見逃した方のために…NHK 追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」文字起こし
- toshihiro36
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<ナレーション> ガンになった人の被曝量を調べると、事故後10年間の積算でいずれも10ミリシーベルト以下だったことがわかりました。ICRPがほとんど影響がないとしている低線量でも、ガンになる人が増えていたのです。
2011-12-29 09:58:06トンデル博士:この結果に驚きました。明らかになったリスクがICRPより高かったからです。リスクは外からの被曝だけでなく、内部被曝に左右されるのです。
2011-12-29 10:00:26<ナレーション> 次に追跡チームが向かったのは、世界一の原発大国アメリカ。ここではより影響を受けやすい子供たちに深刻な問題が起きていました。イリノイ州シカゴ郊外。周辺に3つの原発が集中しています。原発から排出される汚水には放射性トリチウムが含まれていますが、
2011-12-29 10:05:13<ナレーション> アメリカ政府は国際基準以下なので影響はないとしてきました。しかし近くの町では子供たちがガンなどの難病で亡くなっていました。6年前に建てられた慰霊碑。足元のレンガにはこれまでに亡くなった100人の名前が刻まれています。
2011-12-29 10:10:07<ナレーション> 住民を代表し、被害を訴えている親子がいます。シンシア・ソウヤーさんとその娘セーラ(18)さんです。セーラさんは10年前、突然脳腫瘍を患いました。治療の後遺症で18歳になった今も身長は140㎝ほどしかありません。
2011-12-29 10:16:25シンシア:セーラはあの井戸の水をまいて遊び、食事をしていたんです。病気になってからはシカゴから水を取り寄せるようになりました。怖かったので、その水で料理をし皿を洗い、歯を磨かせていました。
2011-12-29 10:23:17<ナレーション> ソウヤーさん夫妻はガンと原発との関係を証明するため、州政府からあるデータを取り寄せました。過去20年間、全住民1200万人がどんな病気にかかったかを記した記録です。小児科医の夫ジョセフさんが分析したところ原発周辺の地域だけが脳腫瘍や白血病が30%以上増加。
2011-12-29 10:28:30<ナレーション> なかでも小児ガンは、およそ2倍に増えていました。ソウヤーさん夫妻は全住民の徹底的な健康調査を求めました。しかし国は「井戸水による被曝量は年間1マイクロシーベルトと微量で健康を脅かすことはない」と回答してきました。
2011-12-29 10:33:14NHKのスタジオ
室井:いまのVTRはショックでしたね。基準値内だと「リスクは低い」って言い方をするんですけど…ガンにかからない人もいるだろうけど、セーラさんみたいにかかってしまう人もいるわけで。だから「リスクは少ない」という言い方は、逆にして言うと「リスクを背負い込む人もいる」ということですね。
2011-12-29 11:10:58西脇:それが彼女がどれだけ被曝したのかはわかっていないんですね。政府や電力会社は「基準以下だったので健康被害はない」として、実際の被曝量を測っていないんです。
2011-12-29 11:15:53室井:そんなの、すごくわかりづらいですね。子供が病気になったとしたら、別に損害(賠償)を求めたいんじゃなくて、病気にかかる前の健康な状態に戻してもらいたいと思うけど…それは、かかってからだと無理な話じゃないですか。
2011-12-29 11:19:07西脇:これはどれだけ被曝したらガンで亡くなるリスクが高くなるかということを示したグラフです。ICRPでは100ミリシーベルトでは0.5%ガンになるリスクが高くなるとしています。一見すると「大したことないじゃないか」と思われるかもしれませんが、例えば1万人の人がこれを浴びた場合は、
2011-12-29 11:23:48鎌田:我々がいつも疑問なのは、じゃあこれ(100ミリシーベルト)より低い場合は…これが正しいかどうかも含めて、本当にこれでいいのかどうかわからない。
2011-12-29 11:28:57西脇:まさにそこのところはVTRで見ていただいた通りに、内部被曝の影響とか感受性の高い子供への影響ということで。やはり低線量であっても影響が高いのではないかという意見もある一方で、少しずつ浴びていく場合には細胞が放射線に対して抵抗力を持つとか…
2011-12-29 11:35:40