シージ・トゥ・ザ・スリーピング・ビューティー #3
■時々に繰り返す■しばしばお問い合わせを頂く、当作品ニンジャスレイヤーをテーマとした同人活動、当日版権についてのご案内です。ニンジャスレイヤーは、コンなどにおける同人的クリエイティビティ活動に、特に制限を設けておりません。許可取り等は不要です。(1/ 3)■定期な■内容だ■
2012-02-13 23:02:30■定期的■当著作物自体は著作権フリーでは無く、当アカウントでTweetしているテキストに関しましては、無断の電子書籍化アップロードや、常識的引用範囲を超える転載を、禁止させて頂いております。つまり、同人活動は現在行われている感じでなんか大丈夫だと思います。(2/3)■内容だ■
2012-02-13 23:10:16■定期■ まとめますと、当アカウントにて更新されtwilog、togetterにアーカイブされるニンジャスレイヤー本編を、当方の許可無く本にしたり電子書籍化し再配布してはいけない。そして同人活動における一般的な二次創作は、特に制限しておりません。ご理解ください。(3/3)■豆腐■
2012-02-13 23:27:06「モスキート=サンが」ハイ・テック屋形装甲車内の狭いタタミ、モニターに囲まれて独りアグラし、精神を研ぎ澄ませていたワイルドハントは、エンキドゥからの通知を驚愕めいて口に出した。「ハヤイ。幾らなんでもハヤイ過ぎる。化け物かニンジャスレイヤー……!」 1
2012-02-14 11:43:38モスキートは油断ならぬ使い手であり、ニンジャ野伏力も確かだ。だが功を焦るあまり、アジトを見つけ出すや、単独で飛び込んでしまった。その行いはインガオホーではある……しかし予想できようものか?まさか既にニンジャスレイヤーがナンシーを確保し、待ち構えていようとは! 2
2012-02-14 11:46:54一戦交えたインペイルメントに重篤な負傷は無い。彼は既に手勢を率いて包囲網に合流した。あの場で仕留める事ができていれば……否、考えるまい。 ||敵ハッカーの妨害が少々。意外にしぶとい。情報集約にやや遅延が出ているが解消予定|| エンキドゥのノーティスも胸騒ぎを誘う。 3
2012-02-14 11:55:59そこへ唐突に割り込むIRC接続有り。IDはignite_hell_o。アンバサダーのチームの女ニンジャだ。 ||遊びに来たよ|| (イグナイト=サンをよこすか)彼女の脳天気な文章に、ワイルドハントは眉根を寄せる。(アンバサダー=サン、義理を立ててアデプト一人……まあいい) 4
2012-02-14 12:04:06『だから、来たッての!』「グワーッ!?」装甲車内に、鼓膜を破らんばかりの爆音で女の声が鳴り響いた。前方カメラには睫毛の長い目が接写で大写しになっている。ワイルドハントは舌打ちし、屋形装甲車の瓦屋根ハッチを開いて顔を出した。「ヘル・オー!ワイルドハント=サン!イグナイトです!」5
2012-02-14 12:11:46カメラに顔をくっつけていた女ニンジャはワイルドハントを認めると装甲車から転がり落ち、裏向きキツネ・サインを出してアイサツした。片手には防衛クローンヤクザから奪ったとおぼしきトランシーバー。「あ、これ返す」と放り投げる。 6
2012-02-14 12:15:41彼女は真っ赤に染めた頭髪の左半分を丸刈りに剃り上げ、右は前髪だけを伸ばしてギザギザに固めている。後頭部は刈り込まれて縞模様を作っている。眉毛は無く、かわりにイバラめかした模様をタトゥーしてある。目の周りは赤紫の隈取り。鼻から下はマフラーで覆面し、その布には「地獄お」の文字。 7
2012-02-14 12:25:02彼女は確か、まだ若い。確か、というのは、パンクスめいたデコレーションが過剰であるがゆえだ。痩せた身体を包むニンジャ装束は、稲妻パターンが刺繍されたレザー製だ。「で?何を燃やしャいいの?」彼女は欠伸して身体を伸ばし、耳をほじりながら言った。 8
2012-02-14 12:35:17「……。……ニンジャスレイヤー……だ!」ワイルドハントは腕組みし、唸るように言った。「とにかく今すぐ指定ポイントへ向かえ。情報はIRCで送信する」「ニンジャスレイヤー!アッハ!」イグナイトは甲高く笑った。「死なないようにしよッと!」 9
2012-02-14 12:46:04「もう眠りは平気なのか。ナンシー=サン」ニンジャスレイヤーは問うた「それとも例の短時間覚醒……」「このままでも悪くないんだけど、降ろしてくれてもいいのよ」抱えられたままのナンシーがニンジャスレイヤーを見上げて言った。「これはすまぬ」ニンジャスレイヤーは丁重に彼女を降ろした。 11
2012-02-14 13:12:18「眠りはおしまい。私は帰ってきた」ナンシーは壁に向かって患者衣を無雑作に脱ぎ捨て、黒レザーのライダースーツを着込みながら言った。「代償は大きいけど、身体が死んだらどうなるか、わからなかったし」闇調達デッカーガンの装弾を確認。ホルスターにおさめる。「代償?」「そう。代償」 12
2012-02-14 13:20:12彼女は「不如帰」のショドーの横に立て掛けられたカタナを手に取り、身につけた。「私はコトダマ空間の……ネットワークの中の自分を切り離した。置き去りにして、無理矢理戻った」「そんな事が可能なのか?」「可能。みたいね。現に私はこうしてる」彼女は肩をすくめた。「おかしな体験が沢山」 13
2012-02-14 13:43:24「身体は何ともないのか」「鈍っているけどね」ナンシーは頷いた。二人は直通エレベータに乗り込んだ。「でも、私は以前のようにネットワークに没入する事が出来なくなった筈。それが代償。そして、私のネットワーク自我がどうなったのか、わからない。急な話だったから。それが面倒の種」14
2012-02-14 13:50:47「理解……しよう」ニンジャスレイヤーは言った「状況はわかるか?」「勿論。だから戻ってきたのだし」二人はシリンダーめいたエレベータの中、向かい合って立ち、文字盤が地上を目指して瞬くのを見ていた。「ナンシー=サン。私の名はフジキド・ケンジだ」ニンジャスレイヤーは唐突に言った。 15
2012-02-14 14:02:13「……」ナンシーがニンジャスレイヤーを見た。「……ドーモ。フジキド=サン」「ドーモ」ニンジャスレイヤーは頷いた。ナンシーは微笑んだ。 16
2012-02-14 14:04:13BLAM!BLAMBLAM!「グワーッ!」「グワーッ!」アイアンオトメの車上、ニンジャスレイヤーの後ろに座るナンシーはLAN直結した改造デッカーガンを構え、正確な射撃で、行く手を阻もうとするクローンヤクザを次々に撃ち殺してゆく。狙い撃つ敵は必要最小限。さもなくば間に合わぬ。 18
2012-02-14 15:38:32||高架は昇らない。そのままストレイトスルー。上はさっきのトイ一杯|| アイアンオトメの小型UNIXモニタにせわしない0と1が流れ、シバカリのナビゲーションが音声と文字とで絶えず投げかけられる。 ||ビークル、次の角から。備えて|| ニンジャスレイヤーは加速! 19
2012-02-14 15:43:082秒後、左手から屋形装甲車が道路を遮るように飛び出した。屋形にはミニガンヤクザ!「スッゾコラー!」だがナンシーの右手には既に、ピンが抜かれたグレネードが握られている。「swallow this!」投擲!それがミニガンヤクザの目の前に到達した瞬間に爆発!完璧なタイミングだ! 20
2012-02-14 15:53:18