【妖怪】のびあがり(見越し入道)について

見越し(入道)、見上げ入道、見上げ坊主、大入道、高入道、高坊主、次第高(しだいたか)、入道坊主、乗り越し(入道)、御輿入道、ノツト坊主…などなど。 「見上げ続ければ大きくなり続ける」系の妖怪について軽くまとめてみました。
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アルム=バンド @Bredtn_1et

このことから、同じ県内でも別の伝承が伝わっているらしいことが窺えそう。

2011-12-11 23:17:44
アルム=バンド @Bredtn_1et

続いて高坊主。香川県のものは四つ辻に出る途方もなく大きな坊主であるという。徳島県では、麦の穂が出た頃、夕方遅くまで田畑の近くで遊んでいる化かされるという(『妖怪事典』、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:18:03
アルム=バンド @Bredtn_1et

なお、「高女」も大入道というか、この巨大な人の形の妖怪に含めている文献もあるのだけど…見上げるほど大きくなる、という属性が見出しづらいのでパス。

2011-12-11 23:18:11

大入道

アルム=バンド @Bredtn_1et

「大入道」は静岡県、京都府、熊本県に伝わるという。静岡県のものは大工が出会い、腰に指していた指金を抜いて高さを計ろうとしたら消えたという。また、墓地で昼でも暗い杉林で女性が出会ったものは背中に負ぶさってきたという(『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:20:17
アルム=バンド @Bredtn_1et

小長井では夜道で幟のようなものが現れて空へ上っていき、見上げるほど大きくなるものがあったという。仰いでひっくり返ると命を取られるという(『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。…珍しく人の形でないパターン。

2011-12-11 23:20:24
アルム=バンド @Bredtn_1et

京都府のものは夜に四つ辻や軒の下の石橋などから出るといい、逃げ出すと追いかけてくるという。

2011-12-11 23:20:35
アルム=バンド @Bredtn_1et

熊本県下益城郡では、暗夜に坂を通ると大入道が行く手を遮ったという。人がこの話をしながら通り掛かると「今にも」と言ってその大入道が出てきた。ために、その坂を「今にも坂」という(『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:20:42
アルム=バンド @Bredtn_1et

「今にも」と言って出るって、その妖怪の話をしながら通り掛かると「今もー出るーぞー」と言って出てきたという「油すまし」に似ているな、って、この話も熊本県だ(天草郡だけど)。> http://t.co/RqKStZfG Wikipedia - 油すまし

2011-12-11 23:20:50

見上げ入道・見上げ坊主

アルム=バンド @Bredtn_1et

さて、続いて「見上げ入道」。新潟県佐渡島に伝わる。夜中に坂道を登っているとよく出会うという。初めは小坊主のようであり、行く手を塞ぐ。おやっと思うと大きくなり、見ている人は後ろに倒れてしまう。

2011-12-11 23:21:41
アルム=バンド @Bredtn_1et

対策は「見上げ入道見越した」といい、前に打ち伏せれば良い、といわれる(『妖怪事典』、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:21:44
アルム=バンド @Bredtn_1et

また、神奈川では「見上げ坊主」が伝わる。山道で出会うといい、見上げれば大きくなり、見下げれば小さくなっていくという(『妖怪事典』、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:21:51

見越

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で、「見越し」。長野県南佐久郡、新潟県新発田市、静岡県榛原郡本川根町・周智郡などで伝わるという。新発田市のものは鼬の仕業とされるが、これとは別に川獺が化けた大入道は「ノツト坊主」と呼ばれるという(『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-12-11 23:22:00
アルム=バンド @Bredtn_1et

本川根町では、見上げている人がひっくり返ると命を取られるという。また、小長井の大入道と同じように幟が空を上っていくのを若者二人が見て、見越し入道だと驚いて逃げる、という話もあるようだ(『妖怪事典』)。

2011-12-11 23:22:14
アルム=バンド @Bredtn_1et

周智郡の花がら坂に出た見越しは一つ目ないし三つ目の入道であるといい、こちらから「見越した、見越した」といえば良いという(『妖怪事典』)。

2011-12-11 23:22:31
アルム=バンド @Bredtn_1et

なお、鳥山石燕『画図百鬼夜行』にも「見越」という名前の大入道が木の影から姿を覗かせている絵が描かれている。江戸時代の頃は見越し入道は妖怪の親玉と考えられていた、ともいう。

2011-12-11 23:22:36
アルム=バンド @Bredtn_1et

『和漢三才図会 巻四十』には「山都」と書いて「みこしにゅうどう」と読ませ、見越し入道が記されている。身の丈は高く無髪で、背後から頭を越えて覆い被さるように人の顔を見るという。なお、「山都」は『述異記』にある神の名前という。

2011-12-11 23:22:43

ノツト坊主

アルム=バンド @Bredtn_1et

「ノツト坊主」は新潟県新発田市に伝わる妖怪で、川獺が化けた大入道の一種とされる(鼬が化けたものは「見越し」と呼ばれる)。これが現れたときは地面を横なぎに叩けばよいとされ、また人間の小便が毒になるという(『妖怪事典』)。これも一つのバリエーションとして補足。

2011-12-13 00:01:50

見越し入道

アルム=バンド @Bredtn_1et

…さて、最後に最も広く流布している名前「見越し入道」を。これは本当に各地に散らばっているし、書物に記されていることも多い。特に江戸時代のものが多いか、『宿直草』『煙霞奇談』『百物語評判』など。

2011-12-11 23:29:47
アルム=バンド @Bredtn_1et

『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』では福島県、東京都、神奈川県、長野県、愛知県、岡山県、長崎県に名前が見える。福島県のは鼬の仕業とし、見上げると喉笛に噛み付かれるという。同じ県だからか、同県の入道坊主と同じパターン。

2011-12-11 23:30:05
アルム=バンド @Bredtn_1et

なお、この見越し入道は手桶や提灯を持っているといい、器物を手にしているという点では結構レア?

2011-12-11 23:30:09