【キル・ザ・ユーサーパー】# 5
- 8jouhan_ns
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しかし使い物にならぬダガーを振ってどうするのか?「イヤーッ!」「イヤーッ!」当然、弾かれる!ブラックルークはクロスボウ発射!インコンパラブルの左手が五指から割れて十二指へと変貌、火炎放射器腕の付け根に滑り込む!「グワーッ!……イヤーッ!」連接ピッキング解除! 7
2016-06-24 22:25:57インコンパラブルは火炎放射器腕を己の右手で振り、ブラックルークのクロスボウを曲げようとした。「イヤーッ!」「グワーッ!」だが不可能!加えて急激に上半身を捻ったことで、クロスボウで受けた傷口から血が噴き出す!「ウッ、ウ……イヤーッ!」屈辱の後方宙返り! 8
2016-06-24 22:31:33「ハァーッ、ハァーッ」「……ジリー・プアー」「あ?」「私は腕をとられ、あなたは傷が深い。加えて、あなたとイクサを行う理由がなくなりました」ノイズ混じりの電子音声が、『ライト・オブ・ファイアフライ』を流す。「ヨウクミ・ダヘイの生体パルスが途切れました。ビズは終了です」 9
2016-06-24 22:36:21「あぁっ!?知るか!こっちはなぁ、腕とられてんだよ!」「……取り返して、きた……」消え入りそうな声が背後から聞こえてきた。インコンパラブルは思わず振り向く。そこには、ジーンズのみを着て、全身を傷だらけにし、テキナシMk9を杖がわりに持つブラッディスウェットが立っていた。 10
2016-06-24 22:41:22「どうしますか。イクサ続行であればこちらは仲間を呼びます」ブラッディスウェットはあの奇妙なニンジャのことを思い出した。こちらは満身創痍、一方キネシス使いとの相性は悪いだろう。彼の逡巡を見て、インコンパラブルはブラックルークに対し、犬を追い払うように手を振った。 11
2016-06-24 22:46:19ハスカールがもう少し短絡的な男であれば、誰彼構わず殴り飛ばし、倉庫内の謎めいた遺物をすべて破壊していたが、彼は紳士なのでそのようなことはしなかった。かわりにただ深く呼吸をし、拳を握りしめた。穴の開いた手の痛みはさほどではない。耳鳴りは残るが、それだけだ。 13
2016-06-24 22:51:33「つまり、それだけでノされてしまったわけだ……」彼は歴戦の傭兵であり、この忙しないネオサイタマの己の腕と口のみで生き延びてきた。イクサでの勝率はそのまま生活の質に繋がる。転がり落ちれば、死だ。ハスカールはこの一敗、そしてビズの失敗という汚点に歯嚙みした。 14
2016-06-24 22:57:14