スリー・ダーティー・ニンジャボンド #6
「アブナイ!」ワタアメが叫んだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャスレイヤーは後方にトラースキックを繰り出し、背後から斬りかかろうとしていた8フィート鬼人の顔面を粉砕殺!さらに「イヤーッ!」襲いかかるイヴォルヴァーのチョップ突きを、片足を上げたままの両腕クロスでガード! 23
2011-12-21 16:25:07「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」立て続けに繰り出されるイヴォルヴァーの強烈なチョップ突きをさばきながら、ニンジャスレイヤーは会議場戸口へ視線を投げた。血煙とともにジゴクめいたバズソーが飛び込んで来て、そちらへ向かったもう一人の鬼人の首を刎ねたところだった。「アバーッ!」 24
2011-12-21 16:32:49「ジェノサイド=サン!」ワタアメが涙声で叫ぶ。「嬢!」「フン」イヴォルヴァーは新たな闖入者を一瞥、いきなり身を沈め、足下のタタミを掌打した。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの目の前で壁めいて跳ね上がり、視界を遮るタタミ!「ヌウッ!?」「イヤーッ!」「グワーッ!?」 25
2011-12-21 16:49:44ニンジャスレイヤーを壁まで吹き飛ばしたのは、タタミを突き破って飛び出した丸太めいた腕!ニンジャ装束の破片がまとわりつき、紫の筋肉を浮き上がらせた腕……!「アイエエエ!」ワタアメが悲鳴を上げる!タタミを引き裂き仁王立ちしたのは、9フィートの巨体!信じ難いがイヴォルヴァーだ! 26
2011-12-21 16:57:56「イヴォルーション(進化)!素晴らしいジツ!」イヴォルヴァーはなかば恍惚として、フロアのニンジャ二人を侮蔑的に見下ろした。髪は逆立ち、膨れ上がった筋肉に装束は破けて腰から上は裸だ。ナムアミダブツ!自らにあの怪物を作り出すジツを作用させたというのか!なんたるデーモンじみた姿! 27
2011-12-21 17:05:54「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーが咄嗟に投げたスリケンを、イヴォルヴァーはハエめいて煩わしげにつまみ取る。「イヤーッ!」ジェノサイドは一跳びに跳躍し、バズソーで斬りかかる!「イヤーッ!」だが、ナムサン!次の瞬間身体をくの字に折り曲げて吹き飛んだのはジェノサイドだ! 28
2011-12-21 17:15:14「グワーッ!」速い!バズソーが振り抜かれるより早く、真っ直ぐな飛び蹴りがジェノサイドの腹部を直撃したのだ!蹴りの反動で後方へクルクルと回転着地したイヴォルヴァーはワタアメの服を掴み、彼女を目の高さまで持ち上げる!「アイエエエ!」「お前を忘れてはいないぞ」「アイエエエ!」 29
2011-12-21 17:20:28「お前!お前……!訊きたいことがある」ジェノサイドが叫んだ。「ンー?何だね」ワタアメを吊り上げたまま、イヴォルヴァーが見下ろす。「そのジツは!何処で手に入れた!」「ンー?」「この先の古城だ、そうだろ!」イヴォルヴァーは目を細めた。「……だったら何だね?お前は死ぬんだぞ」 30
2011-12-21 17:29:50「それだけわかりゃァ十分だ、ありがとよ……」ジェノサイドは喉を鳴らした。「あとはテメェを殺してスッキリお終いだ……」「そのザマでよく言えたものだ!」イヴォルヴァーは嘲笑った。「悪いが全然痛くも痒くもねェんだよ……!」ジェノサイドが一歩踏み出す。ニンジャスレイヤーもだ! 31
2011-12-21 17:39:37ミシッ!その時だ、天井が嫌な軋み音を鳴らし、パラパラと木屑が床へ降ってきた。その直後、天井が裂け、巨大なバイオ蛙が落下して来た!「!?」「ドーモ!フロッグマンです」蛙にまたがったニンジャはタタミのたもとの床に着地、会議場の人間にアイサツした。「フフフ」イヴォルヴァーが笑う! 32
2011-12-21 17:48:45さらにその天井の穴から水銀めいたスライム体がボドボドと滴り落ち、フシギめいて人型に隆起、フロッグマンのすぐそばでニンジャの姿をとった。「ディスターブドです」「遅いぞ、役立たずども」イヴォルヴァーは尊大に言った。「インゴットを減らされたいか」「それは許してくれ」とフロッグマン。33
2011-12-21 17:53:13「首尾は」「ああ、いいぜ。一人減らせただろ」フロッグマンはニンジャスレイヤーとジェノサイドを見た。「雁首そろえてその程度の成果、アテにならん奴らよ」イヴォルヴァーは言った。「もう一匹、ハイドラは」「……俺はここだぜ」入り口のノレンをくぐり、手足の長いニンジャが歩いてきた。 34
2011-12-21 17:57:14「……テメェ」ハイドラの姿を目にしたジェノサイドが目を丸くした。「寸刻みでもまだ足りねェのか」ハイドラは耳障りな声で笑う「俺は不死身よォ!兄者に拾ってもらったンだ、元通りよ!」三眼が光り、ジェノサイドを睨み返す。「役者が揃ったぞ」とイヴォルヴァー。「二人でどう切り抜けるね」 35
2011-12-21 18:02:11「全くだぜ」フロッグマンはイヴォルヴァーを睨み、小声で呟いた。そしてニンジャスレイヤーに言った。「久しぶりだなぁニンジャスレイヤー=サン。ノトーリアスが実際世話になったじゃねェか」「……」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構える。まさに今、六人ものニンジャが会議場に敵対す! 36
2011-12-21 18:15:26「……だがまァ、ノトーリアスの奴は戦って死んだと聞いてる。不名誉な死じゃねェと」フロッグマンが付け足した。「だから復讐だけは勘弁してやる。普通の殺し合いに戻してやるよ」「何をくだらん話をしている」イヴォルヴァーは苛立たしげに口を挟んだ。「フォレストの首は……」「イヤーッ!」 37
2011-12-21 18:28:31ゴウランガ!天井の穴からイヴォルヴァーめがけ斜めに飛び降りてきた新たなニンジャが、回転しながら足元に着地!「グワーッ!?」イヴォルヴァーは手首を押さえ苦しむ!切り株めいてケジメされた手首から噴き出す鮮血!「ゲコーッ!」すかさず蛙の舌が伸び、手首ごとワタアメを巻き取った! 38
2011-12-21 18:56:35編笠を被ったアンブッシュ者は素早くステップアウトし間合いを取る。クロスさせた二刀流のマチェーテが血に濡れている!たった今切り落とした手首の血に!「ドーモ、はじめましてイヴォルヴァー=サン。サヴァイヴァー・ドージョーのフォレスト・サワタリです!」彼はアイサツした!誇り高く! 39
2011-12-21 19:02:23(第二部「キョート殺伐都市」より:「スリー・ダーティー・ニンジャボンド」#6 終わり。#7に続く)
2011-12-21 19:04:50