Twitter大学 - わいたんべさんの漢方学概論
うーん、「中医学で瞑眩を否定している」とまで言えるのかとなると怪しいかと。「中医学では瞑眩の考え方は主流でなかった」ということで「中医学を日本で進めているグループは、『瞑眩』を多用する人々を批判してる」が正確かと RT @usg_ringo 中医学では「瞑眩」を現在は否定
2012-02-25 22:49:36@nenuaki 「独自の進展」としては、例えば、自分の妻に麻酔をかけて手術を行った華岡青洲の例なんかが挙げられると思います。が、そういう例は少ないですね。
2012-02-25 22:52:43@nenuaki 元々、日本には各時代で、その時代から*そこまで*離れてない時期の医学書が中国から伝わり、それがテキストになってたわけですが、江戸時代に、一種の復古運動が生じました(続
2012-02-25 22:56:21@nenuaki 当時主流だった中国の金元時代のもの(=後世派)は陰陽五行思想と結びついた理論が重視されてたため、もっと効き目がはっきりした古い時代のものを使う実践派(=古方派)が台頭しました。この両者がやりあいながら、時代が流れていったのだけど、やがて蘭学が台頭してくる(続
2012-02-25 22:58:45@nenuaki その後、明治維新を経て、いわゆる西洋医学だけが政府に認められるようになった後、「後世派/古方派など流派の枠を超えて、漢方を復活させよう」という動きが生じた、という流れです。だから、今の「漢方」はいろいろとハイブリッド的。
2012-02-25 23:01:02@usg_ringo 「中医学で瞑眩を否定した」とまでなると、書経に少しだけ出てくる「瞑眩」は存在しない、と言うようなことなので正確とはいいがたいんじゃないかなぁ、と。問題は、その解釈の仕方だと思いますので(それが、吉益東洞が掘り返して、自説にこじつけた感はあるわけですが)
2012-02-25 23:07:28@usg_ringo もちろん、吉益東洞はじめ古方派にも偉大な医師が多かったわけですが…時代的な面とか、当時の主流派に対する批判をしながら、自派の利点を主張する上で、そういうのが出てしまったのだろう、と。
2012-02-25 23:17:06元々、古方派が重視してた傷寒論は、病気の中でも傷寒病と呼ばれる病気への方剤が中心で、今日で言えば、熱帯地方の伝染病とかそういうのに対する、作用も強いが、反面、いわゆる副作用も強く出やすい方剤が多いと言われてます。
2012-02-25 23:19:56「効き目が強い」という点は、彼らが提唱したように「理論先行の後世派のものよりも、実践的だ」という主張に合致するのだけど、実際に使っている医師の間では、いわゆる副作用も見られる点が気になってくる。そこを説明しようとして「瞑眩」を持ち出したのではないか、と。
2012-02-25 23:23:49大学院生の頃、漢方薬の薬理とか生薬中の薬理成分についての研究をしてたのだけど、当時いろいろとお世話になった助手(当時)の先生が「漢方は『終わった学問』だよ」と言ってたのを未だに覚えている。
2012-02-25 23:30:38その先生自身、漢方に精通してたし「証がぴったり合ったら驚くほど効くよね」と自分の経験を交えて語ることもあった人なのだけど、「学問」としては「過去(のテキスト)に向かってる」という意味だったのだと思う。
2012-02-25 23:34:13僕が当時研究してた漢方薬理も、漢方で用いられる薬に対して、「いわゆる西洋科学的」なアプローチをするものなので、学問大系としてはあくまで西洋科学のものだったわけで。
2012-02-25 23:36:09ただし結局のところ、エビデンスの有無にしても、有効成分の研究にしても、そういういわゆる西洋科学/西洋医学的なアプローチを抜きにしては、今後、漢方が残っていく道はないでしょう。その点で、日本東洋医学会が、エビデンスデータベースに注力してるのは、非常に重要なことだと思ってる。
2012-02-25 23:39:07@aminah2500 端的に言うと「漢方薬を使うこと」と「漢方の学問大系」は別、ということです。ご指摘のは前者。ただ正しく使うためには、最低限「証」を理解できないといけない。この点は「病名を決めてから薬を出す」、いわゆる西洋医学的な投薬方法への批判にも繋がるわけですが。
2012-02-25 23:42:50「風邪には葛根湯」とか「インフルエンザには葛根湯」とかは、本来もってのほかで、「これは葛根湯の証だから、葛根湯」という使い方になるという…トートロジーに見えるけど。
2012-02-25 23:45:24