ラスト・ガール・スタンディング #6
ヤモトの顔からメンポが外れ、地面に滑り落ちる。その瞳に燃えていた桜色の火はもはや無い。「シンジケートってのは、とことんやるんだぜ」「う……!」ソニックブームはヤモトを締め上げる。彼は真性のサディストであり、こうした一方的な暴力と悪罵に性的な愉しみすら見出していた。
2011-04-27 21:46:15「親殺しのクズが、ユウジョウ?笑わせンな」ソニックブームはヤモトの頬を張った。「ウッ!」「テメェのようなクズが生きる道はソウカイヤのニンジャ以外にねぇんだよ、エエッ?謝ってみろよ?テメェがした事を!オトモダチに隠している事をよ?」だが、ヤモトは震えながら見返す、目に涙を溜めて!
2011-04-27 21:55:55「い、嫌だ……」「ヘッ」ソニックブームはヤモトを崩れた屋台へ放り捨てた。「気に入らねえ。もう少し俺様の好きにいたぶって、後はリー・アラキにでもくれてやる。お前、死んだ方がマシだったぜ、きっとな」屋台街の店主や客は皆、脱兎のごとく逃げてしまっている。マッポ?来るわけがない……
2011-04-27 22:08:11夜の屋台街は不気味に静まりかえっている。聴こえるのは、遠くの通りで鳴っているコマーシャル音声や電車の走行音。そして、「ズルッ!ズルズルッ!ズルズルッ!」
2011-04-27 22:13:28「……アン?」ヤモトの頭を踏みつけようと進み出たソニックブームは足を止めて耳を澄ませた。「ズルズルッ!ズルズルーッ!」近くの屋台からだ。ソニックブームはノレンの奥に二本の脚を見る。ということは、愚かにもこのニンジャ同士の戦闘下で逃げなかった者が一人いたという事だ。「ズルズルー!」
2011-04-27 22:19:43屋台のノレンには「オスシソバ」と極太ミンチョ書きされている。「おいコラ、ウルッセーゾコラー!スッゾオラー?」ソニックブームは緊張感を削ぐソバすすり音を咎めた。わざとらしいほどにうるさい音である。彼はまた、ニンジャを近くに知りながら逃げない不敵さを不快に思い、かつ、警戒心を抱いた。
2011-04-27 22:26:06ノレンが翻り、スシ・ソバのドンブリと箸を手に持ったまま、その男は街灯の下に姿をさらした。それを目にしたソニックブームは絶句した。ニンジャだったからだ。それも、赤黒のニンジャだったからである。赤黒の。
2011-04-27 22:31:22既にスシ・ソバを完食したと思しきそのニンジャの顔には、特徴的なメンポが装着されている。ソウカイヤのニンジャの間で一人として知らぬものの無い意匠、悪夢の具現。禍々しい書体で「忍」「殺」のレリーフを施された、おそるべきメンポが。
2011-04-27 22:36:32「テメェ……テメェはニンジャスレイヤー!テメェいつからそこに……」ソニックブームは狼狽した。赤黒のニンジャはドンブリを手に持ったままオジギした。「ドーモ、はじめましてソニックブーム=サン。ニンジャスレイヤーです。おちおち食事もできんな、この街は」
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