シャドー・コン #8

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(相手がワザマエで勝るならば肉を捨て骨となれ。骨のオヌシには何が残る?問うべし。そしてチョップし、チョップせよ)「イヤーッ!」「グワーッ!?」三撃目のチョップがサラマンダーの肩、全く同じ場所に叩き込まれる!サラマンダーはガードを「イヤーッ!」ハヤイ!四撃目!「グワーッ!」 24

2012-01-12 16:24:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サラマンダーは腕を「イヤーッ!」「グワーッ!?」ハヤイ!五撃目!サラマンダーは側「イヤーッ!」「グワーッ!?」ハヤイ!六撃目!「これは……これは」「イヤーッ!」ハヤイ!七撃目!「グワーッ!」サラマンダーは捨「イヤーッ!」ハヤイ!八撃目!「グワーッ!」 25

2012-01-12 16:30:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(何も……できぬ!)サラマンダーの時間感覚が研ぎ澄まされた。彼のニューロンに刻み込まれたワザマエのライブラリーが高速で検索され、この窮地を抜け出す手段を狂おしく探し求める。だが!チョップが!ハヤイ!「イヤーッ!」「グワーッ!」ただのチョップ!基本の中の基本のカラテが! 26

2012-01-12 16:33:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」チョップにチョップを重ねるニンジャスレイヤーは今やチョップという概念存在そのものであり、ただ一筋のチャドーの炎の軌跡であった!ニンジャスレイヤーはチョップであり、チョップがニンジャスレイヤーだ!「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」27

2012-01-12 16:42:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」「イヤーッ!」ハヤイ!「グワーッ!」 28

2012-01-12 16:44:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フジキド!……フジキドーッ!」ユカノが泣き叫んだ。バンシーはあまりの事に呆然自失の状態であり、ユカノはその抑制を振り払った。「フジキド!」ナムサン!立体座敷から飛び降りようとするが、エリートスモトリが壁めいて立ちはだかり、阻む!「ドッソーイ!」「ンアーッ!」 29

2012-01-12 16:51:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ハヤイ!「グワァァーッ!」サラマンダーが膝をついた!その肩は鎖骨が割れ、斜めに裂けて、縦の傷が胸まで達せんばかりであった。サラマンダーは死力を振り絞り、見上げた。赤黒く燃える右手を天高くかざすニンジャスレイヤーがサラマンダーを見下ろし、仁王立ちしていた。 30

2012-01-12 16:54:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

今やチョップの嵐は去り、そこにいるのは最後の一撃を打ち下ろす鉄槌と化したニンジャスレイヤーであった。そして、敗れたサラマンダー。この瞬間、二者は無言の会話をかわした。かつてドラゴン・ゲンドーソーから教えを受けた二人の戦闘者は。 31

2012-01-12 16:59:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(……サラバ。ニンジャスレイヤー=サン)サラマンダーは最後の力で、迎え入れるように、両手を広げた。「……イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは灼熱の一撃を打ち下ろした。カイシャク!サラマンダーは爆発四散した。 32

2012-01-12 17:03:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ワオオオオオーッ!」「アバッ!?ア、アッバーッ!?」「アババババーッ!」「アアアーッ!ニンジャ!ニンジャーッ!」おお、ナムサン!その時だ!サラマンダーが死を迎えたその瞬間、シャカリキとニンジャリアリティの過剰摂取に晒され続けた観衆達は、ニューロンの耐久限界を超えた! 33

2012-01-12 17:08:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

通常、ニンジャ存在の災害的な働きを目の当たりにすれば、人はニンジャリアリティショック症状を引き起こし現実世界から強制的に意識を遮断、あるいは自ら耐性を作り出す。それによって精神の均衡を、遅かれ早かれ取り戻すのだ。だが薬物摂取によるかりそめの耐性は、ひとたび破られれば……! 34

2012-01-12 17:14:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アーイイー!」「ニンジャー!」「ニンジャダモノー!」「アバババババーッ!」口々に叫び、あるいは失禁、あるいは嘔吐、あるいは吐血しながら、アンダーグラウンド・カルチャーの享受者達は互いに殴り合い、噛みつきあい、獣めいて吠えたけった。コワイ!なんたるマッポーの現出! 35

2012-01-12 17:23:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャ!」「ニンジャだッ!」「アリーナニンジャ!」「ドヒョーニンジャ!」「ウッハッハッハッハッ、ニンジャ!」貴賤老若男女かかわらず幽鬼めいた暴徒と化した群衆はドヒョー・リングを指差す。「ニンジャ!ニンジャ!」「ウッハッハッハッハッ、ニンジャ!」そして一斉に雪崩れ込む! 36

2012-01-12 17:27:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チィー!なんだ、くそ、これは!」涙を拭い、バンシーが観客席を睨み渡した。押し寄せる者どもを!「マッポーカリプス……」ストレッチャー上のミラーシェードは呆然と呟く。「フジキド!」ユカノが叫んだ。エリートスモトリがガッチリと彼女を捕まえ、拘束している。「ユカノ!」 37

2012-01-12 17:31:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは駆け寄ろうとするが、既にドヒョーの上にまで群衆は達しようとしていた。「イチロー……ニンジャスレイヤー=サン!」人に呑まれながら、モミジが声をからして叫んだ。「ニンジャスレイヤー=サン!俺は!俺は絶対に忘れねえ!お前の恩を!絶対に!」モミジは人波に消えた! 38

2012-01-12 17:34:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「貴様らクズどもーッ!」バンシーが両手のサイバネ機構をかざした。これは彼のジツ、その名の由来となったサウンド攻撃のジツだ!「イヤーッ!」キィィィィィィ!彼が両手を向けた方向の人々が、耳から血を流して将棋倒しになってゆく!ナムサン! 39

2012-01-12 17:38:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ユカノ!ヌウーッ……ユカノーッ!」ニンジャスレイヤーは絶叫した。「フジキドーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!」回し蹴りを何度も繰り出し、押し寄せるカチグミやジャンキー、モヒカン、サイバーボーイ、ペケロッパ・カルティストらを跳ね飛ばすが、キリが無い! 40

2012-01-12 17:42:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウオオオーッ!」サウンド攻撃で群衆を薙ぎ倒すバンシー、「イヤーッ!イヤーッ!」必死に蹴りを繰り出しユカノへ近づこうとする手負いのニンジャスレイヤー、「フジキドーッ!」スモトリに抱えられ泣き叫ぶユカノ。ケオスの波の中、ミラーシェードとモミジの姿は見えぬ。 41

2012-01-12 17:45:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドオン!……その時だ。二階席の壁が何らかの爆発で吹き飛ばされ、大穴が口を開けたのである。「アバーッ!」発狂にまかせ、いまだスタンド席で泣き叫んだり互いに激しく前後していた者らが、爆風に巻き込まれて即死!アリーナのまともな数人は反射的にそちらを見上げた。42

2012-01-12 17:51:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

大穴から、風のような三つの影が飛び込んできた。一つはそのまま滑空して天井近くを旋回飛行し、他の二つはひと跳びでスタンド席の縁の手摺を蹴って、アリーナへ飛び降りた。「アバーッ!」二つの影の着地点半径5メートルの群衆は、その際に全て即死した。 43

2012-01-12 17:56:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

お察しの通り三つの影は全てニンジャである。旋回する象牙色のニンジャは群衆めがけ焼夷弾を撒き散らし、焼き殺して行く。「あ……任務……これは任務だから仕方ない……任務だから……アーいい……たまらない……」猛禽のクチバシめいたメンポの中で、彼は決して他者に聞かせぬ独白を繰り返す。 44

2012-01-12 18:00:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼の名はアイボリーイーグル。ザイバツ・シテンノの一人であり、歪んだサディズムの持ち主であった。人前で常に寡黙、怜悧な彼は、決して私欲で無駄な殺しはしない。任務でやむなく人を殺さねばならない局面に己の身を任せ、密かな性的興奮を得るのだ。だがその事には今は触れずともよかろう。 45

2012-01-12 18:07:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

では、アリーナに今まさに着地した二者は?一人は女ニンジャであり、白く肉感的な太腿、豊満な胸の谷間も露わなボンデージ装束に身を包んでいる。そして、彼女に護られるように立つチーフ存在。着地点の人々をその手のカタナでナマスのように一瞬で切り刻んだのは彼だ。 46

2012-01-12 18:16:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンーフフ……ケオスね。お肉……ファハハハ!」何かを秘めたメンポから笑い声を響かせる女ニンジャは、アイボリーイーグルと同じくザイバツ・シテンノのパープルタコ。「……」邪悪な重みを感じさせるカタナを振って血を払い、鞘に納めた男は……ダークニンジャ。 47

2012-01-12 18:23:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア……アア……ア……」バンシーが凍りついた。「懲罰騎士……ダークニンジャ……?」震えるバンシーの背後に、上空から垂直落下してきたアイボリーイーグルが立った。「バンシー=サン。ひとまず貴公は拘束する」一瞬にして、後ろにまわされた彼の手に剛性バンブー手錠がかけられた。 48

2012-01-12 18:33:08