クローズアップ現代『“必修化”は大丈夫か 多発する柔道事故』 書き起こし

2月6日に放送されたクローズアップ現代です。 この4月から中学校で武道が必修化される際に、多くの学校が柔道を選ぶであろうこと。柔道の事故率が他のスポーツに比べて非常に高いことなどについて。 司会:国谷裕子アナ ゲスト:二村雄次(医師)、藤原記者(名古屋放送局)
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オープニングのVTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 4月から中学校の授業で武道が必修になり、多くの子どもたちが柔道を学ぶことになります。ところがその直前になって、柔道の事故が学校で多発していたことが明らかになってきました。過去28年間に中学、高校で114人の子どもたちが死亡、275人が重い障害を負っていたのです。

2012-02-07 15:27:59
とし @toshihiro36

柔道事故の遺族: もっと早くこういう現状があるとか、柔道には危険がすごい付いてくるということを知っていたら、もしかしたら(柔道を)やらせなかったのかもしれないなと…

2012-02-07 15:31:03
とし @toshihiro36

<ナレーション> 安全に授業はできるのか?必修化を前に初めて柔道を教える教師たちのために、各地で講習会が開かれています。

2012-02-07 15:33:17
とし @toshihiro36

中学校の教師: 実際にそういう事故が起きているというのは不安になりますし、やっぱり心配な部分はあります。

2012-02-07 15:34:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> 文部科学省は必修化の準備は十分だとして、「4月の開始を見直すつもりはない」といいます。

2012-02-07 15:37:13
とし @toshihiro36

文部科学省の担当者: 現段階では何度も申し上げますが、見直しということについては考えていないというところであります。

2012-02-07 15:38:54
とし @toshihiro36

<ナレーション> このまま必修化して大丈夫なのか?子どもの安全は守れるのか?考えます。

2012-02-07 15:41:08

ここからスタジオになります

とし @toshihiro36

国谷アナ: こんばんは、クローズアップ現代です。中学校での武道の必修化が決まったのが4年前のことです。いよいよこの4月から、男女とも武道の授業を受けることになります。武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにするというのが学ぶ目的です。

2012-02-07 15:45:39
とし @toshihiro36

国谷:続き)各学校は主に柔道、剣道、相撲この3つの種目から一つを選ぶことになります。剣道には防具が必要、相撲には土俵が必要という事情もあって、柔道を選ぶ学校が多くなるのではないかといわれています。必修化が目前に迫っていますが、学校現場では柔道を経験したことがない生徒たちを

2012-02-07 15:50:16
とし @toshihiro36

国谷:続き)柔道を体験したことがほとんどない多くの先生たちが教えることになります。そこで懸念されているのが、教える側が柔道の危険性を十分に把握し、生徒の安全に配慮しながら教えることができるかどうかという点です。というのも、こちらをご覧ください。

2012-02-07 15:53:56
とし @toshihiro36

国谷:続き)これは中学校で行われている部活動の死亡率を種目別に見たデータです。部員10万人当たりの柔道の死亡率はおよそ2.4人。バスケットや野球と比べ、柔道は6~7倍と突出して高いのです。柔道で死亡や重い障害が残る怪我がなぜ多発するのか。どうすれば予防することができるのか。

2012-02-07 16:01:16
とし @toshihiro36

国谷:続き)必修化を決めた国が十分に柔道事故の分析を行った上で、安全確保に向けた適切な指導方法を学校現場に伝えることができていない。取材を通して、そんな実態が浮かび上がってきました。

2012-02-07 16:05:20

VTRになります

とし @toshihiro36

<ナレーション> 滋賀県愛荘町の公立中学校1年生だった村川康嗣君。3年前の夏、柔道部の練習中に意識を失い、亡くなりました。12歳でした。事故当日、初心者の康嗣君は上級生との厳しいラン取りを2時間にわたって続けていました。最後に顧問の教師に投げられ、意識を失いました。

2012-02-07 16:11:45
とし @toshihiro36

<ナレーション>続き)顧問は「頭を打たないように気を付けていた」といいます。事故の連絡を受け家族が駆け付けた時、康嗣君は頭の中の血管が切れて呼吸すら困難になっていました。母親の弘美さんは「変わり果てた息子の姿が信じられなかった」といいます。

2012-02-07 16:16:28
とし @toshihiro36

村川弘美さん: 「何があったんだろう?」と思いましたね。どうしてこんな脳がくちゃくちゃになるくらい腫れあがって…中の血管が切れるくらいのことが起こったのかなあって。

2012-02-07 16:19:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> 治療にあたった脳神経外科医の金子隆昭さんです。頭を強く打ちつけたあとがなかったにもかかわらず、頭の中で出血していました。康嗣君の脳の画像です。白く滲んだ部分は静脈が切れて溜まった血液です。その血液に圧迫されて、脳が機能を失っていました。

2012-02-07 16:24:38
とし @toshihiro36

金子隆昭医師: 非常に激しい勢いで静脈性の出血が起きてきたというところがありますので、これは“加速損傷”があったなとその時点で判断できました。

2012-02-07 16:27:28
とし @toshihiro36

<ナレーション> 康嗣君の脳に起きた“加速損傷”とはどのようなものなのか。頭部が大きく揺さぶられます。頭の動きに脳がついてゆけず、中の血管が切れてしまいます。頭を打つ、打たないにかかわらず、大きな揺さぶりによって脳に損傷が起きることがあるのです。

2012-02-07 16:31:41
とし @toshihiro36

金子医師: 柔道の指導者の方は、「柔道の最中に頭を畳に強く打った時に、脳の障害が生じる」というように考えられている方が多いと思うんですけれども、実際はそうではなくて頭に加速度が加わっただけで、頭を打っていなくても障害が生じることがあるということは十分認識していただきたい。

2012-02-07 16:36:16
とし @toshihiro36

<ナレーション> 他の競技に比べて突出して死亡事故率が高い柔道。しかし、その実態はつい最近まで明らかにされてきませんでした。学校で起きる事故を研究し、安全対策を提言している名古屋大学の内田良さんです。内田さんは3年前、文部科学省所管のある独立行政法人を調べていました。

2012-02-07 16:41:01
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