微分ヤクザPの戦力確認

よく分からないが為になった。
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相転移P @phasetr

@phase_tr あと有限温度(一応極低温を仮定)の場合の平衡状態にすると,さらにBECが出てくるはずなのでもうどうしたらいいのか分からない.レーザーなどの絡みもあって,平衡(基底状態)への回帰問題もあるが,こちらも事実上電子系に厳しい制限がついたところでしか結果がない

2011-12-31 23:13:23
相転移P @phasetr

@phase_tr 言い忘れていたが,多分物質の安定性問題はもっと根が深い.詳しく知らないのだが,クォークの閉じ込め関連は物質の安定性絡みの問題と認識している(違うなら教えてほしい).物質の安定性はほぼ数理物理の人間だけしかやっていないらしいのだが,色々アレだ

2011-12-31 23:15:28
相転移P @phasetr

@phase_tr 相転移Pの名に恥じぬように少しは相転移の議論を紹介しておこう.スピン系は触ったことがないのでハバードの話だ.先程も言ったが,ハバード-フォノンも電子-フォノン系なので電子間に引力が発生し得る http://t.co/ozRDwaOW とか見てほしい

2011-12-31 23:18:31
相転移P @phasetr

@phase_tr 引力ハバードはLieb-Mattisの有名な結果があり,基底状態がスピンシングレットになる.当然,斥力ハバードは適切な条件下で強磁性が出る.大雑把にいって電子-フォノン系では電子間力の符号で全スピンの振る舞いが決定的に変わる.

2011-12-31 23:20:46
相転移P @phasetr

@phase_tr http://t.co/obu86YRZ はFreericks-Liebによる結果だ.これは絶対零度なので高エネルギーがフォノンは無視できるとして,フォノンを有限自由度にして量子力学的に扱って引力的な結果を出した論文だ

2011-12-31 23:24:46
相転移P @phasetr

@phase_tr これの場の理論版も示せる.こちらはより強kフォノンの赤外発散があっても基底状態が,引力ハバードではスピンシングレット,斥力ハバードでは強磁性が出ることが分かっている

2011-12-31 23:26:23
相転移P @phasetr

@phase_tr この系で有限温度だと磁性については何も出てこないが,それでも極低温ならフォノンのBECは出るはずだ.証明が間違っていなければ実際にそうなる.ちなみにこの辺の証明は作用素環を使っているので,経路積分でどう見えるかをこれから調べていきたいと思っている

2011-12-31 23:28:17
相転移P @phasetr

@phase_tr さらに,物性をやっているので電子系を無限多体系にしたい.これは電子系単独で既に危険な領域に入っている.繰り込み関連で http://t.co/8lQCU8IM があるのは知っている.これはグラフェンの解析だ

2011-12-31 23:31:13
相転移P @phasetr

@phase_tr まだ全然読めていないが,2 次元で繰り込みをやっている.著者に聞いてみたら,強磁性が出るときにも使えそうだという感触はあるとのことであった.興味がある向きは死ぬ気で解析されたい

2011-12-31 23:33:01
相転移P @phasetr

@phase_tr http://t.co/XU9U1lFv は一応無限体積ハバードで強磁性を示した論文だ.いまだにきちんと読めていないので間違っているかもしれないが,簡単に内容を紹介する

2011-12-31 23:38:29
相転移P @phasetr

@phase_tr 単純なハバードではなく軌道が2つある系を考えている.上にある系の電子をスピンごと固定する.その上でスピン相互作用で下の電子のスピンを強制的に揃えさせて強磁性を発現させるというタイプの証明であったと思う.つまり微妙にやらせくさい

2011-12-31 23:42:08
相転移P @phasetr

@phase_tr ハバードで強磁性が出るのが凶悪なのはスピン系と違って,スピンが揃うという効果をハミルトニアンに入れていないのに基底状態でスピンが揃うからだ.そこを曲げてやっている感じなので色々不満がある

2011-12-31 23:43:26
相転移P @phasetr

@phase_tr 念のために言っておくと著者の1人Froehlichは数理物理の神々のクラスにいる人間である.このクラスでもそれくらいの結果しか出せていない程度に何も言えていない.

2011-12-31 23:44:46
相転移P @phasetr

@phase_tr Froehlichに無限体積ハバードの強磁性の質問をして教えてもらった論文があるのだが,それは前半は確かにハバードなのだが最後の磁性関連のところでモデルがハイゼンベルグになっていた.どういうことだ,と思ったが,それでもさっぱり分からなくてさめざめと泣いた

2011-12-31 23:46:11
相転移P @phasetr

@phase_tr 無限体積で有限温度だと,フェルミ面近傍の生成・消滅,スピン波,フォノンの赤外発散を全て斬り伏せた上で強磁性+BECの相転移とかかなりファンキーな現象が(数学的には)期待されるので,大変に公共的で殺人的な系である

2011-12-31 23:47:47
相転移P @phasetr

@phase_tr 私の知る限りにおいてだが,相転移はこの間の南部さんのノーベル賞関連の業績から本格的な研究が始まったと認識している.素粒子で相転移が大事になったが素粒子模型で議論するのは難しすぎる.ギリギリ解析できて意味もある模型はどれか,という所からスピン系が選ばれたそうだ

2011-12-31 23:51:41
相転移P @phasetr

@phase_tr 最近もヒッグスだか何かで話題になったようだが,自発的対称性の破れも磁性で一番先に詳しく調べられたと聞いている.あとこれもこの間言ったφ^4の解析で難しい部分が相転移と臨界現象の議論に落とせることもあってさらに重要性が増したようだ

2011-12-31 23:53:31
相転移P @phasetr

@phase_tr 面白いかどうかという意味では,ある程度物理をやった人には自明に面白い系だと思うが,自分で新たに現象を発見したいというタイプの人には面白くない解析だとは思っている

2011-12-31 23:54:42
相転移P @phasetr

@phase_tr それこそ幼稚園児でも分かる磁石の解析をしているわけで,ある意味で分かりきったことだから.「磁石の存在証明を研究しています」とかその辺の人に行ったら頭がおかしい人だと思われかねない,色々とアレな分野なのであった(完)

2011-12-31 23:56:19
相転移P @phasetr

@phase_tr (完)といいつつ1つ思い出したので追記する.前,田崎さんが相転移だとかは(比較的簡単で綺麗で分かりやすい)スピン系でやるのがいいとか何とか言っているのを聞いた覚えがある.磁石だからある程度直観的でもあるので

2011-12-31 23:58:02
相転移P @phasetr

@phase_tr だがスピン系だと本質的に相互作用系なので,それがひどく面倒だ.一方でBECだとフリーボソンでも出るので簡単なのは簡単だ.学部3年でもできる.意味が分かるかは別として.ちなみに自発的対称性の破れまできちんと示せる

2011-12-31 23:59:08
相転移P @phasetr

@phase_tr 興味のある向きは新井先生の量子統計力学の数理を読んで欲しい.自発的対称性の破れまできちんと書いてある

2011-12-31 23:59:40
相転移P @phasetr

@phase_tr 以上でとりあえず緑なPと殴り合うための武器は揃えた.物理方面で私が使える武器はこれで全てだ.年明け早々から戦闘開始なので今年は良い年になりそうである

2012-01-01 00:01:53