ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル #3

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「高級オイランドロイドが足りないだと!?」サイクロプスは棍棒を振り上げ怒りを露にした。黒頭巾から覗く目には炎が燃え上がり、Y&B社の営業を恐怖させる「アイエエエエエ!すみません!もう予備が…」。「お前が荒っぽいからさ、サイクロプス=サン!3体も壊したんだからな!」とヘッジホッグ。

2011-09-10 23:06:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

虎ビョウブの向こうでは、グラディエイターが独り正座をし、静かにグラディウス短剣を研ぐ。眼帯に覆われていない右眼で、刀身の光り具合を確かめる。愚かな若造どもには構っていられぬ。ニンジャは常に臨戦体勢を取るのだ。一方心配性のフォビアは、戦闘の成り行きを確認すべく車両外へと消えていた。

2011-09-10 23:18:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カブーン!再び後方のマケグミ車両が激しく揺れる!73号車が攻撃を受けたのだ!新幹線は先頭から機関車両、戦闘車両、ダイミョ車両、カチグミ車両、ダイミョ&カチグミ荷物車両、と並んでおり、以降約50両近くがマケグミ車両である。列車強盗団は機関車両の攻撃を諦め、後方車両を襲い始めたのだ!

2011-09-10 23:23:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その時だ!「呼び出しドスエ。お客様の中にリアルゲイシャかリアルオイランの方がいらっしゃいましたら、警備員までお申し出ください。大変お世話になっております」電子マイコ音声が全車両に響いたのである!ユリコはほとんど反射的に手を上げ、鉄道警備員にアッピールした!「実際ゲイシャです!」

2011-09-10 23:34:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

警備員はサイバーサングラスに備わったアンテナを伸ばし、快適な通信速度を誇る新幹線IRCネットワークを介して、ユリコの姿を上司に送った。続いて音声通話を行う。「ハイ!ハイ!お世話になっております!ハイ!ゲイシャ!ハイ!胸?胸は豊満です!ハイ?…ハイ!ハイ!ハイ!ハイヨロコンデー!」

2011-09-10 23:43:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「では、ずっと前の車両まで行ってください」警備員はロック解除素子を取り出し、ユリコに手渡した。「エッ、ずっと前の車両って」「行けばわかります」。浜辺では、着流しモヒカンバイカーが死体へと変わり、バイオスズメに内臓を食い荒らされていた。ユリコに迫る、不吉な運命を暗示するかのように。

2011-09-11 00:00:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「リアルゲイシャを手配しましたので!」Y&B社の営業はしどろもどろで状況を説明する。「なかなか頭のまわるやつだな」サイクロプスは人差し指で威圧的に営業の胸板を押す「だが俺の怒りはおさまらない!誰かを叩き殺したい!サイバーゴス野郎も手配しろ!紫色とかピンク色の、ナヨナヨした奴だ!」

2011-09-11 00:06:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お客様の中にサイバーゴスの方がいらっしゃいましたら、警備員までお申し出ください」と電子音声。72号車のサイバーゴス兄弟が手を上げて、鉄道警備員にアッピールした。再度音声通話。「ハイ!お世話になっております!ハイ!サイバーゴス!ハイ!髪?ピンクと紫です!ハイ!ハイヨロコンデー!」

2011-09-11 00:13:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

かくして72号車から3人の乗客が姿を消した。だが、レッドアラートに震える乗客たちは気付かなかったであろう。実は4人の乗客が消えていたことを。おお、ナムサン!72号車B2番席、すなわちゲイシャのユリコの左隣に立っていたはずの男も、忽然と姿を消していたのである!

2011-09-11 00:20:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

新幹線の上を、赤黒い装束に身を包んだ一人のニンジャが、死神の如き足取りで歩んでいた。その口元を隠すのは、「忍」「殺」の鋼鉄メンポ。時速666キロメートルの風が、首元に巻かれたマフラー状のぼろ布を、後方へと吹き流す。(((リー先生、そしてジェノサイド……あのゲイシャ、何かある)))

2011-09-11 00:28:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

左には鉛色の海と死屍累々の浜。右には死のバイオ密林。遥か前方には峻厳なるキョート山脈と、ガイオンから暗黒の空へ放たれる非人間的なレーザービーム。そしてニンジャが彼を待ち受ける。これぞ古事記に予言された、マッポーの一側面。だがフジキドは歩を進めた。それら全てに挑戦を挑むかのように!

2011-09-11 00:34:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(第2部「キョート殺伐都市」より 「ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル」#3終わり #4へ続く

2011-09-11 00:35:23