【キル・ザ・ユーサーパー】#3-#4

#すみゆ忍 ニンジャネーム名付け企画から派生した、オリジナルニンジャによるニンジャスレイヤー二次創作小説(連載中)です。 前 http://togetter.com/li/982983
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レ点 @fji34

【キル・ザ・ユーサーパー】 # 3 #すみゆ忍

2016-06-08 13:51:18
レ点 @fji34

傷は浅くないが動けないほどではない。ブルータルブラインドビーストは飛び下がり状況判断した。クローンヤクザは四人。相手はサイバネアイなので視界を奪うことはできない。ブラッディスウェットとインコンパラブルはまだジツの範囲にない。最低でもクローンヤクザを一人は残しておきたい。 1

2016-06-08 13:51:37
レ点 @fji34

「アイサツを要求します」「……ドーモ。ブルータルブラインドビーストです」「このエリアから除外します。イヤーッ!」ブラックルークはショックメイスを振り上げた。ハヤイ! ブルータルブラインドビーストは側転回避! 着地点めがけてクローンヤクザが発砲!「グワーッ!」 2

2016-06-08 13:51:51
レ点 @fji34

同時に複数人の視界ハックと集中点振盪はほぼ不可能に近い。ましてニンジャの攻撃を避けながらなど!「イヤーッ!」ブルータルブラインドビーストは視界が少なくなることを覚悟でクローンヤクザの一人に拳を叩き込んだ! ((やはりここのクローンヤクザは旧式。寿命が近い払い下げ品であろう)) 3

2016-06-08 13:52:08
レ点 @fji34

咳き込んだり足がおぼつかない者がちらほらと見える。それだけに数も多い。ヨロシサンから押し付けられたか。「イヤーッ!」ドヒュドヒュ! ブラックルークはクロスボウを連続射出!「グワーッ!」一本が腹部を掠め、ミイラめいた細い体から血を流した。角度から計算し、手探りで矢を引き抜く! 4

2016-06-08 13:52:27
レ点 @fji34

「イヤーッ!」「アバーッ!」倒れていたクローンヤクザに投擲しトドメを刺す! 最初のアンブッシュの傷が開き、ブルータルブラインドビーストの存在しない耳を濡らした。「スリケンが生成できないのですね」「……」「データベースにも存在せず。ジツ頼みのニュービーと判断。視力もなし」 5

2016-06-08 13:53:04
レ点 @fji34

「我は弱者ではない」「同感です。私相手に三十秒保った。十分でしょう」ブラックルークのジョークを、ブルータルブラインドビーストが解することはなかった。多腕の一つから炎が吐き出され、電撃を纏ったメイス、四連続射出可能なクロスボウと共に、敵を殲滅すべく構えられた。 6

2016-06-08 13:53:14
レ点 @fji34

「……!?」ブラックルークは空気が変わったことを感じたが、サイバネアイを動かす前に、大きな質量に踏み潰された。「グワーッ!」「グワーッ!」叫んだのはブラックルークだけではない! 巨体の持ち主も咄嗟に構えられたショックメイスにより電撃を食らったのだ!「なぜ……!」 7

2016-06-08 13:53:37
レ点 @fji34

「ボンノ・ジツを見誤ったな。視る力だけではない」多種の武器を持つのであれば、高感度サイバネイヤーは雑音でむしろマイナスにはたらく。ブルータルブラインドビーストはブラックルークの耳は生身であると判断し、ホバー移動してきたインコンパラブルを手助けしたのだ。 8

2016-06-08 13:53:53
レ点 @fji34

「ドーモ、インコンパラブルです」起き上がった巨体ロボアーマーの持ち主はアイサツをした。「ンラーッ! ドーモ、ブラッディスウェットです」廊下のクローンヤクザを蹴り上げて、赤毛の男も加わった。「ドーモ、ブラックルークです。あなた方にこのエリアへの侵入は許可されていない」 9

2016-06-08 13:54:13
レ点 @fji34

「お前ら、先に行けッ!」その言葉を待たずに、ブルータルブラインドビーストは階段へと向かっていた。ブラッディスウェットは逡巡したが、ブラックルークの武器に太刀打ちできるビジョンが見えない。コンマ四秒後には階段を駆け上がる!「イヤーッ!」「イヤーッ!」階下からはイクサの音! 10

2016-06-08 13:54:29
レ点 @fji34

腹を押さえながらブルータルブラインドビーストは二階中のクローンヤクザの視界を覗いた。ない。三階にもない。前となく後ろとなく、ブラッディスウェットは彼をガードしながら進む。四階に辿り着くとブルータルブラインドビーストは、目を覆う布を外した。 11

2016-06-08 13:54:57
レ点 @fji34

「……!」思わず叫び出しそうになって、ブラッディスウェットは口を手で覆う。ブルータルブラインドビーストの目と耳からは、大量の血が流れていた。ブラックルークの攻撃によるものではない。ボンノ・ジツの広範囲、高負荷使用によるものだ。発狂寸前の頭痛と耳鳴りが彼を苛む。 12

2016-06-08 13:55:20
レ点 @fji34

重い瞼を開き、血を垂れ流すばかりの眼窩を空気に晒す。「ムミョウ!」……その瞬間ビル内の全視界が、ブルータルブラインドビーストの脳内に流れ込んできた。これは身体的よりもニューロンへの負荷が異常なヒサツ・ワザである! 実際彼はジツを解いて最初に、胃液を吐き出して蹲った。 13

2016-06-08 13:55:37
レ点 @fji34

立体の迷路を入り口に立つだけで解くであるとか、伝説の絵画『ハント・フォー・ウォーリー』を瞬時に解明するなどと表現すれば、賢明な読者諸君には理解できることであろう。異常な集中力と視力への負荷が、ブルータルブラインドビーストの精神とニューロンへ多大な悪影響を及ぼすのである。 14

2016-06-08 13:55:57
レ点 @fji34

「……四階Cブロックの倉庫『ガランドウ』……」全身の水分を絞り出し、ブルータルブラインドビーストは傍に居るブラッディスウェットへ呟く。「インコンパラブル=サンの腕と、我の探す物と……ニンジャが一人」「二人だ」声は階下から聞こえた。耳に届く頃には、彼は吹き飛ばされていた。 15

2016-06-08 13:56:08
レ点 @fji34

「汚い。汚いね。私の作品を壊して回ってるのは、お前か?」視界をハック。ブラッディスウェットの視聴覚は飴色に歪んでいる。「イヤーッ!」ブルータルブラインドビーストはブラッディスウェットを殴りつけた。硬化する前の膠が弾けて飛んだ。「ゲホッ、ゲホッ、……何食わしてくれやがる!」 16

2016-06-08 13:56:24
レ点 @fji34

「ドーモ、ブラッディスウェットです」「……ブルータルブラインドビーストです」息も絶え絶えにアイサツすると、ブラッディスウェットが己のTシャツを破りブルータルブラインドビーストに押し付けた。躊躇したが彼は己の目にハチマキめいて巻いた。「ドーモ、ビジュツケイです」 17

2016-06-08 13:56:49
レ点 @fji34

(「ドーモ、ブラッディスウェットです」「……ブルータルブラインドビーストです」息を荒げてアイサツすると、ブラッディスウェットが己のTシャツを破りブルータルブラインドビーストに押し付けた。躊躇したが彼は己の目にハチマキめいて巻いた。「ドーモ、ビジュツケイです」)

2016-06-12 23:18:08
レ点 @fji34

ビジュツケイが油断ならぬニンジャであることはすぐに理解できた。ブラッディスウェットは口内に残った膠を吐き捨てる。周囲に浮く絵筆はスリケンの類だろう。物質生成に加えてエンハンスメントとは、ジツの弱点を見つけるまで耐え抜く必要がある。「ウバイ・クランの奴ってのは、テメエか?」 18

2016-06-12 23:18:52
レ点 @fji34

「そう。そうだね。だが私はウバイだけではない。創作もするのさ。お前たちとは違う……ふむ?」ビジュツケイは若干首を捻った。重厚なデザインのフルメンポの奥からの視線を感じ、ブラッディスウェットは眉を顰める。「いい。いいね。お前の筋肉」「……ん?」 19

2016-06-12 23:19:54
レ点 @fji34

ビジュツケイは廊下の歪んだ彫刻に手を添え、たちまち粘土へと戻した。そして驚くべき速さで練り上げた。顔や手足のない灰色のトルソーに、筋肉の畝が深々と刻まれていく!「イヤーッ!」しかしビジュツケイはトルソーをチョップ破壊!「ヌゥーッ!」頭を抱えて再度アタックをしかける! 20

2016-06-12 23:21:12
レ点 @fji34

「……容易いな」ブルータルブラインドビーストが言った。ブラッディスウェットのTシャツに染み込んでいたZBRにより、万全とは言わないまでも体調を整えることができたのだ。ブラッディスウェットは長期戦を覚悟していた。特筆すべきジツのない彼は、できるだけの準備はしておいたのだ。 21

2016-06-12 23:22:08
レ点 @fji34

「我が引きつける。貴様は倉庫へ向かえ」「できんのか」「相性の悪い相手ではない」言い終えてから彼は奥歯を噛んだ。「イヤーッ! クソッ、クソだねッ!」顔を上げかけたビジュツケイが、未完成のトルソーを壁にぶちまける。今度は周囲に浮く絵筆を取り、掲示板に色を塗り始めた。 22

2016-06-12 23:22:53
レ点 @fji34

「何分持つ」「一分と持たぬ。そもそも目的は最上階で縮こまったアレを、ゲホッ、震えることもできぬように……」「五分だ。五分で、倉庫に居るニンジャをブッ飛ばして、インコンパラブル=サンの腕と、お前のカセットを回収する」「経典だ」「ああもう、なんでもいいんだよ」 23

2016-06-12 23:23:48
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