社会的法益によるヘイトスピーチ規制の是非

金明秀(@han_org)氏と小山エミ(@emigrl)氏のやりとりを中心に。 関連まとめ:  表現規制反対運動とフェミニズムの不幸な関係   http://togetter.com/li/292844 続きを読む
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エミコヤマ @emigrl

@han_org 「副作用」というより、そもそも国家とはそういうもので、それが政府の「本来の作用」なのだ、と思っています。とくにヘイトクライムなりヘイトスピーチの規制においては、それがヘイトかどうかという判断が介在するので、それ以外の規制より危険が大きいでしょう。

2012-04-25 14:09:38
wataru @watarloo

表現規制に絡んでヘイト規制に関しては、短いやりとりだったけれど昨日、 @han_orgさんの問いかけに対して @emigrlさんが応答した一連の発言(ヘイト認定の際に実質的にパレスチナ人差別等のおかしなことが起こっている、など様々な実例の報告)が読み応えあり。

2012-04-27 06:28:00
エミコヤマ @emigrl

@watarloo でもなんだか @han_org さんはdismissiveでした... その議論は聞き飽きたし相手にしたくないということかもしれないけれど、あれだけ書いたのに反応があれだけだと、悲しい。

2012-04-27 09:01:21
エミコヤマ @emigrl

@watarloo @han_org ま、わかるんですけどね。わたしの書いた具体的な話を読んで、ほら見ろだから差別禁止なんていらないんだと喜ぶ差別者はいるわけですから。

2012-04-27 09:02:24
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl あ、ごめんなさい、このところちょっとバタバタしてたのでリプライのまとまった時間が取れませんでした。 @watarloo

2012-04-27 09:03:47
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl もう一つは、小山さんにリプライできるほど自説がまとまってもいなかったし確証もなかったということもあります。でも、まあついでですので、あの時リプライしようと思っていたことを生煮えのまま書いてみましょうか。 @watarloo

2012-04-27 09:12:47
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 論点は多分3つぐらいかな。(0)国家による自由[が幻想だという小山さんの主張へのリプ]、(1)マクロとマイクロ、(2)法令による規範形成効果の大きさ、(3)ここがうまく言語化できていないな。社会的法益を代表とするカテゴリー概念の功罪。

2012-04-27 09:17:48
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl (0)国家が本質的にマイノリティを抑圧するのだというのはぼくにとっても親しみのある主張です。一方で、運用上、常にその本質をむき出しにしているわけでもないというのも幅広く観察される事実でして。マイノリティとしてはその運用をすり抜けながら生きていく必要がある。

2012-04-27 09:21:36
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl つまり、生存のための短期的資源を引き出せるのなら、抑圧の本丸をスルーしてでも運用上の権益保護を求めざるを得ない場合だってある。以上が小山さんへの直接的なリプライです。たぶん、そんなことは承知の上での主張だったと思いますが。

2012-04-27 09:24:17
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl (1)間接的なリプライの一つ目は、マクロとマイクロ。つまり、それぞれの国家の内部を観察すると国家にはマイノリティを抑圧する装置としての働きが目立つけれども、多数の国家を比較すると、国家が人権侵害を防ぐ機能を持っているという側面がぐっと目立ってくるという話。

2012-04-27 09:27:24
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 単純な話、国家による人権侵害を防ぐための国際条約を批准している国家ほど、国家による暴力的な抑圧は相対的に少ない傾向がある。そうした国でも国家による暴力が根絶はできないという理由だけで、国家による保護機能を無視できるものではありません。

2012-04-27 09:33:00
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl (2)間接的なリプライの二つ目は、法令によって規範が形成される効果は無視しえないほど大きいという話。法治国家では多くの人が合法的支配を正当性の源泉としているため、本来は法よりも基底的な規範の源泉まで法に求めてしまうという現象が起こります。

2012-04-27 09:37:38
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 例えば今の日本では、在特会のきわめて犯罪的な発話内容すら「裁くための法がない」という事実から反射的に許容されてしまう側面がある。法はあっても侮辱や名誉棄損は立件が難しい。そういう状況下では、問題が個人の倫理感や人格の問題へと矮小化されてしまう傾向がある。

2012-04-27 09:43:13
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl それに対して、かりにヘイトスピーチを禁じる法のようなものが制定されれば、実際にそれがうまく運用されるかどうかはともかく、「ヘイトスピーチは法的に許されないことなのだ、道徳の問題ではなく犯罪なのだ」という判断の根拠を人々に提供できるようになります。

2012-04-27 09:44:53
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl (3)そこで第三のリプライ。現実の社会が流動的であるにもかかわらず、社会的法益のような構成概念を固定的に適用することで、現実と法のズレが時として問題を発生させてしまう。にもかかわらず、やはり社会的法益という概念は重要なのではないかという話。

2012-04-27 09:48:01
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl これについて論じるには、ちょっと遠回りだけど、「理想とする問題解決のイメージ」について検討するのが結果的に早道かもしれません。

2012-04-27 09:49:49
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 人々を抑圧する何らかの不正義(たとえばレイシズムでもセクシズムでも)があるとき、それを解消するための運動のイメージとして様々なものが提案されてきました。

2012-04-27 09:52:37
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl ぼくの理想は統計解析などで用いられるイタレーションです。仮想の解を初期値として設定し、実際にその値を当てはめて計算して観測値とのズレを検出する。ズレを修正した値を再投入して計算し、再び観測地とのズレを検出する。以下、ズレがなくなるまで無限に繰り返し。

2012-04-27 09:54:37
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl それに対して小山さんは、おそらく「仮想のゴール」など設定してはならない、というスタンスをとりますよね。それがどれほど短期的には非効率的で、最終的な解決までどれだけ時間がかかるように思えたとしても、長期的にはそのほうが確実にゆがみのない本当のゴールに到達するのだと。

2012-04-27 09:57:27
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 言い方を変えると、ぼくはまず8割の問題が軽減されるなら2割が取り残される場合でもまずその方策に乗ります。そして2割の問題を放置しないような留保条件を付けることを主たる運動課題とするでしょう。

2012-04-27 10:00:59
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 一方、たぶん小山さんもそうではないかと推察しますが、2割もの人が取り残される案など採用できないというスタンスもあります。時間をかけてでも全員をカバーできる方策にコンセンサスが得られるなら、それはたしかにある意味で理想的です。

2012-04-27 10:03:35
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl でも、現実の問題として、8割案を通すことだってやっとですよ。8割案にすら支配社会の同意が得られるかどうか微妙という状況で10割案に時間をかけようというのは、個人の人生のタイムスパンからいえば実質的に永遠に問題を放置しようというも同然かもしれません。

2012-04-27 10:05:59
金明秀 Ꮶɨʍ, ʍʏʊռɢֆօօ @han_org

@emigrl 話を元に戻すと、社会的法益という構成概念を導入することで弊害が生じる場面があるとしても、社会的法益という概念で保護される事例が多いという蓋然性が高いなら、ぼくはそれに乗りたいですね。

2012-04-27 10:09:38
エミコヤマ @emigrl

詳細なお返事ありがとうございます。お時間のないときに回答を急かすようなことになってすみません。いただいた論点の番号を使って応答をしたいと思います。長い連続投稿です。 @han_org

2012-04-27 17:41:53