発・送・配電分離時代昔語り、あと周波数を東西で50と60で統一しただけでもすごいんだぜ話

浮上する東電の発送電分離構想。 振り返ってみれば戦前は発送電分離の時代でございました。さらにはラストワンマイルの配電部門まで分離されており、そしてそれらは電鉄会社という巨大ビジネスと複雑怪奇に絡み合っていた 電鉄と電力に取り付かれた墨東公安委員会氏が背中の痛みをこらえつつ繰り出す発送電分離時代の昔話を見逃すな!       r ‐、       | ○ |         r‐‐、 続きを読む
107
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)さっきのデータの出典は平沢要『電気事業経済講話』オーム社(1927)上巻。平沢は逓信官僚でのち次官、あと関東配電の社長もやったはず。名字が平沢で名前が一文字だからといって、平沢進氏の先祖でもないし平沢唯嬢とも何の関係もないが、帝銀事件の平沢貞通の親戚ではあるらしい・・・

2011-04-04 16:54:10
墨東公安委員会 @bokukoui

ご教示多謝。満州国は50ヘルツか・・・@lm700j http://www.fujielectric.co.jp/company/jihou_archives/pdf/10-12/FEJ-10-12-528-1933.pdf 満州の話。富士電機の戦前の技報は面白い

2011-04-04 17:04:44
墨東公安委員会 @bokukoui

電力業と自由競争については拙文『電気代と市場経済~計画停電の歴史・続篇』( http://bokukoui.exblog.jp/15676052/ )をご参照戴けると有り難く存じます。 http://bit.ly/f0gYP2

2011-04-04 19:28:15
墨東公安委員会 @bokukoui

本日@lm700j 氏がまとめて下さった拙ツイートのまとめ「発送電分離時代昔語り~」( http://togetter.com/li/119723 )ですが、http://t.co/v3UOV5j を読み返したりして、ちょっと至らぬところがあったように思うので補足します。

2011-04-04 21:32:46
墨東公安委員会 @bokukoui

電気事業は発電→送電→配電の三つに分かれる。発電は電気を起こし、送電は起こした電気を高圧線で需要地に送り、配電は送られた電気を変電所で降圧して個別の需要家に送る。乱暴に言えば、鉄塔は送電で、電柱は配電。(続く)

2011-04-04 21:52:03
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)で、この三事業を、10電力が一貫して行っているのが現在の日本の電気事業。90年代の自由化以後は発電事業に新規参入が多少あるが、またそれ以前にも電源開発とかあったけど、基本は発送配電一貫。で、戦前は層ではなかった、というのがまとめられた話の前段。(続く)

2011-04-04 21:54:28
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)で、戦時中の電力国家管理は、発電と送電を日本発送電が行い、配電を各地の配電会社(現在の電力会社と基本的に同じ地域分け、沖縄は九州に入っていたと思う)が行っていた。つまり、発+送 / 配に分かれていた。一貫でない電気事業は、この分け方が多い。(続く)

2011-04-04 21:57:15
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)なもんで、つい「分離」と聞いて発+送 / 配に分かれていた話をしてしまったのだが、記事の見出し自体は「発電と送電の分離」である。となれば発 / 送 / 配とか、発 / 送+配という分け方もあり得ることになる。そのような事例の歴史的事例をちょっと思い出してみる。(続く)

2011-04-04 22:00:20
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)で、まず発電のみ行う会社、というのは今でもあるし、戦前にももちろんあった。水力発電を行うには水利権の問題とか、巨額の資本が要る、といった事情から系列の別会社を作って建設・発電させる例もあったし、配電部門を持つ複数の会社が連合して発電会社を設立する例もあった。(続く)

2011-04-04 22:04:03
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)また、昭和初期の特異な例では、複数の事業者が供給権を持っている大消費地で、各社が個別に石炭を焚いて火力発電するのは非効率、と逓信省の音頭で共同火力会社が設けられた例もある。(続く)

2011-04-04 22:06:30
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)それでは、送電と配電を行う会社、というのはあったかというと、・・・うーん、思いつかない(苦笑)。大きな電力会社が供給力不足に悩んでいた場合、水利権を持っているけど売り先がない水力発電会社まで送電線を伸ばした、という例はありそうだが、(続く)

2011-04-04 22:13:00
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)そのような場合は、発送電一貫の会社の事業の一環ということであって、発電と送電が分離されて送電と配電が一貫している、ということにはならないだろう。この形態は合理性があんまりなさそうだ。(続く)

2011-04-04 22:14:58
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)発電・送電・配電ぜんぶ個別、というのはどうだろうか。送電会社というのは日本でも過去に存在した。大阪送電(この会社は操業前に合併して発送電の大同電力になったが)九州送電とか。(続く)

2011-04-04 22:18:01
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)このような会社は、昔の日本では、大消費地と水力電源地帯を結ぶ際、消費地側も電源側も複数の事業者が存在する場合、利害調整として共同で設立されたように思う。今回の東京電力解体構想にはそのまま当てはまるだろうか?(続く)

2011-04-04 22:19:30
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)電力国家管理前の様々な電気事業統制構想のなかで、よく参照にされていたのが、イギリスが第1次大戦後に設立したグリッド・システムである。これは確か国営だったと思うけど、イギリス全土に高圧送電線網をはりめぐらしたもので、その様子を「グリッド」と呼んだ。(続く)

2011-04-04 22:22:43
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)第1次大戦までのイギリスの電力事情は、大規模水力のやりづらい一方石炭は質量とも優れた国柄だったため、あっちこっちの地方で勝手に火力発電して全く繋がっておらず、周波数もめちゃくちゃだった。確かロンドンには直流配電システムも残存してなかったっけか。(続く)

2011-04-04 22:26:16
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)そのため電気の融通も出来ず、昼はクライド湾の造船所に、夜はロンドンの住宅に、なんてことは不可能だった。そこでこれらを送電線で結び、周波数を統一したのである。送電線には全国の発電所中新しく効率の良いもののみを繋げ、古く小規模で非効率な発電所はスクラップした。(続く)

2011-04-04 22:29:00
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)発電された電気はグリッドを持つ国が全て買い上げ、配電部門に売り渡した。電気の専売制度である。配電部門は民間とか自治体とかだったと思う。小生は戦前のことしか読んでないので、これが現在に至るまでどう変遷したか、どなたか教えて下さい(苦笑)(続く)

2011-04-04 22:32:07
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)で、今東電解体構想では、「実現すれば、鉄鋼会社など発電事業への新規参入組も公平な条件で送電線網が使えるようになり、電力市場の競争が活発化」http://t.co/v3UOV5j という話なので、このグリッド・システムに近い発想なのだろう。(続く)

2011-04-04 22:36:47
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)ただ、その場合需給調整が難しいので、その辺が「スマート・グリッド」で解決、となるのだろうか。ますます英国の例の検討が必要になりそう。自由競争が万能かは以前書いた( http://bokukoui.exblog.jp/15676052/ )ので参照されたし。(続く)

2011-04-04 22:41:08
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)最後に、発送配電分離法の残った一つ、発+配 / 送を考えてみよう。そんなキセルみたいな不合理なのあるの、と思われるが、日本で実例が大規模に(短期だが)存在した。グリッドシステムでも従来発送配電一貫だった事業者は発+配 / 送になりそうだが調べていない。乞寛恕。(続く)

2011-04-04 22:44:49
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)日本の発+配 / 送とは、第1次電力国家管理によって日本発送電が成立したものの、従来の電力会社も残っていた、1940年前後のことである。日本発送電は既存電力会社の発送電設備を強制出資させて成立したが、当初は重要送電線と大規模火力のみで、水力の出資は見送られた。(続く)

2011-04-04 22:47:34
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)その事情はいろいろあるが、その辺は研究があるので大きな図書館ででも探して下さい。で、当時の日本は水力発電がメインだったのであるが、それを既存会社のままで日本発送電はどうしたかというと、ここがややこしいのだが、既存会社所有の水力のうち大規模なものは、(続く)

2011-04-04 22:51:43
墨東公安委員会 @bokukoui

(承前)「管理水力」と呼ばれて、発電した電力を日本発送電にすべて売却することになっていたのである。つまり、それまで大規模水力→送電→配電とやっていた電力会社は第1次国管により、やっていることは今までと同じでも、一旦電気を日発に売って買い戻す形になったのである。(続く)

2011-04-04 22:54:43