こじらせたリーマン20160905-20160911
- tsutsujishika
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彼らはお互いに好きあっている癖にすれ違いを繰り返していた。 そのままの状態でありながら、なんと冒頭で酔った勢いでキスをしてしまう(……どうでもいいけれど、二人が口付けるだけでなぜか僕まで恥ずかしい気持ちになる)。そしてそのことが引き金になって、より関係がこじれてしまった。
2016-09-11 18:12:06そして主人公……おそ松に似ている彼が、相手方に別れをつげてしまう。これ以上関わらないでほしい、と。お互いを想いすぎるがゆえに、本心を明かせず、状況はより複雑になっていく。小説内では主に、彼の思い悩む様が描かれていた。繊細な心理描写に、心が奪われる。
2016-09-11 18:13:04……実際のおそ松は、きっと僕のことをここまで考えていないだろう。でも、小説の中の彼は、僕に少しだけ似ている相手方の彼のことを、痛いほどに想っている。それが素直に言えなくて、苦しんでいる。読んでいてもどかしいが、その切なさすらも愛おしい。
2016-09-11 18:14:04僕は、意を決して、スマホの画面をタップする。コメントかメッセージか。悩んだが、長くなりそうなのでメッセージにした。 いつも読んでいます。今日更新されたものもよかったです。彼らは幸せになれるのでしょうか―……。そんなメッセージを、長々と打ちこんで、送信ボタンを押した。
2016-09-11 18:15:04そういえばシャンプーがきれているんだった。詰替えないと。戸棚を開けると、買い置きの詰替えパック。それからその隣に、ボトルのローションが。ああ、そうだ。彼とあんな関係になったときに、買ったものだ。
2016-09-11 20:36:02薬局でシャンプーと、ついでに歯磨きやらヘアワックスやらも買ってきた。それから、ゴムも。まあ、彼女なんてできるあてもないし、使う機会もしばらくなさそうだけど。でも。なんとなく。ビニール袋をその辺に置いて、ベッドの上に倒れ込む。なーんか、疲れるよなあ。色々。
2016-09-11 20:46:04弟が言ったみたいに、素直に、言えたら、いいだろうか。何を?チョロ松に対する、気持ちを。いつ、どこで、どうやって?今更言った所で、何になるんだろう。
2016-09-11 20:47:01このベッドの上で、チョロ松を抱いた。しなやかな身体をなぞって、秘密の場所を割り開いて、一番大切なところを握って。ああ、もう。纏まらない考えと、とりとめのない記憶がまじりあって、どうにかなりそうだ。頭はぐるぐるまわるのに体はやっぱりバカで、思い出を種火にだんだんと温度をあげていく。
2016-09-11 20:48:04多分、この場所がこれから、別の誰かに触れられることはない。でも、一度快楽を覚えてお利口になってしまったここは、油断すると疼いてしまう。大人のおもちゃなんて持っていないから、咥えさせるのは自分の指だ。でも、ああ、足りない。太さも、長さも。彼のものじゃないと。
2016-09-11 20:58:07右手はローションで濡らし後ろへ、左手は前へ。はしたない水温と荒い息がバスルームに反響して恥ずかしい。情けない。あさましい。誰が咎めるわけでもないのに、悪いことをしているみたいで胸が苦しい。でも、とまらない。彼を思って自分を慰めることが。
2016-09-11 20:59:18