シージ・トゥ・ザ・スリーピング・ビューティー #3

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

光り輝く存在がグリーンゴーストめがけ、拒絶するかのようにその手を突き出すと、グリーンゴーストは輪郭を破壊されながら遥か地平の彼方にまで吹き飛ばされた。「グワーッ!」やがて彼の姿は緑の火の玉めいて単純化され、コトダマ空間の狭間へ彷徨い消えて行った。「ヨメェェェ……」 46

2012-02-14 21:13:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

光り輝く意識体はゆっくりと人間性をあらわし始めた。水中めいて揺らぐ黒髪があらわれ、暗黒をおさめた恐ろしい眼窩には秩序が生じ、物憂げな瞳となった。さらに、その首から下が……内側から光を発する白い裸体が形作られた。迎えるように現れた格子模様の床に、彼女は音も無く着地した。 47

2012-02-14 21:19:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

数秒前の彼女はナンシー・リーに似ていたが、その美貌は徐々に移り変わりつつあった。彼女は椅子に腰を下ろした。……過去、現在、未来。時間の流れに対し斜めに交差した空間の中で、彼女は訪れるべき者を待つことにした。黄金立方体の輝きを遥か頭上に。 48

2012-02-14 21:28:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ノビドメ第二鉄橋上、アブサーディティは突進してくる白いライトを睨み据えた。当たりを引いたのは彼の部隊だ。前方のクローンヤクザバリケードが、接近してくるヘッドライトで逆光のシルエットとなる。「……」アブサーディティは淡々と爆薬を起爆させた。KABOOOOOOOOM! 50

2012-02-14 21:42:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

信じ難い巨大な爆炎の地獄が、彼のすぐ目の前に現出した。当然クローンヤクザバリケードはすべて巻き添えだ!ナムアミダブツ……アブサーディティの倦んだ目には何の感慨も無し!そして突入せんとしたニンジャスレイヤーのバイクは!?ああ!あそこに!見よ!あそこに! 51

2012-02-14 21:53:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ほとんどそれは一瞬の交錯!最大加速とウイリージャンプによって爆炎を突破したアイアンオトメが着地!ナンシー・リーは一切の迷いなき加速でそのまま対岸へ走り去る!ニンジャスレイヤーは?いない!バイクにはいない!上だ!「Wasshoi!」 52

2012-02-14 21:57:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アブサーディティは身構える!そこへ、空中からエントリーしたニンジャスレイヤーが飛び蹴りを叩き込む!「イヤーッ!」「イヤーッ!」アブサーディティは手の甲でこれをガード、ニンジャスレイヤーを弾き返す!「……来たな」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは反動でバック転し着地! 53

2012-02-14 22:01:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。はじめまして。ニンジャスレイヤーです」ニンジャスレイヤーは流れるようにオジギした。爆炎から間一髪飛び出したアイアンオトメのシートから一人、彼は飛び下りたのである……ナンシーを逃がし、ニンジャを殺す為に! 54

2012-02-14 22:05:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。はじめまして。アブサーディティです」アブサーディティはアイサツを返した。彼は巨大な爆発によって完全に破壊され分断された鉄橋を背にしていた。「お前は運の強い奴だ。ニンジャスレイヤー=サン」彼はあらためてカラテを構える……「ゆえにカラテで殺す」55

2012-02-14 22:11:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(第二部「キョート殺伐都市」より:「シージ・トゥ・ザ・スリーピング・ビューティー」#3 終わり。#4へ続く

2012-02-14 22:12:34