Eriさんと小鳥の絵の話。視覚障害のある方へ、言語で絵画解説を試みた一例として。【視覚過敏対応版】
- このまとめの通常視覚向けデコレーション版はこちらです。>http://togetter.com/li/980521
- Eriさんは先天性の全盲の方です。このまとめに載せた絵の言語化解説をすることになったきっかけは、一枚の絵に添えられた英語詩文の翻訳のつたなさをお手伝い頂いたことでした。
Don't stay where you are Tolerated, go where you are Celebrated. pic.twitter.com/S8Toa1uB2T
2016-01-13 12:08:29苦痛を味わうところに留まらないで、あなたが祝福される場所へ行って下さい。(大辞林で“Tolerated”は「…に我慢する,耐える」とあるが古い意味に「〈苦痛・困難を〉経験する,味わう」も。辛さに耐えるのではなく、祝福あるところへ!) twitter.com/GreenSkyDeb/st…
2016-01-13 16:38:19@CookDrake 申し訳ありません…。これ、受動態ですので、「お前の存在を我慢してやっているんだぞと言う所に留まらず、貴方の存在を貴い者としてくれる場所へ行きなさい。」という意味です。私が正に今ファミリーから言われて居ること。です。
2016-01-13 16:40:44.@eyemateulmus おお!実は密かに校正してくださるかもって期待してました。でも思索のおじゃまをしたくなかったので、自分なりに翻訳してみたところです。ありがとうございました!
2016-01-13 16:41:57@CookDrake つまり tolerate するのは you ではなく今留まっている場所にいる人々のことです。 You が tolerate ‘されて’(ここが受動態)いる場所に留まるな、望まれる場所へいけということ。すみませんなんか余計なお世話で。
2016-01-13 16:43:59.@eyemateulmus 余計なお世話なんてことは全然ないですよ。ありがとうございます。教えてくださって嬉しいですよ!
2016-01-13 16:45:32- せっかくなので、添えられたイラストの言語化を試みることになりました。
@eyemateulmus あ!そうだ、話がぐるっと戻りますが、先ほどの英訳を教えてくださったツイートにはとても美しいイラストがついていました。いつもみたいに絵を言葉に翻訳してみましょうか?ご希望があれば喜んで試みますよ!
2016-01-13 16:59:42@CookDrake そうだったんですか。イラストURLの存在にすら気が付きませんでした。あぁ、この文章!と思って心奪われて。お手すきの時がありましたら是非教えてくださると嬉しいです。あのツイート事態もlikeしたので。
2016-01-13 19:49:07@eyemateulmus はい!喜んで!イラストの雰囲気は、とても深い印象の色使いで、にじむようなやさしい、輪郭線を引かずにぼかして描く手法をとっています。おそらく、紙に水を貼って絵の具をたらしこむ「たらしこみ」技法を使ったか、それをイメージしてCGを描いたのでしょう。
2016-01-13 19:51:57@eyemateulmus 視覚で認識する人にとって、これは影絵のように見えるでしょう。色のついたセロハンの後ろから光を透かした背景の中に浮かび上がる小鳥の姿があります。
2016-01-13 19:53:49@eyemateulmus もしもこの絵を手で触った感触で例えるなら、なめらかなガラスごしにまだら模様に漏れてくる、かすかなぬくもりを感じるような背景です。
2016-01-13 19:55:13@eyemateulmus そんな背景の手前に浮き上がるように、光の玉のような花のようなものが付いた小枝にとまる小鳥の姿があります。小鳥も、セロハンをすかしたような陰影で描かれています。
2016-01-13 19:56:15@eyemateulmus 僅かにぬくもりの網目が漏れてくる、なめらかなガラスのおもてに浮き上がる、暖かさ(赤紫色)の象徴のような小鳥がいます。小鳥の絵の中にスポット的に差し込む冷たさ(水色)で、小鳥の表情が引き立てられています。
2016-01-13 19:58:12@eyemateulmus 全体のイメージとしては、私達、絵を見る者が居る側は暗く陰っていて、小鳥の向こうの背景の更に外側のどこかに光源があって、その光の照り返しが差し込んでくるようなイメージです。
2016-01-13 19:59:25@eyemateulmus 小鳥は、まだ影の中にいます。でも小鳥には血が通っていて、片目で、私達の居るかげりの中から、光に満たされた、私たちには見えない世界を見ています。そしてもう半分の目が、私達を問いかけるように見返しています。
2016-01-13 20:01:01- ここで、絵を見る者からは見えない側にある(=絵の中に描かれていない)鳥の目についても言語化していますが、それについてEriさんに補足説明するのを忘れていたことを、今更ですが気が付きました。
@CookDrake クックさんて凄い方ですね。前回までの説明よりももっともっと先天盲に通じる説明になっているというところが。こういうのは難しいのですよね。どうしても絵の中に描かれている物や使われている色名を列挙してしまうので。先天盲人は視人から見て感覚異世界の人でしょう。
2016-01-13 19:59:52@CookDrake ですから自分の感覚を打破してその先に行かないとこういう説明は不可能ですね(体験的に)。イメージの共通点を探り合って説明するというのは少数の人にしか出来ません(体験的に)。
2016-01-13 20:01:22@eyemateulmus お褒めの言葉、ありがとうございます。「翻訳」を申し出たからには、共通の感覚に置き換えて語るほうが語りやすいし、わかりやすいと思ったのです。このイラストは、とても「光源の方向や影の配置」と「温度感」が際立つイラストなので、ああした説明をシてみました。
2016-01-13 20:02:33@CookDrake 私にはこういう説明の方が本当に分かりやすいのです。描かれた物自体も分かるけれど、何よりもその物、子の場合は鳥さんという生き物ですけれども、描くことで作者が何をしようとしているか想像する楽しみを味わう所まで私が到達するには、このような説明でないと無理なのです。
2016-01-13 20:02:57@eyemateulmus ええ、そういった想像の翼を伸ばせるようなイメージを掻き立てることを目標に表現してみました。全盲の方でも触覚や、温度はわかるし、おそらく温度感から光源の方向もある程度わかるのではと思いまして。
2016-01-13 20:04:09@CookDrake ということで、やたらと言葉ばかり多い私の感謝表明になってしまいましたが、本当にありがとうございます。
2016-01-13 20:04:01@eyemateulmus いえいえ、言葉を費やしてくださってありがとうございます!次の翻訳の試みをするときの情報源にもなりますし、他の方に解説することもあるでしょう。こちらこそ詳しく感想頂けてありがとうございました。
2016-01-13 20:05:11