E・S・ガードナー(不)完全攻略 ペリイ・メイスン編 ビロードの爪の巻

いよいよ(不)完全攻略を開始いたします。 ブログにまとめ直しますが、折々のライヴ感覚のつぶやきにはリアルタイムの「をかし」がありますので、こちらの「味」も捨て難いんですよね。 ※1/5いよいよブログで(不)完全攻略開始! ※1/9考察を追加。 ※2/5補足を追加。
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じねん @jinensai

昨日うっかり乗り過ごしたのはE・S・ガードナーの『ビロードの爪』の新潮文庫版と創元推理文庫版のあとがきを読み比べていたからだ。新潮には件の編集者に宛てた長文の手紙が引用されているので、ホームズ=ワトソン・タイプに対するガードナーのフェアプレイの姿勢を知るには良い補助線になる。(続

2016-11-29 19:46:25
じねん @jinensai

承)創元は中島河太郎さんによる当時(から現在に至る)のガードナーに対する識者の代表的な評(本格とハードボイルドの折衷)を知るには格好の素材となるだろう。数冊読めば「ガードナーまじガードナー」なオンリーワンなことは理解頂けると思うので「先ず分類ありき」の弊害を知る上でも好例である。

2016-11-29 19:52:53
じねん @jinensai

とりあえず駅前アウガの市民図書館で『ビロードの爪』3種(角川、創元、新潮)を返却。

2016-12-04 10:59:19
じねん @jinensai

市民図書館に返却前に「あとがき」と書誌情報はコンビニ複合機でスキャンしてpdfにしてUSBに保存したので、『ビロードの爪』の‘攻略’はそいつを元に展開しよう。(既に一部つぶやき済みだが)

2016-12-04 12:57:16
じねん @jinensai

【いよいよ始動】 E・S・ガードナー(不)完全攻略 ペリイ・メイスン編 『ビロードの爪』の巻 yellow.ap.teacup.com/jinen/1203.html アップしました。

2017-01-05 04:05:52
じねん @jinensai

そういえば記事の引用許可を頂いた弓弦さまから「ガードナーのおもしろさをみなさんに広めてくださいませ」との心強いメッセージを頂いていたのだった(頑張るぞい)。 E・S・ガードナー(不)完全攻略 ペリイ・メイスン編『ビロードの爪』の巻 yellow.ap.teacup.com/jinen/1203.html

2017-01-07 21:18:30
じねん @jinensai

さて、「E・S・ガードナー(不)完全攻略」付けたり考察を少々。青森市民図書館から借りた『ビロードの爪』昭和49年4月20日 14刷(新潮文庫 赤139B/宇野利泰訳)の貸し出し状況だが、これも日吉さんの論文( libir.josai.ac.jp/il/user_conten… )を裏付けている。(続 pic.twitter.com/bFJlaTkZYI

2017-01-08 22:46:50
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じねん @jinensai

承)西暦で1970年代中頃~1990年代中頃までコンスタントに借りられている。その後バーコード管理へ移行するので下限は定かではないが、1994年で途切れているのは象徴的。1994~1997年にメフィスト賞、アニメの名探偵コナン、金田一少年の事件簿がスタートしている。(続

2017-01-08 23:03:50
じねん @jinensai

承)その直前が空前の海外翻訳ブーム(エルモア・レナード等)で、その揺り戻しもあって読者層の意識がほぼ国内ミステリに地滑り的に移行している。たまたま入手した1998か1999年の弘大ミス研(第二期)の名簿の自己紹介の読書傾向が新本格一辺倒で、ゾッとしたことを覚えている。(続

2017-01-08 23:10:30
じねん @jinensai

承)日吉さんの解釈にやや欠けていた視点は外的な要因だろう。米国・カナダなど海外事情にも何らかのニュー・ウェーブがあって(←詳しい方、是非ご教示願いたし)、ガードナーに代表されるトレンドへのカウンターが想定されよう。共同創作者である読者層の動向がそこに反映されているのだ。(続

2017-01-08 23:17:36
じねん @jinensai

続)原因を作品の内容に求めようとした日吉さんの手法には、やはり限界があったように思う。21世紀の今この時に私がガードナーを猛烈プッシュしているのは、新本格一強時代にムリが生じてきているからだ。理屈をこね回して新本格的解釈に帰結させようとする手法は恐らく制度疲労を起こしている。(続

2017-01-08 23:26:55
じねん @jinensai

承)ミステリに限らないが、「ここではないどこか」への憧憬(作り手も受け手も)が、「虚構」と「現実」の間のグレーゾーンのどの座標にあるかが時代時代で行ったり来たりしているというモデルを念頭に置けば、対立概念ではなく「程度」の問題なことはご理解頂けると思うのだ。(続

2017-01-08 23:33:45
じねん @jinensai

承)クイーン、クリスティー、カー(あるいはヴァン・ダイン)が廃れず書店の棚に残っているのも、作り手からは「オマージュ」であり受け手からは「元ネタ」であるからで、謎のメインがホワットダニットで非常にその独創的切れ味を真似されづらい点で、ガードナーは大いに割を食わされたと言える。(続

2017-01-08 23:44:30
じねん @jinensai

(寝落ちてた…。少々続き。)

2017-01-09 07:38:29
じねん @jinensai

承)実際E・S・ガードナー自身の「小説工場」という自称からの連想も相俟って、驚異的出版スピードに複数作家の共同ペンネーム疑惑が起こったこともあるが、懸賞金までついたこの「犯人探し」は誰一人名乗りも発見もなされず立ち消えになっている。逆説的にそれだけ模倣しづらい作家なのだ。(続

2017-01-09 07:47:34
じねん @jinensai

承)映像表現的に継承されたのはむしろTVシリーズからの影響によるTVドラマのフォーマットだろう。TVの実用普及以前からの会話劇とお話の展開の速さは小説ではなく他のメディア(ラジオ、TV等)の骨格に転用されている。当時の書評子はこの異質フォーマットに戸惑い、評価に難渋している。(続

2017-01-09 07:58:59
じねん @jinensai

承)それでも法廷が身近な欧米では実際のそれと重ね合わせができるだけ恵まれている。「虚構」が「現実」に影響を及ぼすさまは「最後の法廷」活動もそうだし、日吉さんの指摘されたO・J・シンプソン事件も好例。一方、日本では「有罪率99.9%」の壁が立ちはだかり重ね合わせは不可能だ。(続

2017-01-09 08:05:34
じねん @jinensai

承)昨年末放送され、間をおかずアンコール放送された「ブレイブ」www4.nhk.or.jp/P4012/3/ )でも今村核弁護士の獲得した「無罪」14件は「奇跡」の数字扱いされている。裁判員制度発足時にペリイ・メイスンシリーズの復刊フェアを期待していたが状況が違いすぎた。(続

2017-01-09 08:10:50
じねん @jinensai

承)日本でのV字回復は裁判員制度が追い風にならない以上、別の戦略が必要だ。横溝さんが角川システムで、サッカーがJリーグで回復したのは埋もれていた別視点・価値観の掘り起こしに成功したからだ。ガードナーにおけるそれは「ホワットダニット」としての質の高さが鍵だろうと今現在考えている。

2017-01-09 08:18:26
じねん @jinensai

さて、「附けたり」を少しやった後、本題の下書きだなあ。

2017-02-05 11:51:50
じねん @jinensai

E・S・ガードナーのペリイ・メイスン・シリーズ1作目の『ビロードの爪』の(不)完全攻略の後でHPB140版(砧一郎訳)を先日見つけた鉱脈(古本屋)で発掘したのだが、気になっていた「ナイトラッチ」の訳が本書では「自動錠」になっていた。意訳だけど、この訳の方が分かりやすいかも。(続

2017-02-05 11:56:48
じねん @jinensai

承)ブログに間に合えば良かったんだけど、見切り発車でもスタートさせれば後追いでも情報は集まってくるんだなあと実感。この調子で進めて行きますよ。先日知己を得た英文学研究の方にも質問メール中なので回答いただければもうちょい詳しいことが分かるだろうし…。(続

2017-02-05 12:00:25
じねん @jinensai

承)本書のあとがきは江戸川亂歩による「ガードナー略傅」であるが、その中で「登場人物の性格や雰囲気をリアルに描くということは第二」で「一応トリッックの考案に力が注がれ、エキサイティングな興味を狙っている」と評しているのが乱歩らしい。これが中島河太郎さんの読みの下地であろう。(続

2017-02-05 12:11:10
じねん @jinensai

承)実際厳密に出典をたどればガードナーに行き着く「トリック」でミステリ界隈以外にも知れ渡っているものも指摘すれば「ああ」となるものが多いことは請合うが、ネタバレなので読んで確かめていただきたい。恐らく推理クイズへの引用はJ・D・カー(カーター・ディクスン)と双璧であろう。(続

2017-02-05 12:18:19
じねん @jinensai

承)乱歩のこうした「トリック」中心な読み方は日本にすっかり根付いてしまった感があり、読みの幅を狭める弊害を引き起こしてもいる。「トリック」案出に関しては清張も相当な手練れであるが彼の作品をそこを基準に読むのは違和感があるだろうし、それはガードナーに対しても同様なことなのだ。(続

2017-02-05 12:24:56