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ラスト・ガール・スタンディング #3

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ラスト・ガール・スタンディング #3」 #njslyr
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(あらすじ:シ・ニンジャに憑依され、超人的な運動能力を身につけた女子高生ヤモト・コキ。彼女に対し何らかの執着をにおわせるもう一人の転校生ショーゴーは、彼目当てに校内へ乗り込んできた30人のヤンクを謎のニンジャソウルによって殲滅する。)
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(己のニンジャソウルを理由に不敵な態度を取るショーゴーであったが、彼のもとへ身元引受人を名乗って現れたニンジャ、ソニックブームによって、その自信は粉々に打ち砕かれる。無慈悲なソニック・カラテに、ショーゴーは完敗。ソニックブームは彼にソウカイ・シンジケートへの所属を強制した)
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ヤモト・コキは体育館の壁を背に、十人弱のジョック(ヤブサメやケマリ、アメリカンフットボール等のカチグミ・スポーツ系男子高校生)に包囲されていた!
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「で、どれぐらいやっちゃえばいいのよ、アキナ=サン」壁めいた肩幅のケマリ部主将が、オイラン・メイクのどぎついチアマイコ部のアキナへ下卑た笑顔を向ける。アキナは鼻を鳴らした。「二度と調子に乗れないようにしてよ。もう学校に来れないぐらいに!あたしがしっかり撮影するから!」
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「ヨロコンデー!俺はこいつみてぇな平らな胸の女の子が好きなんですぜ!」ヤブサメ部の男が赤ら顔でヤモトを指差す。ヤモトはほとんど無表情にヤブサメ部の男を睨み返した。「その顔が気に入らねえんだよ!」アキナが罵った。「後で、泣きながら『許してください』って言うのを撮影してやる!」
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じり、と包囲ジョックが一歩踏み出した。ヤモトは己の中で殺気が膨れ上がるのを自覚した。だがその時脳裏に浮かんだのは、先週連行されていったアフロヘアーの転校生、ショーゴーの事である。あの後あいつはどうなっただろう。とにかく同じ顛末はゴメンだ。ヤモトはアサリの不安気な顔を思い浮かべる。
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それにしてもどこで彼らの不興を買ったものか。ヤモトはぼんやりと記憶を辿る。シ・ニンジャと邂逅したあのひどい夜以来、ヤモトは恐怖という感情を持ったことがない。当然、金髪のチアマイコ・ハニービー達に遠慮をすることも考えない。きっと知らないうちに些細なことが積み重なったのだろう。
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ショーゴーが三十人のヤンクに囲まれることになった理由も、きっと今のヤモトと同じようなものだろう。『あいつもアタイと同じなのだ。』理屈ではなく、直感がそう確信させていた。あいつはああなる前はあんな髪型はしていなかったのではなかろうか。あいつは多分……まさか……「ザッケンナコラー!」
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「!」ヤモトは不意をつかれそうになった。アメリカンフットボール部の男がタックルをしかけてきたのである。ヤモトは反射的に右膝をアメリカンフットボール部の男へ繰り出す。「イヤーッ!」「アバッ!?」一撃でそいつの下顎は砕け、前歯が散弾めいて飛び散った。「え?何?」「イヤーッ!」
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「アバッグワーッ!」ヤモトにシツレイな口をきいたヤブサメ部の男は側頭部にヤモトの回し蹴りを受け、鼻と両目から出血しながらキリモミ旋回してダウン!「なんだこの女!おい!」「カラテ?」「アキナ=サン!聞いてないぞこれは!」「あ、あたしだって知らない!」集団に動揺が走る。
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ヤモトはジョックたちを牽制しつつ、気絶する二人へ視線を走らせた。大丈夫だ。息はある。「……アタイはここでやめておきたいんだけど」ヤモトは言った。ケマリ部の主将は緊張した面持ちでアキナを一瞥した後、進み出た。ボクシングの構えだ。「ザ、ザッケンナコラー!」
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主将はステップワークでジグザグに近づき、ヤモトへパンチを繰り出す。「シュッシュッ!」オンナの手前、情けない真似はできないという事か。ヤモトはこの男を憐れんだ。パンチを難なくかわしたヤモトは主将に密着し、脇腹へ十分に加減したフックを叩き込んだ。「イヤーッ!」「アバババーッ!」
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主将は内臓に激しい衝撃を受け、嘔吐しながら失禁!そのままうつ伏せに倒れ伏す。ナムアミダブツ!吐瀉物を素早く避けたヤモトは集団を今一度冷たく睨んだ。「アタイはここまでにしたいんだけど、まだやる?」「ア、アイエエエ!」アキナは失禁し、180度踵を返すと全力疾走して姿を消した。
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「まだやる?」ヤモトが繰り返した。「やらねえ!」「やらねえ!」「やらねえ!」「やらねえ!」「やらねえ!」残るジョックは全員同時にホールドアップした。気絶していたヤブサメ部の男が震えながら起き上がり、ドゲザめいてオジギした。「スミマセン、どうかこの事はご内密に、どうか」
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女子高生一人を集団で囲んだ挙句、手も足も出ずに撃退された事が知れれば、ジョックの権威は地に落ちる。それはセプクに等しい。「……いいよ」ヤモトは無感情に言った。「もう二度とやめてね」「ヨッ、ヨロコンデ……」ヤブサメ部の男が額を地面に擦り付けるのを無視し、彼女は校舎へ戻って行った。
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「ヤモト=サン!」正面玄関から息を切らせて駆けてきたのはアサリである。アサリはヤモトを見るなり涙ぐんだ。「ヤモト=サン、大丈夫?さっき呼び出されたって……運動部の人達に連れていかれるのを、皆が見たって……」ヤモトは微笑み、アサリの肩に手を置いた。「何もされてないよ。大丈夫です」
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アサリは声を殺して泣いた。ヤモトはアサリの背中をさすってやりながら、これでは自分が慰める側で、役割が逆だ、と呆れた。「アサリ=サン、それより、アタイに用事があったんでしょう。ごめんなさい、すっぽかす事になっちゃって」「ま、まだ大丈夫です」アサリは涙を拭って笑顔を作った。
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「お願いがあったんです」二人で廊下を歩きながら、アサリはおずおずと切り出した。「ヤモト=サン、とても奇遇ですけど、前の学校でオリガミをやっていたと、センセイから今日聞きました。……私もなの」「オリガミ?」ヤモトは驚いてオウム返しにした。
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かつての日常が記憶の沼から思いがけず浮上したような感覚に、ヤモトは目眩を覚えた。そう、アサリの言う通り、ヤモトは以前の高校でオリガミ部に所属しており、高校総合トーナメントにも出場した事がある。
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あの事件をきっかけに、ヤモトを取り巻く環境は何もかも破綻し、変貌した。屋上から彼が降ってきたあの時に。だがあれはきっかけにすぎなかったのだ。既にヤモトの家庭は何もかもおかしかったのだ。オリガミはヤモトに現実の閉塞を忘れさせ、かりそめの力を貸してくれた。ヤモトは夢中で打ち込んだ……
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「ヤモト=サン?」「あ、ハイ、いいよ、勿論いいよ」ヤモトは即答した。アサリはオリガミ部に所属しており、部員が四人しかいないのだという。大会に出るためには五人必要なのだ。ヤモトは二つ返事で快諾した。アサリは歓声をあげて礼を言ったが、感謝したいのはヤモトのほうだった。
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もっと自分は色々なモノゴトを取り戻していかないといけない。ヤモトは心の中で呟いた。転校してきたヤモトには何もなかった。そのまま虚無的でい続けなければいけない理由など、思えば何もありはしないのだ。アサリはそれを気づかせてくれるかけがえの無い友達だ。ありがとう。心の中で呟いた。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011-04-18 22:36:13
ラスト・ガール・スタンディング #1 http://togetter.com/li/121698 ラスト・ガール・スタンディング #4 http://togetter.com/li/125337
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