こじらせたリーマン　20160730-20160807

🦀つじ🦀 @tsutsujishika

そろそろ金曜日の飲み会を終えたリーマンおそチョロ（※付き合ってない）が酔った勢いで事に及ぶ頃 pic.twitter.com/G8ucs6gyuh

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なお文句は言われる模様 pic.twitter.com/wZqC6e120V

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そろそろ一夜の過ちを犯したおそ松が目を覚まし、隣にいるはずの人間がいない事に気付いて焦る頃

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そろそろ一夜の過ちを犯したチョロ松が自宅のベッドに潜り込んで、睡眠不足なはずなのに寝付けず、体の痛みと歪な形でもたらされた愛おしさに涙を流す頃

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そろそろ一夜の過ちを犯したチョロ松がおもたい体を引きずって電車に乗り込む頃

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一方おそ松は今起きた

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そろそろ一夜の過ちを犯した二人が会社の自販機コーナーの前で先日の件について問答をし、変な誤解を招き関係が余計にこじれ出す頃

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チョロ松だって男相手なんて初めてだったのに淫れて感じて恥ずかしかったし、そのせいで気持ちがバレるのは嫌だった（おそ松は酔った勘違いで自分と繋がったのだと思い込んでいる）から、

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月曜日の朝おそ松に謝られたときつい「別にいいよ……慣れてるし」ってまさかのネコビッチ発言しちゃう 自分でもなんでこんな嘘をって思ったけど口から滑りでたでまかせだった

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当然おそ松はショック受ける。え？あんなにトロトロの目で見つめてくるから両思いだと思ってたのに、俺の勘違いだったの？あんなに善がって感じてたのも、慣れてたから？俺はお前にとって沢山いる男のうちの一人なの？ってか処女じゃなかったんだ。いや男相手に処女って…ぐるぐる

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そして一つの結論に至る。「でもさあ、気持ちよかったでしょ？そういうの慣れてるならさあ、これからも俺とヤってよ。女相手するより後腐れなくていいしさ」期待とか諦めとかそういったものをかき混ぜた言葉だった。チョロ松にとっては遊びだったのに、自分だけ本気だって思われるのも癪だった。

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子供じみてるけど、悪い大人のふりをした。チョロ松はびっくりして目を見開いて、視線を泳がせて、俯いて、小さく「いいよ」って言った。いいのかよ。クソが。自分が言い始めた事なのにおそ松はおもしろくなかったし、また身体を繋げられると思うという悦びを感じてしまうのが浅ましくていやだった。

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それはチョロ松も同じだった。あばずれのふりをして、自分を貶めてなお、彼とまた夜を共にできると感じてしまうのが悲しかった。でももう後戻りもできない。お互いに同じ気持ちを、相手の名前が書いてある暖かい心を持っていたのに、隠したまま間違った道に足を踏み出してしまったのだった。

こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろチョロ松が昼食のお弁当を食べながら、なんであんな口からでまかせを言ってしまったんだろうと頭を抱えている頃

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そろそろおそ松が営業で外回りしながらチョロ松のことを考えて悶々とする頃

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ちゃんと聞かなかったけど、慣れてるってことは経験あるってことでー…あの身体が他の誰か知らない男に抱かれたことがあるってことか。例えば俺のときみたいに、酔った勢いで、とか。

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自分の行いだって褒められたものじゃないのに、見知らぬその男たちに、言いようのない苛立ちを感じた。不特定多数と関係を持っているのだろうか？あのチョロ松が。まさか。よくない想像ばかりが頭を廻る。そう、これは想像でしかない。慣れている、としか言われていないのだから。

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そしてあれこれ悩んでも仕方ない。だって、多分、朝のやり取りが本当に実現するなら、自分もその【不特定多数】のうちの一人になるのだ。悪い大人の仮面をかぶって、彼の身体を貪るだけの。

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ピリリと、スマホの呼び出し音が鳴った。取引先からだ。そろそろ頭を切り替えて、仕事に戻ろう。

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仕事を理由に問題を先送りにするのもまた、悪い大人のやりくちのようで、自分に辟易とした。

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そろそろチョロ松が首元に貼った絆創膏について同僚女子社員に突っ込まれる頃

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そろそろ二人が朝以降会話しないまま定時を迎える頃

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そもそも僕は内勤の経理、あちらは外回りの多い営業だ。1日顔を合わせないなんて、よくあること。けれど今日だけはそれを幸運のように感じたし、重たくも感じた。 顔を合わせて、朝のことは嘘だって、お前のことが好きだから受け入れたんだって言えたらどんなにいいか！

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…それが言えたら苦労なんてしない。言えるわけない。あっちは酔った勢いの勘違いかもしれないけど、僕は、本気で、あの男のことが好きだから。

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頭の底を重くしながら考え込んでいると、同僚に声をかけられる。 「急だけど、木曜日に部署の飲み会をやることになってさあ。来れる？」 飲み会、のフレーズに金曜日のことを思い出した。でもあいつは部署が違うから来ることもないだろう。もちろん行く、と返事をした。