なぜ「聲の形」オープニング曲がTHE WHOなのか?

「日々ロック」と「聲の形」をつなぐ存在としてのTHE WHOについて
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藤田進也 @fuji_s

先日のマンガマーケットでの私のトーク、映画「ハドソン川の奇跡」の調査委員会よろしくシュミレーションを過信して人的要因を考えず、結果本題に辿りつく前に時間切れ、墜落全員死亡でした・・。リベンジでこの場で本題「日々ロック」と「聲の形」をつなぐTHE WHOについてつぶやきます。

2016-10-06 00:22:05
藤田進也 @fuji_s

1.「日々ロック」でTHE WHOというとバンド、犬レイプのリーダー、犬飼佑一郎が一巻から最終の六巻まで常にフーのシャツを着ている。しかしフーはモッズなのに皮ジャンは対立関係にあるロッカーズじゃないか、というような引用への違和感は pic.twitter.com/o7TmB6KZd8

2016-10-06 00:35:03
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藤田進也 @fuji_s

2.「日々ロック」という作品自体に溢れていて、そこはマンガマーケットでのトークで検証したところ。しかし、それでも私は犬飼という人物を理解する記号としてフーは妥当に機能していると考える。物語の最初から最後まで犬飼は主人公、日々沼の理解者であり味方であり続ける。しかし、実際には日々沼

2016-10-06 00:44:12
藤田進也 @fuji_s

3・は犬飼のせいでヤクザにからまれたり、バンドがブレイクしたりというような社会的な成功に貢献するようなことは殆どない。犬レイプというバンド名からしてバンドで大成しようと本気で考えていないことはあきらかだし、42才の楽器の弾けないキモいおっさんをメンバーにしていたり、プロ意識という

2016-10-06 00:52:24
藤田進也 @fuji_s

4・ものも、まるでない。しかし日々沼は犬飼を仲間として絶対的に信頼している。私も音のないマンガの中での犬レイプはいいライブしてるのだろうなと信じる。表現としての質は関係なく。フーの「キッズ・アー・オーライト」は訳をすると「あいつはいいやつだ」。恋人を別の男にとられたけど、あいつは

2016-10-06 01:02:19
藤田進也 @fuji_s

5・いいやつだから気にしない。僕はここから出て行く、という歌。損得なしの信頼関係。犬飼というと、この曲を思い浮かべる。犬飼佑一郎の原型ともいえる人物が「日々ロック」以前の作品「ラーミウ」に描かれていたり、作者の榎屋克優にとっても重要 pic.twitter.com/LcO1rlyjMT

2016-10-06 01:12:48
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藤田進也 @fuji_s

6・なキャラクターではないだろうか。 「日々ロック」は4巻で唐突に聾唖者の女の子がでてくる。なぜか日々沼は手話を覚えてまでして、彼女にロックを教えようとする。彼女は耳が聞こえないのに。そして彼女は日々沼のライブをみにいくまでになる。 pic.twitter.com/C4tzDGS6dc

2016-10-06 01:33:22
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藤田進也 @fuji_s

7・彼女は5巻以降、実質でてこない。この謎展開はなんだったのか?私が考えた結論は、これはフーの「トミー」ではないか、というものだった。三重苦の少年トミーはしかし天才的なピンボールプレイヤーだった。チャンピオンになってスター扱いされて pic.twitter.com/DSJRjUnZZL

2016-10-06 01:59:15
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藤田進也 @fuji_s

8・彼自身は何も感じることができず鏡ばかりみている。 日々沼のつくる音楽は「70年代のパンクと歌謡曲」が混ざった」ようなもので、いってしまうと、それほどのものではない。にもかかわらず日々沼のバンド、ロックンロールブラザーズは物語の中で世界一のロックバンドになれたのは、日々沼は

2016-10-06 02:08:29
藤田進也 @fuji_s

9・トミー同様「ピンボールの魔術師」なのだ。魔法の力によって日々沼は世界一のロックンローラーになれたのである。それでは日々沼にとっての魔法の代償はなにかといえば、それは彼が童貞であることだと私は推測する。日々沼が唯一セックスを許せるはずだったヒロイン、宇多川咲は、しかし日々沼と

2016-10-06 02:16:14
藤田進也 @fuji_s

10・セックスすることなく不治の病によって死ぬ。トミーは鏡を壊すことによって三重苦から回復し健常者になるが、その結果人々から失望され迫害され、ひとりぼっちになる。しかし日々沼は宇田川咲の死により永遠の童貞になったと同時に彼のロックは不滅のものとなる。フー「恋のピンチヒッター」は

2016-10-06 02:27:09
藤田進也 @fuji_s

11・正確には代用品というタイトル。日々沼はセックスの代用品としてのロックンロールを誰よりも上手く演奏できるが、しかし本当のセックスをすることは出来ない。

2016-10-06 02:34:10
藤田進也 @fuji_s

12・その後「聲の形」という漫画をみて驚いた。聾唖者の女の子の物語、これって「日々ロック」に出てきた・・。「日々ロック」の件のエピソードが描かれたのが2012年。「聲の形」の連載がはじまったのは2013年。しかし「聲の形」は本来読切 pic.twitter.com/6gNpbv3R2d

2016-10-06 02:48:26
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藤田進也 @fuji_s

13・短編として2011年に発表されたのだった。正直内容的には「日々ロック」の件のエピソードは控えめに言っても「聲の形」の強力な影響下にあるとしか思えない。 そして「聲の形」は今年劇場映画アニメとして公開。みにいって、また驚かされた。オープニングでフー「マイジェネレーション」が

2016-10-06 03:04:12
‍すみす®︎ @goma33goma

けいおん!にはザ・フーや『さらば青春の光』のパロディネタが頻繁に出てきてフーマニアはニヤニヤしっぱなしのアニメだった(画像は某ブログより) pic.twitter.com/ppDhpiPoB3

2015-08-21 00:56:33
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藤田進也 @fuji_s

14・流れたのだ。これは元々フーのファンである山田尚子監督による選曲だという。同じ山田監督による「けいおん」にもフーのオマージュがたくさんあるという。しかし監督の趣味としてフーが流されたのかといえば、私は違うと思う。物語にそくした必然性があってのマイジェネレーションであり違和感は

2016-10-06 03:15:33
TAP the POP @TAPthePOP

1980年代初頭、東京モッズ・シーン誕生のきっかけともなったネオ・モッズのバイブル『さらば青春の光』とは? tapthepop.net/scene/33871 pic.twitter.com/F6AzyUNR6Q

2016-05-22 07:26:18
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藤田進也 @fuji_s

15・なく、むしろしっくりきた。小学校時代の回想シーン前のプロローグが原作から変えられて主人公、石田が飛び降り自殺をしようとして思いとどまる場面なのはフー「四重人格」の映画版「さらば青春の光」からの引用だと思う。ラスト私、ジミーは飛び降り自殺を思いとどまりプロローグにつながる派。

2016-10-06 03:32:08
藤田進也 @fuji_s

16・アニメ版と違い原作の特に一巻、中でも第一話は完全に少年漫画で西宮は最後にようやく登場するだけで、殆どは石田のケンカと度胸試しに費やされている。原作を先に読んでると「マイジェネレーション」のモコモコ、スカスカした感じが妥当で、 pic.twitter.com/VOyOIiE0IK

2016-10-06 03:41:16
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スパルタ @sparta_cc

『映画 聲の形』、原作は様々な意味で「デリケート」な作品であり、批判点を含めて議論を呼ぶ幅があったとは思うのだけれど、より単純化された映画版だけだと所謂「綺麗な障害者像」だという批判に耐え得ない。原作で最も濃かった序盤が最も薄くなっているのは、やはり致命的ですよ…。

2016-09-28 00:15:28
藤田進也 @fuji_s

17・むしろ本編はじまってからの牛尾憲輔による優しく静かな音楽の方に最初違和感をもった。アニメの方は回想シーンから西宮寄りなんだよね。漫画連載では重要な第一話もアニメでは殆どカットされている。

2016-10-06 03:50:30
スパルタ @sparta_cc

『映画 聲の形』、竹内の「ッオイ石田ァ!」も理不尽さの少ない怒り方になってるし、西宮母の「幸せだったはずの硝子の小学生時代は戻ってこないから」という呪いもないし、真柴の「他人様」の狂気もないし、西宮父の醜悪さもないし、石田母と西宮母が酒を飲むこともない。仕方ないのはわかるけど…。

2016-09-28 12:31:46
スパルタ @sparta_cc

『映画 聲の形』、序盤の石田の立場の逆転が薄くなっているので加害者視点の物語としてもやや薄く、西宮の聞こえる範囲の描写もないので原作以上に何を考えているか(そうせざるを得ないか)捉えづらい。川井が作中でも浮いた人だったという報いもなく、植野の唯一の救いである佐原との百合もない。

2016-09-28 12:05:39
スパルタ @sparta_cc

『映画 聲の形』、原作1巻で特に「センセーショナル」だったいじめ描写と、漫画史上に残るレベルの竹内の極めて理不尽な怒鳴りと責任追及があまりにも薄くなっていて、相対的に「見易い」ものの、ここを薄めてしまうのはあの物語では下策なんじゃないかな…。それでも耐え難い人もいるにしても…。

2016-09-27 23:57:23
スパルタ @sparta_cc

『映画 聲の形』、2時間ちょいの映画として尺の都合で原作を削らなければならないのは理解はするけれど、削ったら削った分だけ話が薄くなってしまうということが致命的に出てしまっている。それだけ原作の構築が上手かったということの再確認ができたとも言えるけれど…。

2016-09-28 00:00:20