漫画家・佐藤秀峰さんの「違法ダウンロード問題からマンガ界を考える」

漫画家・佐藤秀峰さんが「違法ダウンロードに罰則を科して著作権を保護する前に、著作者を保護したほうが・・・」ということを、マンガ業界の実情を交えてツイートされていたのでまとめています。
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@shuhosato

『違法ダウンロードに罰則 著作権法案修正で合意』 http://t.co/Wiz8e06e  また、しょうもないことをしようとしてるなぁ。 youtubeみたいな違法と合法が混在してるサービスがあったとして、知らずにダウンロードした物が違法だったら罰則、みたいなことになるよね。

2012-04-14 12:50:18
@shuhosato

違法ダウンロードや、合法でも著作者にロイヤリティが入らないサービスがあったとして、その結果、著作者の正当な権利が圧迫されたり、正規品の売り上げが下がったというデータがあるなら示してほしい。 漫画の場合、新古書店の台頭で単行本の売り上げが下がったというデータはない。

2012-04-14 12:56:14
@shuhosato

違法ダウンロード罰則強化の目的が著作権者への利益の保護であるなら、先に作家と出版社の契約に関して、労働基準法に準じたの保護規定を作ってほしい。

2012-04-14 13:02:07
@shuhosato

漫画家の場合、画材費、人件費など作品の制作に必要な費用はすべて作家が負担する。 出版社から受け取る原稿料は雑誌に掲載された場合の掲載料に過ぎず、制作費を保証するものではない。 つまり、漫画家は多くの場合、制作費に満たない原稿料を元手に原稿を描いている。

2012-04-14 13:05:04
@shuhosato

赤字を減らすために、漫画家は作画スタッフを労働基準法に反した労働条件で雇用したり、個人事業主であれば委託にもかかわらず請け負いと同じ作業を強いていたりする。 そもそも原稿料が安いから問題なのであって、ちゃんと法律で保護規定があればいいのになぁと思う。

2012-04-14 13:09:05
@shuhosato

違法ダウンロード罰則強化は、出るかどうかもわからない単行本の印税を保護しようというようなもので、原稿料を1ページ10万円貰えるなら、印税は5%でいいという作家は結構いるんじゃないかなぁ。

2012-04-14 13:12:42
@shuhosato

違法ダウンロードの罰則を強化しても著作権収入が増える見込みは少ないし、そんなことよりも出版社が作家に仕事を依頼する際、しっかりお金を払ってくれれば、それでいいんだけどね。 作家が作品制作の見積もりを作って、出版社は納得すれば発注、という普通のスキームがない。

2012-04-14 13:18:55
@shuhosato

今の出版の仕組みは、作家に作品制作のリスクを負わせて、書籍が売れたらロイヤリティを払うことでで成り立っている。 それが基本にあるので、作家も「原稿料をもらえるだけでも、制作費の穴埋めをできるだけでもありがたい」というような価値観になってしまう。

2012-04-14 13:24:12
@shuhosato

原稿料がすべて作品の制作費に消えたとして、漫画家が平均的なサラーリーマンと同じ水準の収入を得るためには、500円の単行本が毎年10万部以上売れないといけない。 単行本を出している作家の大半はこの水準に達していない。

2012-04-14 13:33:34
@shuhosato

僕が作画スタッフをしてた頃は、一番忙しい時期は60日連続勤務とかがあって、平均勤務時間は20時間くらいでしたねー…。 月給は12万円だったから、時給にすると200円くらい。 で、時間内に作業が完成しないと怒られてた。

2012-04-14 13:49:30
@shuhosato

「原稿料だけでもやりくりすればなんとかなるよ」という漫画家さんは雇用体系をもう一度に直したほうがいいと思うのです。 会社で作画スタッフを労働者として雇っているなら労働基準法に従うべきだし、個人事業主で委託なら委託の範囲内で依頼して、請け負わせるなら同じ事務所で働かせちゃダメ。

2012-04-14 13:54:47
@shuhosato

とっちらかっちゃったけど、著作権保護の前に著作者を保護してほしいという話でした。 違法ユーザーは将来のお客さんになるかもしれないし、あんまり追いつめても作品への入り口を狭くするだけで、長い目で見てコンテンツ産業の衰退につながると思う。

2012-04-14 14:04:57