2016-05-05 06:30:45
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八重樫克彦・由貴子 @katsyuki2

@nakashima001 信仰の対象だった蛇が、どの時点からか忌むべきものとなった。それは、東洋でも西洋でも同じですね。一方、いまだにその信仰を保っている人々もいる。どちらも興味深いです。

2016-05-05 06:38:17
中島 智 @nakashima001

シャグジについて柳田國男は『石神問答』で、石神を指すものではなく離く(サク)・塞ぐ(フサグ)といった境(サカイ)の性格をもつ神だと述べたが、そのサク・スクが「石」である例もある。その一例に沖縄のニールスク(根ノ石)があり、石を組めばグスク(組石=城)となる。

2016-05-05 06:44:13
中島 智 @nakashima001

ミシャグジ祭祀、一子口伝の秘法とその社祠一覧 tiny.jp/~arugacom/suwa… 「一年に七十五度の神事が、中世までは前宮と大祝の住む 神殿、そして冬季に掘られた竪穴である御室や十間廊、八ヶ岳山麓の御射山(現・諏訪郡富士見町) で行われました。」

2016-05-05 07:27:37
中島 智 @nakashima001

御射山社祭神事の特色 ・穂屋・薄を使って仮屋の壁をつくり、簡易宿泊施設をつくる。 ・鹿を贄として奉納する。 ・八島湿原の池七島を星に見立てて占いをする。 ・狩りをする。 blog.goo.ne.jp/shochanshochan… pic.twitter.com/w2Sud91wUC

2016-05-07 05:27:05
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中島 智 @nakashima001

諏訪湖も現在は護岸され、水門が出来ているが、本来は気候を反映して湖形が変化したはずである。御射山神事が興味深いのは、その湖形(七島の形状)を占いに用いたこと。しかも島を星に見立てたことである。星は湖面にもあり、舟は夜空にも浮かぶ。

2016-05-07 05:35:07