日本における養蚕の始まり+α

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Die @die3035

このあたりになって、ついに神話の世界にも養蚕が現れる。「日本書紀」には、保食神の眉から繭がとれ、それを天照大神が口に含むとたやすく糸を紡ぎだすことができた、とされている。なお、他の書紀には稚産霊神の頭上に蚕と桑が生じたとなっており、「古事記」にはそれが大宣都比売になっているらしい

2011-02-12 21:34:52
Die @die3035

面白いのは、こういう死体化生型神話の中に蚕や桑を取り入れているのは日本ぐらいだという事と、日本のその他の農業神話には蚕や桑の記載が見えず、先の例のみである事などか

2011-02-12 21:36:59
Die @die3035

このことから、蚕や桑の記載は後に書き足された節である、というのが定説らしい。養蚕を広めるために神話を利用した際の追記、という奴なのだろうか

2011-02-12 21:38:45
Die @die3035

というわけで、ちょっくら養蚕の歴史をたどってみました。参考文献は布目順郎氏の「養蚕の起源と古代絹」となります。日本農学賞を受賞した本だけあって凄く読みやすい良著である

2011-02-12 21:39:47
Die @die3035

布目順郎氏はもう亡くなられてしまったが、繊維史という分野において非常に功績があった方らしく、良著を多く出された方であるので機会があれば今度色々と読んでみよう

2011-02-12 21:42:32
野分 はるな @haruna_nowaki

@die3035 「やる夫で学ぶ日本神話」を斜め読みすると、日本神話=初期日本政権が作った国情案内プロモーション作品(古事記が国内向、日本書紀が海外向け)という実も蓋も無い解釈が一番しっくりくるので、養蚕に関する神話が後付で入ったというのも頷けますね。

2011-02-12 21:44:34
Die @die3035

しかしこうして考えると、当時の国の主要産業だった稲作と養蚕を担いで諏訪の地に攻め入ったと考えられる神奈子様が、現在の科学技術を担いで幻想郷に突っ込むのは、性分、というのなのかねぇ

2011-02-12 21:45:35
Die @die3035

@haruna_nowaki その説がかなり高いようですね。蚕が糸を吐く姿や、口の中に繭を入れると唾液で柔らかくなってほぐし易くなる、というあたりからヒントを得て、稲作に関する項目が書き込まれたのと同時期に加わったのではないか、と書かれています

2011-02-12 21:48:34
五蟻(いつあり) @abysmalhypogeum

@die3035 稲作もそうですが養蚕もどこが起源でどのように日本に伝わったのか、まだわからないことが多いようですね。

2011-02-12 21:48:43
Die @die3035

@abysmalhypogeum 出土品や書物から類推するしかない以上、隙間だらけになっているようで、かなり議論の的になっているようです

2011-02-12 21:52:10
野分 はるな @haruna_nowaki

@die3035 奈良時代の日本人が何でも神に見立てて古事記や日本書紀を編纂したのは、現代人が何でも擬人化して商品プロモーションするのと根元にある姿勢は同じなんでしょうね。1500年経っても日本人は日本人か。

2011-02-12 21:52:58
Die @die3035

@UnFlying_Orga 北九州という土地柄上、大陸に最も近いため最先端の技術が色々と流れ込んできたようですねぇ。日本の神様は結構人間臭いところもあるっぽいですし、しみついた性分というのは拭えないのかもしれません

2011-02-12 21:54:15
Die @die3035

@haruna_nowaki ある種その典型的な作品である東方が好きな我々は、まさに日本人、という奴かもしれませんなぁ

2011-02-12 21:56:13
Die @die3035

しかし、地元の図書館に行って養蚕関連の本を探したら、蚕と名のつく本だけで500以上の書籍と100以上の雑誌があって鼻血が出そうになった。その中から、この本を見つけれたのは中々幸運であったか

2011-02-12 21:58:24
あとり @atolysan

@die3035 北九州近辺にはあまり詳しくないのですが、北部九州繋がりで大分の山間部あたりだと少なくとも70年頃までは多くの家で片手間にその紡績方法で糸を紡いでいたようですよー。

2011-02-12 22:00:22
五蟻(いつあり) @abysmalhypogeum

養蚕について面白いのは日本先史時代から飼育されて来たカイコとは別にヤママユを利用した天蚕糸の生産が近世の信濃で始まったことで、これは日本オリジナル。

2011-02-12 22:00:51
Die @die3035

@atolysan おお、貴重なご意見ありがとうございます。やはり、その地域には原始的な紡績法が残っていたのですね

2011-02-12 22:02:21
五蟻(いつあり) @abysmalhypogeum

繭を作る蛾は世界中にいるようで、インドあたりでも野生種が研究されているとか。

2011-02-12 22:07:10
Die @die3035

@abysmalhypogeum 北沢始芳の「山繭養法秘伝沙」が天蚕関連の最古の技法書になるようですね

2011-02-12 22:09:10
あとり @atolysan

@die3035 ちなみにソースは私の父親です、糸を紡ぐ際に糸を引き出されている蚕が桶の中でころころ転がってたのを覚えてるとのことで

2011-02-12 22:10:52
ラルフ124c41 @naijel

@die3035 そういえば蚕って養蚕という形態で人類に依存しなければ生存できないように「改造」された最初の種ともいわれてるようですね。色々と業の深いことではあります。

2011-02-12 22:11:40
五蟻(いつあり) @abysmalhypogeum

@die3035 新しい家蚕の誕生としてかなり凄いことなんじゃないかと思っています

2011-02-12 22:12:54
Die @die3035

野蚕の種類は世界でも非常に多く、中国には柞蚕や白眼蚕などが、インドには50ほど種類があるらしい。蚕の先祖と言われるクワコに至っては、東部アジア全域にまたがる状態だとか

2011-02-12 22:13:08
あとり @atolysan

@die3035 ついでに飼育方法訊いてきましたー。普通に食事をするような掘りごたつのある広間の壁一面ぶんに棚が作りつけてあって、そこに桑の葉を敷いたざるが入ってるんだそうです。そのざるの中で蚕が桑の葉を食べてると。<続>

2011-02-12 22:13:55
Die @die3035

やべぇ、つぶやいたら九州方面で実際に行われていた生の話が飛んできてワクテカ状態

2011-02-12 22:16:16