秋葉原駅のむかしばなし~貨物駅時代から駅名の由来まで~ 水陸連絡もあるよ

秋葉原駅はただの電気街のターミナル駅ではない。その昔、貨物駅があり、東京の台所を支えてきた時代から神田川の水運と緊密な関係があった。墨東公安委員会氏が語る秋葉原の駅名の由来はとても興味深い。
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墨東公安委員会氏が語る秋葉原駅の駅名の由来

墨東公安委員会 @bokukoui

このまとめ http://t.co/5kqTV2sb 経由で見た動画「昭和16年 貨物列車」 http://t.co/pNV1FlTb 6分47秒ごろ、貨車の行先を連絡するところで、「あきばはら駅」と言っているように聞こえる。当時そう読んでたのか、現場の慣用か、単なる誤用か。

2011-12-30 22:13:39
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅で思い出したが、今から百年前(1911年)鉄道院の高等官名簿を見ると、駅長が奏任官以上(今でいえばキャリア官僚待遇)の駅は、上野・秋葉原・隅田川・新橋・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸だけだった。ちなみに現業で高等官なのは他に、連絡船の船長と機関長もそうだったりする。

2011-12-30 22:19:23
墨東公安委員会 @bokukoui

ご教示ありがとうございます。「秋葉原」の名前の発祥とされる神社は確かに「あきば」神社なので、本来はそう読んだはずと思います。ただいつからどうして「あきはばら」に変わったかはよく分かりませんね。 @MoonCottage @harima1330057

2011-12-31 01:08:56
墨東公安委員会 @bokukoui

@sakura_ariake 他の駅はまあ納得の顔ぶれですが、秋葉原と隅田川は貨物駅ですから、当時の鉄道に於ける貨物の重要性と、両駅のその中でのウエイトがよく分かりますね。駅の格付けはご指摘の東京駅はじめ、きっと今でも生きていると思います。

2011-12-30 22:40:38
墨東公安委員会 @bokukoui

「秋葉原駅」1:さっきのツイート https://t.co/WPBA0apk に関して幾つかご指摘をいただいたので、以前サイトに書いた(サイトごと消滅)話を再録。「秋葉原」の読みは、昔は違っていたという話がある。「あきばはら」「あきばっぱら」「あきばがはら」「あきはのはら」など。

2011-12-31 01:14:40
墨東公安委員会 @bokukoui

「秋葉原駅」2:明治時代はとにかく、「あきはばら」でなかったことは確からしい。小生が知る限りでは、『東京駅誕生』という本に載っている、明治時代のお雇い外国人・バルツァーの論文中に、秋葉原駅が「Akihanohara」というローマ字で書かれている。

2011-12-31 01:18:02
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅3:その論文は貨物駅時代の明治末年だったと思うが(いまちょっと部屋が大掃除未遂で見つからない)、それ以外にも明治時代の読みとしては、「あきばっぱら」「あきばがはら」など諸説がある。確定していなかったのかもしれない。

2011-12-31 01:19:20
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅4:ではそれがいつ「あきはばら」になったのか、これもよく分からないが、これまた小生の知る限りでは、永井荷風の『断腸亭日乗』に、秋葉原が旅客駅化した直後に乗って「『あきばがはら』を『アキハバラ』と読むなんてけしからん」と怒っている記述があったので、旅客化ごろかと思われる。

2011-12-31 01:22:36
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅5:『断腸亭』がこれまた行方不明なのでこれがいつのことかは今分からないが、山手線環状運転開始後だから1925年以降なのは確か。ところが先ほどのツイートで紹介した動画は、1941年制作の映画なのに、「あきばはら」と言っていたので驚いた次第。

2011-12-31 01:25:25
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅6:さて、荷風先生は「あきはばら」の読みについて、「鉄道省の田舎漢」と、確か罵倒していたと思う。で、小生の考えではこれは、具体的には山手線の上野~秋葉原~東京間の建設のトップでもあった、鉄道技術官僚(土木屋)の八田嘉明を指しているのではないかと憶測している。

2011-12-31 01:28:53
松永英明@ことのは#ゲニウス・ロキ @kotono8

@bokukoui @MoonCottage @harima1330057 @k_semaki 秋葉原の名前の由来とされる秋葉神社、創建時は「鎮火社」でしたが、やがて「火の神様なら秋葉様だろう」という推測で秋葉社とされています。http://t.co/0s6BVqA8

2011-12-31 01:29:11
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅7:八田嘉明という人はあまり知名度がないかもしれないが、技術官僚から大臣にまで出世した大物である。で、この人、中学校かどっかで荷風と同級だった。さらに同級には、ゴー・ストップ事件とかで有名? な、太平洋戦争中の南方総軍司令官・寺内寿一もいた。

2011-12-31 01:34:41
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅8:で、寺内と八田は、長髪にして小説なんか読んでいた同級生の荷風を「軟派だ」と、髪を鋏でちょん切るイジメをしたそうな。荷風は戦後、中学校のある同級生が自宅に来たとき、顔を見たとたん「帰れ」とだけ言って引っ込んだという。文化勲章をもらっても、イジメの恨みは消えないのか。

2011-12-31 01:37:59
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅9:もう秋葉原と関係なくなってきたけど(苦笑)、この辺の話は八田嘉明の息子が編纂した伝記に載っていたので(確か『父八田嘉明の思い出』だったっけ)、まあ根拠のない話ではないのでしょう。

2011-12-31 01:39:29
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原10:話をちょいと戻しまして、その八田嘉明は、上野~秋葉原~東京間延伸時の、鉄道省建設局長でしたから、鉄道建設部門の大親分だったわけで、秋葉原と縁がない訳ではありません。ただ、個人的な思いつきですが、駅名の読みを云々しそうな鉄道官僚には、別の候補もあるかなと。

2011-12-31 01:43:49
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原11:秋葉原に旅客駅ができた頃、鉄道省の大物官僚として知られた人物に種田虎雄という人がいる。当時の鉄道記者(前出の青木)の本だったと思うが、「鉄道の種田か、種田の鉄道か」といわれたという程であったという。で、彼の義理の弟が、国語改良論者の保科孝一だったのである。

2011-12-31 01:47:49
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅12:保科が後年、種田の伝記で語るところでは、種田は運輸局長時代に保科の意見も参考に、鉄道の駅の駅名板を、右書き旧仮名遣いから、左書きで今のような発音通りの表記に書き直させたのだそうである。例えば「ふふか」→「こうふ」みたいな。

2011-12-31 01:50:04
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅13:もっとも種田の改革は、その後小川平吉鉄道大臣(国家主義的と言われるが、免許ばらまき行政で悪名高い)が元に戻してしまったと言うが、種田によって鉄道省内に、漢字をより機械的に読む(荷風に言わせれば「田舎漢」だが)傾向が生じた、なんてのは小生の空想ですが。

2011-12-31 01:53:33
墨東公安委員会 @bokukoui

秋葉原駅14:この説の問題点は、肝腎の秋葉原駅開業時には、種田は九州の鉄道局長で、直接関わってはいないということです。ので、まあ思いつきなので、他に史料が出てくればそっちを優先すべきことではあります。

2011-12-31 01:55:40
墨東公安委員会 @bokukoui

@Kossun_E38 読み方が一通りに決まるべきである、という発想自体が案外新しいものかもしれませんね。

2011-12-31 02:00:32