レズ鎮守府の中でモブに恋した響bot

レズ鎮守府でモブに恋した響bot(@mamiyakoi_hibik)のまとめです。 多くなってきたのでまとめを作ってみました。ツイート追加よりは遅まきに更新予定です。
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レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

あまり至りたくない考えにぶつかる。そうだ、間宮さんはまだ艦娘だ。私たちと同じ艦娘で…。じゃあ彼女は?提督と同じ人間だろう? ぬるい空気が自分の体にまとわりつき、緩やかに締め上げていく感覚に襲われる。 そうか、この世界、ひいては艦娘に対して横たわる疑問の鍵は…。

2019-06-07 07:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

いつっ…。 鈍痛。じくじくとした痛みが頭を襲う。まるで知ってしまうことに警鐘を鳴らすかのごとく、痛みが響いていく。 …、それでも。それでも私だけの問題じゃない、このままで終わっていいとは思いたくない……。 制服の袖に手を通す。洗い立てのいつもの服だけが私に安心感を与えてくれた。

2019-06-07 08:02:21
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「響さん、遅いですねぇ」 「まぁ仕方ないんじゃない?あの子も色々考えるところはあるんだろうし」 甘味処間宮の前。アイスキャンディを頬張る青葉と夕張。遠くで任務や遠征のない艦娘たちが思い思いの休暇を取っているのが見える。スイカ割りに興じたり、パラソルがポツンポツンと咲いていた。

2019-06-07 08:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「青葉」 「何ですか?」 青葉はうだるような暑さに少し影が差したように感じた。熱気にやられてさほど敵意は感じないものの、少し身構える。 「あなたは、響のパパラッチを続けるつもり?」 あぁ、そのことか。青葉は思う。あえてこちらの目を見ないのは穏やかに済ませたいからだろう。

2019-06-29 08:32:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「…うーん。どうなんでしょうね。少なくとも私は真実を発信したいんです」 「真実?」 「えぇ。犯してはいけない間違いを昔、してしまった。それで実際に誰かが犠牲になった。それだけは何となくわかるんですよね。真実を捉え、発信できていれば起こりえなかったことでして」

2019-06-29 09:02:19
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

青葉の口から離されたアイスキャンディがゆっくり形を変えていく。少し憂いを宿した青葉の瞳は溶けかかるそれにも構わず遠くを見ていた。 「……そう。まぁ、そうなんでしょうね。あなたがそういうものを追っているときの執念は普通じゃないもの」 少し納得、いや安堵したように夕張は息をついた。

2019-06-29 09:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「私にも何故ここまで執着するのかはわかりません。でもこの想いだけはなくしてはいけない。それはすごく思うんです。おおっと」 暑さに負けかけたアイスキャンディを慌てて口に頬張った。 「きっと何か深い訳でもあるんでしょう。それこそ私たちが生まれたのと同じくらいに、ね」

2019-06-29 10:02:21
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「そうだと思います。そしてこれも、きっと真実を見定めなきゃいけないタイプのものなんだろうと思います」 「そこまでわかっているのなら、いいわ。安心した。でもね、青葉…」 「はい?」 「“天龍タジタジ!?龍田の夜の手管とは”」 「ぶはっ!次の記事にしようとしたタイトルを何故…」

2019-06-29 10:32:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「これを龍田さんに見せたらどうなるんでしょうね?」  青葉の瞳に突き付けられた夕張のアイスキャンディがきらりと映る。 「あややや!!それは!!」 目を白黒させる。勝敗は明らかだった。 「…あなたは本当に仕方ない子よね」 くすりと、夕張が笑った。間宮の風鈴がちりんと揺れた。

2019-06-29 11:02:19
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

待たせたかい。  青葉と夕張のアイスキャンディがなくなり、さぁこれから何分耐えなければいけないかと二人がうんざりし始めるかという時だった。 「今更だけど、具合は大丈夫?」 本当に今更だね、夕張。…、覚悟はできたさ。 「大袈裟ですねぇ。ちょっと会いに行くくらいじゃないですか」

2019-06-29 11:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

あっ、青葉にはわからないと思うけどもね………!! 「はいはい、青葉。そういう詮索したら…?」 「あうっ。はぁい…」 ………?なんだか青葉が急に小さくなったけれども。 「いいの。こちらの話。さ、行きましょ」 う、うん。とりあえず間宮さんに話を聞くんだね?

2019-06-29 12:02:20
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「えぇ。私がいるよりも先にいたからきっと何かあるかなぁって」 私もそう思うよ。まぁ、どうなるんだろうね。 「青葉的にはなんとなく面白い記事になる気はしなさそうですが…。勿論ついて行きますよ」 「余計な事をしそうなら普通に追い出すからね」 「何でそんなに厳しいんですかー!」

2019-06-29 12:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

まぁまぁ、二人とも。とりあえず重要な情報はある気がするんだ。 「いやに確信があるような言い方しますね?」 青葉が不思議そうに、しかし少し不審げな色をもって響に訊ねた。 うーん、なんだろうね。本当に勘としか言えないんだ。彼女のことじゃなく、何かがわかるような気が。

2019-06-29 13:02:19
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「あれれぇ?間宮さんのところの彼女のことは誰も言ってないですけど?」 ポカリ。青葉の頭が揺れる。 「叩かなくてもいいじゃないですか!」 「はいはい、行くわよ」 夕張が有無を言わさず、青葉の腕を引き、間宮の暖簾をくぐる。 「ちょっ!まだ準備がぁ!」 うん、行こう。

2019-06-29 13:32:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

覚悟が決まったといえば、嘘になるかもしれなかった。でも、進む以外の道は考えられなかった。胸に渦巻く不穏さと、頭の鈍痛は確かにやんでいない。今戻れば、生ぬるい日常にかえることも可能だろう。だけど違和感を知ってしまった。知らなければいけないものがあることを。それならば。

2019-06-29 14:02:21
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「…、響さんやめます?」 いや、青葉。もう愚問だよそれは。 「安心しました。じゃ呉越同舟…、違った、旅は道連れ世は情けですね!」 「何言ってるのよ、青葉」 夕張がクスリと笑う。多くの言葉を交わさずとも、三人にはどうするべきか何となくだが分かっているようだった。 「あ、夕張さん」

2019-06-29 14:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「伊良湖さん。さっきはアイスキャンディをありがとう」 「いえいえ!もう一本ですか?」 「もう大丈夫。元気は出たわ。間宮さんって今いたりするかしら?」  ふぅむと、少し考え、困った顔をする。 「多分奥にいると思いますけれど…、どうかしましたか?」 「ちょっとお話聞きたくて」

2019-06-29 15:02:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「伊良湖が分かりそうなことなら、お話ししますよ。ちょっと間宮さん具合が悪そうなので…」 具合が悪いのかい? 「はい。なんとなく顔色が悪いくらいだと本人は言ってるんですけれど」 「それなら無理させちゃまずいわね…」 「うーん、でも伊良湖さんにわかるお話なのか…」

2019-06-29 15:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

(最悪巻き込みかねないですしね) と、心の中で青葉は続ける。 「とりあえずお茶はどうですか?私もお話聞かないと知っていることなのかも分かりませんし!」 「響、どうする?」 少し不安だけれど、軽い話位はいいんじゃないかな。 「そうね…、まぁじゃ、お茶三人分お願いできるかしら」

2019-06-29 16:02:21
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「了解です!ちょっとお待ちくださいませ」 三人を席に案内したあと、伊良湖が奥に引っ込む。 「どうしますかねぇ」 「軽くだけど情報聞いてみて、あまり深そうな話になるなら切り上げればいいんじゃないかしら」 「それが無難ですかねぇ」 私はどちらかというと間宮さんのことが気になるけれど。

2019-07-14 04:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「確かに間宮さんは気になるわね…」 「珍しいですよねぇ、確かに。私達の健康管理を担っているから元気でいなきゃって結構言ってましたし。現に具合の悪い所はあんまり見たことはない気はしますね」 「人をよく見る青葉がそう言うならそうなんでしょうね」 「何ですか人をストーカーみたいに!!」

2019-07-14 05:02:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「あら、三文記事を書くゴシップ記者が何か言ってる」 「言い方ひどすぎません!?」 「それとも鎮守府内の恋愛事情をよく知る情報通かしら」 「そう言ってくれるなら嬉しいですねぇ、何か気になる情報でも…?」 青葉が揉み手で夕張にすり寄る。ポカリ。 「二回目ですか!?」

2019-07-14 05:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「対して力入れてないでしょうに」 「なんとなく殴られたこと自体が気に食わないんです!!」 「へぇ…?じゃああなたの連装砲に少しいたずらするだけにしようかしら」 「あなたは馬鹿ですか!!馬鹿ですかぁ!?」  二人の喧しさをよそに響は潮騒の音に耳を澄ませる。ひどく穏やかな音だった。

2019-07-14 06:02:18
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

「はい、どうぞ、お茶です」 ちょうどよい塩梅のお茶と最中が運ばれる。 「伊良湖の最中です。よろしければどうぞ」 「ありがとう。そこまで長居するかどうかは分からないけれど」 「はぁ~、やっぱりいいですねぇ。お茶に和菓子は最高です。…はっ!こういう記事を書いた方がいいのでは…?」

2019-07-14 06:32:17
レズ鎮守府の中でモブに恋する響bot【完結】 @mamiyakoi_hibik

もっともらしいことを呟きながら、はぐはぐと頬張る青葉。これから重い話になるのかもしれないのに呑気なものだと響は独りごちる。  ごめんね伊良湖。こんな気遣いをさせてしまって。 「いえ!伊良湖は皆様の給糧艦ですので。間宮さんがつらい今、私が頑張ります!」

2019-07-14 07:02:18
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