榊一郎(@ichiro_sakaki)さんによる創作の話題「キャラクターへの感情移入が難しいといわれるときの直し方」
でもって次の段階。こうしたキャラ造形が設定されているのにもかかわらず、感情移入しにくいのだと言われれば、それは、その造形が作中で「活きていない」からです。地の文でいくらその設定を書いても、読者は読み流していきますから印象に残らない。 #sousaku
2011-05-20 16:05:48出来ればエピソードで示すのが一番良いのですが、それが無理なら、その「感情移入するポイント」を象徴するガジェットなり、決め台詞なり、そうしたものを用意して、繰り返し提示する。演出レベルの話ですね。 #sousaku
2011-05-20 16:07:41感情移入とは、大抵の場合に「そのキャラの肩に乗っかって物語り世界に入っていけるかどうか」とほぼ同義なので、そのキャラクターの思考形態や、言動に、読者が安心して乗れるかどうか、という部分も含め、一定以上の緻密なディティールが要ります #sousaku
2011-05-20 16:13:06どんなキャラか分からないのに、そいつに感情移入は出来ませんよね。逆に、怪物クラス、あるいは敵のボスみたいなので、「狂気」を演出したい場合(感情移入をむしろ拒む事でキャラ立てする)は、こうした筋道立てた丁寧な「そのキャラを理解する為の手順」を #sousaku
2011-05-20 16:14:13すっ飛ばしてやれば、それだけでもかなり意味不明のキャラになります。 #sousaku
2011-05-20 16:14:47具体的には、ほら、例えば敵キャラが、最初は意味不明で怖いだけだけど、一度主人公と戦って敗北し、仲間になる場合――よく、過去の回想とか、今の自分の人格形成に至る決定的なエピソードとかが出てくるでしょう? #sousaku
2011-05-20 16:16:12これは「敵」「怪物」として敢えて感情移入を拒む造形と演出をしていたキャラを、一転して、感情移入して貰う為のキャラに変換するための典型的手法。要は、「そいつが何を考え何を原理にして行動するのか」がおおよそでも想像がつくかどうか。 #sousaku
2011-05-20 16:17:18もっといえば、「何を考えているか、性格は勿論、行動原理も分からない奴」とは友達になれない訳で。読者が自分自身を重ねたり、特定キャラと友達になりたいと感じる様な「仕掛け」が足りていない可能性が、高い、と<感情移入出来ない #sousaku
2011-05-20 16:19:04私が見て来た生徒、あるいは内弟子の原稿で、「感情移入しにくい」というのは大体がこういった部分の問題で、更に言えば、「キャラを理解して貰う為の仕掛けを出す順番」や「場面設定」や「エピソードの積み方」が順序逆だったり、いい加減だったり、効率が悪かったり、というのが #sousaku
2011-05-20 16:22:01多かった様に想いまする。ぶっちゃけ、一行目で「オッス! オラ悟空!」とか言われれば大体、そいつの性格と生い立ちは分かりそうなもんでしてw これは極論ですが、どういう順番で、どういう象徴を用いて、そいつのキャラ性を見せていくのかは、以外に重要だと思います。 #sousaku
2011-05-20 16:23:24@wakamebu 大まかに言えば。勿論、「とにかく親近感を増やせば増やすほどいい」ってもんでもないので(敢えて親近感を一定レベルで止めた方が良いキャラ造形もあるので、一律には言えない)、読者がどんな処に親近感を感じるのか、それはどんな手順で提示されたか、 #sousaku
2011-05-20 16:29:52@wakamebu その辺を既存作品、特に自分が感情移入し易かったキャラの出ている作品の一巻を改めて調べてみると、参考になると思います。 #sousaku
2011-05-20 16:30:37@wakamebu ああ、もっと根本的な話として、キャラ立てに類する部分ですが、キャラの行動原理は大体一行か二行で記述できる位に整理して把握しておくと、その演出の積み方にも応用が色々ききまする。 #sousaku
2011-05-20 16:31:38@ichiro_sakaki 感情移入について質問です。自分で書いていて居る時に思うのですが、見せ場のシーンでキャラクターがどうしても滑稽になってしまいます。これって感情移入させる仕組みが出来ていないということなのでしょうか?
2011-05-20 16:46:12@nayuta_star 滑稽というのにも色々ありますので、難しいですが―― 本来、見せ場のシーンは感動的に盛り上げるべきな訳ですが、人間の感動のパターンは大まかに限りがあるので、どうしても他の作品と類似性が出ます。 #sousaku
2011-05-20 16:52:15@nayuta_star そうすると、昔から繰り返されてきたパターンは陳腐化して、滑稽に見えてしまう事がしばしばあります。その場合、あくまで「パターンに填っている」事の方が、本来の流れよりも目立つから、滑稽に見える訳で、 #sousaku
2011-05-20 16:53:07@nayuta_star 結論は同じでも、少しパターンからずらしてやるのが一つの方法。例えば、人造人間で戦闘兵器の少女が、「私は人間じゃないし、貴方を一ひねりで殺せちゃう怪物だよ!」と泣き叫ぶのを、「君は怪物なんかじゃない! だって君の心は人間と同じだ!」と #sousaku
2011-05-20 16:54:44@nayuta_star 説得するのはやや陳腐化してますが、例えば(私が以前やった方法ですが)「君は自分の事を怪物という。確かにそうだろう。で――それが君を嫌う理由になるのか?」と。ちょっとこうすれば目新しいですよね。既存のパターンが繰り返され続け、 #sousaku
2011-05-20 16:56:06@nayuta_star 陳腐化した結果として、「綺麗事」みたいに見えちゃってる場面で、敢えて、綺麗事の一部を否定する方法をとっておいて、でも同じ結論に戻す、という手法。まあ、滑稽のパターンがわからないので、推論混じりですいませんが。こんな感じでよろしいか? #sousaku
2011-05-20 16:57:07@nayuta_star そうですね。そこに目新しさがあれば、滑稽さは随分と減ると思います。 #sousaku
2011-05-20 17:01:09@ichiro_sakaki 上手く伝えられなくて、すいません。セリフが嘘くさくなるというか、芝居がかって見えるというか。いそがしいところありがとうございました。
2011-05-20 17:01:19